“ハート”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
心臓40.0%
15.0%
15.0%
心臟10.0%
心情5.0%
心胸5.0%
5.0%
真心5.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
濃厚にかさを持って、延板のべいたのように平たく澄んでいる、大岳の影が万斤の重さです、あまりしずかで、心臓ハート形の桔梗の大弁を、象嵌ぞうがんしたようだ
梓川の上流 (新字新仮名) / 小島烏水(著)
すると、自分が三千代に対する情合も、この論理によって、ただ現在的のものに過ぎなくなった。彼の頭はまさにこれを承認した。然し彼のハートは、慥かにそうだと感ずる勇気がなかった。
それから (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
「わたしはもう、普通の空気がいやになったのですから。——そうして、あなたのこのお花を下さいな。わたしはきっと大事に枝を折って、わたしのハートの側にちゃんとつけて置きます」
ma chèreシェール(いとしいかた)、かうして、やいのやいのと寄つて來る求愛者をとこたちのうち、どれにもあたしの心臟ハートが平氣だとあんた思つて? ところがどうして、さうぢやないの……。
狂人日記 (旧字旧仮名) / ニコライ・ゴーゴリ(著)
丁寧に言えば、象徴が知的の「頭脳ヘッド」によってされないで、主観の感情によって温熱されたる、心情ハートの意味としてされねばならない。
詩の原理 (新字新仮名) / 萩原朔太郎(著)
なお詳しく言えば、物について物を見ないで、主観の感情によって認識し、心情ハートの感激や情緒にかして、存在の意味を知ることである。
詩の原理 (新字新仮名) / 萩原朔太郎(著)
宇宙秩序に目的、意義を認むるは知性の仕事でなくして情性(Gemüt)の仕事である、頭腦ヘッドの仕事でなくして心胸ハートの仕事である、從つて學理上の要求でなくして倫理上若くば宗教上の要求である。
学究漫録 (旧字旧仮名) / 朝永三十郎(著)
詩人若し談理の弊に陥れば、其詩は即ち索然として活気を失はざるを得ず、何となれば是れ既にハートの声に非ずしてマインドの声なれば也。
詩人論 (新字旧仮名) / 山路愛山(著)
真心ハートの何物をも持たない』と言つてフロオベルは慨嘆した。トルストイはトルストイで、矛盾に矛盾をかさねて、そして最後は修道院に入るやうな結果を得た。モウパツサンは狂死した。
J. K. Huys Mans の小説 (新字旧仮名) / 田山花袋田山録弥(著)