“むね”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:ムネ
語句割合
42.8%
25.6%
23.8%
2.4%
0.9%
心臓0.5%
0.4%
0.3%
方寸0.3%
屋梁0.1%
心部0.1%
心頭0.1%
0.1%
一棟0.1%
0.1%
屋棟0.1%
心胸0.1%
0.1%
意趣0.1%
0.1%
0.1%
0.1%
胸元0.1%
胸底0.1%
胸膈0.1%
胸裡0.1%
胸部0.1%
胸郭0.1%
脊梁0.1%
0.1%
0.1%
0.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
ことしは芳之助よしのすけもはや廿歳はたちいま一兩年いちりやうねんたるうへおほやけつまとよびつまばるゝぞとおもへばうれしさにむねをどりて友達ともだちなぶりごともはづかしく
別れ霜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
おもしろいことには東京地方へ旅行すると、農家の大きな藁葺わらぶき屋根の高いむねにオニユリが幾株いくかぶえて花を咲かせている風情ふぜいである。
植物知識 (新字新仮名) / 牧野富太郎(著)
そうして……と思うむねを半分報知しらせてやれば母親は大悦おおよろこび、文三にはお勢という心宛こころあてが出来たことは知らぬが仏のような慈悲心から
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
われはむねの跳るを覺えて、そと人々に遠ざかり、身を長きとばりの蔭に隱して、窓の外なる涼しき空氣を呼吸したり。
一にいはく、やはらぎを以て貴しとし、さかふこと無きをむねと為せ。人皆たむら有り、またさとれる者少し。これを以て、或は君父きみかぞしたがはずして隣里さととなりたがふ。
大和古寺風物誌 (新字新仮名) / 亀井勝一郎(著)
自分のはだに手を触れて、心臓むねをしつかとおさへた折から、芬々ぷんぷんとしてにおつたのは、たちばな音信おとずれか、あらず、仏壇のこう名残なごりか、あらず、ともすれば風につれて、随所
処方秘箋 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
谷間の途極ゆきとまりにてかめに落たるねずみのごとくいかんともせんすべなく惘然ばうぜんとしてむねせまり、いかゞせんといふ思案しあんさヘ出ざりき。
天照らす大御神の忌服屋いみはたやにましまして神御衣かむみそ織らしめたまふ時に、その服屋はたやむねを穿ちて、天の斑馬むちこま逆剥さかはぎに剥ぎて墮し入るる時に、天の衣織女みそおりめ見驚きて陰上ほとを衝きて死にき。
「まあ、こちとらの方寸むねにある。」と、藤吉はまた一段と調子を上げて
都会だと屋梁むねの上に火事の進行を見るための小さな足場を見受ける。耐火建築は、多少装飾の意味も持つ巨大な端瓦を、屋梁にのせていることもある。
屋根には重々しく瓦が葺いてあり、そして私が写生した時には、かもめが数羽、皆同じ方向に頭を向けて屋梁むねにとまっていた。図351は蒸汽艇が和船を曳船している所を示す。
かれ忌々敷相いま/\しさうやいばもつ心部むねとほされるくるしさをしのんだかとおもふやうな容子ようすでわく/\するむねからこゑしぼつていつた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
しかその種々いろ/\さけびの錯雜さくざつしてきこえるこゑ自分じぶん心部むねからあるものつかんでくやうで、自然しぜんにそれへみゝすますとなんだかのないやうな果敢はかなさをかんじてなみだちた。なみだ卯平うへい白髮しらがしたゝつた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
ごろむつまじくかたり給ふ二二殿原とのばらまうで給ひてはうむりの事をもはかり給ひぬれど、只師が心頭むねの暖かなるを見て、ひつぎにもをさめでかく守り侍りしに、今や蘇生よみがへり給ふにつきて
一七徒弟とてい友どちあつまりて嘆き惜しみけるが、只一八心頭むねのあたりのすこし暖かなるにぞ、一九しやと二〇居めぐりて守りつも三日をにけるに、手足すこし動き出づるやうなりしが
胡人こじんかわぐつのごとくなる者蹙縮然しゅくしゅくぜんたり(五) 犎牛ほうぎゅうむねなる者廉襜然れんせんぜんたり(六) 浮雲の山をいずる者輸菌然たり(七) 軽飈けいえんの水を
茶の本:04 茶の本 (新字新仮名) / 岡倉天心岡倉覚三(著)
これは犎牛のむねのすじの通ったのを言う。
茶の本:04 茶の本 (新字新仮名) / 岡倉天心岡倉覚三(著)
その他は皆けづり成せる斷崖にして、その地勢拿破里に向ひて級を下るが如く、葡萄圃と橘柚オレンジ橄欖オリワの林とは交る/″\これを覆へり。岸に沿へる處には、數軒の蜑戸たんこ一棟むね哨舍ばんごやとを見る。
『和名抄』に蛇和名倍美蚖蛇げんじゃ加良須倍美からすへみ蚺蛇ぜんじゃ仁之木倍美にしきへみとありて幣美へみてふという名ぞむねと聞ゆる、同じ『和名抄』蝮の条に、〈俗あるいは蛇を呼ぶに反鼻と為す
ッ——と一わたり、小夜嵐さよあらし屋棟むねを鳴らして過ぎる。
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
ひめがあれをただ海神かいじんいかりとのみかんじたのはいささか間違まちがってるが、それはそうとして、あの場合ばあいひめ心胸むねにはまことになみだぐましい真剣しんけんさが宿やどっていた。
現在の彼は、「我が審判さばきはたゞし、そはわがむねを行ふことを求めず、我を遺しし父のむねを行ふことを求むればなり、」
三太郎の日記 第二 (旧字旧仮名) / 阿部次郎(著)
お家の習はしは神さまの御意趣むねと思ひつかはされませ。
死者の書:――初稿版―― (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
坐相撲すわりずもうはなし、体操、音楽のうわさ、取締との議論、賄方まかないかた征討の義挙から、試験の模様、落第の分疏いいわけに至るまで、およそ偶然にむねに浮んだ事は、月足らずの水子みずこ思想
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
季節きせつむねしくつひやすことが一にちでも非常ひじやう損失そんしつであるといふ見易みやす利害りがい打算ださんからかれ到頭たうとうまかされてまた所懸命しよけんめい勞働らうどう從事じうじした。かれはもう卯平うへい一言ひとことくちかなくなつた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
基康 (刀を抜きむねにて俊寛の手を打つ。俊寛、手を放す)急いでげ。
俊寛 (新字新仮名) / 倉田百三(著)
一つ深あい呼吸いきをして、疲れたようにそうッと顔を上げて、此度はさも思い余ったように胸元むねをがっくりと落して、頸を肩の上に投げたまゝ味気なさそうに、目的あてもなく畳の方を見詰めて居た。
別れたる妻に送る手紙 (新字新仮名) / 近松秋江(著)
じろり——茶の間に待っている客を横眼に白眼にらんで、奥へ通ろうとした。が、その時、ふと壁辰の胸底むねを走り過ぎたものがあって、彼は、どきりとした。思わず、足が停まった。
魔像:新版大岡政談 (新字新仮名) / 林不忘(著)
一念ここに至るごとに、文三はも折れ気もじけてそして胸膈むねふさがる。
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
かぜやはらかに、くさみどりなる陸上りくじやうひとは、ふね沈沒ちんぼつなどゝけば、あだか趣味しゆみある出來事できごとやうおもはれて、あるひ演劇えんげきに、あるひ油繪あぶらゑに、樣々さま/″\なることをしてその悲壯ひさうなる光景ありさま胸裡むねゑがかんとしてるが
弾丸たま胸部むねに受けて、野によこたはつた父の苦痛と、長い悲しい淋しい生活を続けた母の苦痛と
父の墓 (新字旧仮名) / 田山花袋(著)
このごろ胸郭むねが急にうつろになって、そこを秋風が吹くような気がする。ことに夕方は身もこころも遣瀬やるせなく重い。
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
家の脊梁むねの外見によって、どの国に自分がいるかがすぐ決定出来る程である。
人工心臓のモーターと錯覚したのは、咯血によって生ずるむねの鳴り音に過ぎなかったのです。
人工心臓 (新字新仮名) / 小酒井不木(著)
龍神りゆうじんむね
孔雀船 (旧字旧仮名) / 伊良子清白(著)
むねの牛舎があるばかりで、他には一つも建物は無い。
闘牛 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)