“忤”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
さか57.1%
さから19.0%
もと9.5%
たが4.8%
4.8%
さかろ4.8%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
この時根津ねづ茗荷屋みょうがやという旅店りょてんがあった。その主人稲垣清蔵いながきせいぞう鳥羽とば稲垣家の重臣で、きみいさめてむねさかい、のがれて商人となったのである。
渋江抽斎 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
世話をして貰いたいと云うのは、世話になるのがいやだと云う意味なんだ。——だから僕は表向母の意志にさからって、内実は母の希望通にしてやるのさ。
虞美人草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
酔ヘバ則チ一世ヲ睥睨へいげいシ、モシ意ニもとルコトアレバ、すなわチ面折シテ人ヲはずかシム。ここヲ以テ益〻ますます窮ス。シカモソノ志ノ潔ナル世知ル者ナシ。文久二年壬戌十一月二十八日病ンデ江戸不忍池しのばずのいけ僑居きょうきょニ没ス。
下谷叢話 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
ここに天皇、天の下の氏氏名名の人どもの、氏かばねたがあやまることを愁へまして、味白檮うまかし言八十禍津日ことやそまがつひさきに、玖訶瓮くかべを据ゑて、天の下の八十伴やそともの氏姓を定めたまひき。
努力は其れと稍や違つた意味を有し、意志と感情とがあひし戻つて居る場合でも、意識の火を燃え立たせて、感情の水に負けぬやうに爲し、そして熱して/\已まぬのを云ふのである。
努力論 (旧字旧仮名) / 幸田露伴(著)
孔生は朝廷から差遣さけんせられて地方を巡察する直指ちょくしさかろうたがために官をめさせられたが、いろいろのことに妨げられてかえることができなかった。
嬌娜 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)