“さか”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:サカ
語句割合
24.1%
13.3%
9.0%
8.6%
6.8%
6.8%
6.6%
3.7%
2.6%
2.2%
1.8%
1.6%
1.5%
1.3%
茶菓0.9%
0.8%
0.7%
0.5%
0.5%
0.5%
0.5%
0.3%
0.3%
怜悧0.3%
0.3%
0.2%
0.2%
0.2%
0.2%
0.2%
0.2%
0.2%
0.2%
0.2%
0.2%
沙河0.1%
0.1%
0.1%
0.1%
0.1%
0.1%
0.1%
0.1%
斜坂0.1%
斜面0.1%
殷盛0.1%
0.1%
狡猾0.1%
0.1%
0.1%
繁盛0.1%
0.1%
茶家0.1%
0.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
かたつかんで、ぐいとった。そので、かおさかさにでた八五ろうは、もう一おびって、藤吉とうきち枝折戸しおりどうちきずりんだ。
おせん (新字新仮名) / 邦枝完二(著)
これで病附やみついた東皐子とうくわうしは、翌日よくじつ徒弟とていおよ穴掘あなほり老爺おやぢ同行どうかうして、さかんに發掘はつくつし、朝貌形完全土器あさがほがたくわんぜんどきしたなどは、茶氣ちやき滿々まん/\である。
年はとっても意気のさかんなお婆さんを始め、主人、細君は風通しの好い奥座敷に一緒に集っていて、例のように捨吉を迎えてくれた。
桜の実の熟する時 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
これらの長篇制作ちょうへんせいさくに関するノートを書きつけたような結果になったが、他の人々も今後さかんに純粋小説論を書かれることを希望したい。
純粋小説論 (新字新仮名) / 横光利一(著)
さかうへ煙草屋たばこやにて北八きたはちたしところのパイレートをあがなふ。勿論もちろん身錢みぜになり。舶來はくらい煙草たばこ此邊このへんにはいまれあり。たゞしめつてあじはひならず。
弥次行 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
されば我若し行くを肯はゞその行くこと恐らくはこれ狂へるわざならん、汝はさかし、よくわがことばの盡さゞるところをさとる 三四—三六
神曲:01 地獄 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
今口を極めて李陵を讒誣ざんぶしているのは、数か月前李陵が都を辞するときにさかずきをあげて、その行をさかんにした連中ではなかったか。
李陵 (新字新仮名) / 中島敦(著)
わたくしの頭を鉄扇で打ち、門弟がたぶさを取って引摺り出し、打ち打擲するのみならず、割下水へさかさまに突込つきこまれてわたくしは半分死んで居ります
業平文治漂流奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
ほかの生物せいぶつ生存競争せいぞんきょうそうほろびても、協力生活きょうりょくせいかつをするありの種族しゅぞくだけはさかえるのだ、世界せかいじゅうどこでも、ありのいないところはないだろう。
戦友 (新字新仮名) / 小川未明(著)
そうして向うでちろりを借りておかんをつけて、余った酒は又びんに入れて持って帰ってさかしおに使うと云うんだが、実際ありゃあいい考だね。
蓼喰う虫 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
そして、勝負せうふをしながら畫談ぐわだんかせていたゞいたりするのも、わたしには一つのたのしみだつた。しかし、赤さかうつり住んでからは、まつたく先生とも會戰くわいせんない。
文壇球突物語 (旧字旧仮名) / 南部修太郎(著)
私たちは山にさかろうとするこころと、山にかれるこころともつれるさまをこれ等の蜘蛛手の線路の上へ形さながらに現して彷徨いたしました。
生々流転 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
可愛かはいいこの一族いちぞくは、土手どてつゞくところ、二里にり三里さんりあしとともにさかえてよろこぶべきことを、ならず、やがて發見はつけんした。——房州ばうしうときである。
木菟俗見 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
一にいはく、やはらぎを以て貴しとし、さかふこと無きをむねと為せ。人皆たむら有り、またさとれる者少し。これを以て、或は君父きみかぞしたがはずして隣里さととなりたがふ。
大和古寺風物誌 (新字新仮名) / 亀井勝一郎(著)
ふたりがりっぱなものでおおわれた丸テーブルをはさんで、安楽イスに腰をおろしますと、待ちかまえていたように、べつのボーイが茶菓さかを運んできました。
怪人二十面相 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
朝飯前あさめしまへ仕事しごとにして天下てんかをどろかす事虎列刺コレラよりもはなはだしく天下てんか評判ひやうばんさる〻事蜘蛛くもをとこよりもさかんなるは唯其れ文学者あるのみ、文学者あるのみ。
為文学者経 (新字旧仮名) / 内田魯庵三文字屋金平(著)
あんたにさからっても無駄だってことはよく知ってる。……だから、こうして降参してるんじゃないか。……助けてやってくれとたのんでるんだ。
金狼 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
峠で力餅ちからもちを売りました、三四軒茶屋旅籠はたごのございました、あの広場ひろッぱな、……俗に猿ヶ馬場ばんば——以前上下のぼりくだりの旅人でさかりました時分には、何が故に、猿ヶ馬場だか
星女郎 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
黒曜石のようなさかしい眼のあった個所には、眼窩がんかが暗い孔を開け、桜貝のような愛らしい耳が着いていたところから藻草が青い芽をだしている。
湖畔 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
四十五六のさかんな年頃ですが、ひどい跛者びつこで蒼白くて、二本差としてモノの役に立ちさうもありませんが、雜俳ざつぱい席畫せきぐわ得手えてで、散らしを描いたり、配り物、刷り物の圖案をしたり、代作、代筆
ことに彼のさかしげなのを見て、泰親は叔父夫婦にも子細をうちあけて、彼を自分の弟子として取り立ててみたいと言った。
玉藻の前 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
古藤はさすがにさかしく、こうもつれて来た言葉をどこまでも追おうとせずに黙ってしまった。
或る女:2(後編) (新字新仮名) / 有島武郎(著)
おそらく俵的の生命が持ちこたえられるかどうかということは、こん夜ひと晩をさかいにしてきまるであろう。私は四年間、あの小さい生命だけをたよりに生きてきた。
親馬鹿入堂記 (新字新仮名) / 尾崎士郎(著)
むりに押し分けたような雲間から澄みて怜悧さかに見える人の眼のごとくにほがらかに晴れた蒼空がのぞかれた。
あいびき (新字新仮名) / イワン・ツルゲーネフ(著)
二度は八百疋捉えたの千疋取れたのと誇大の報告を聞いたが、雀の方がよほど県郡の知事や俗吏よりさとくたちまち散兵線を張って食い荒らし居る、それと同時に英国では鳥類保護の声さかんに
此人そつはなるゆゑみづか双坡楼そつはろう家号いへなす、その滑稽こつけい此一をもつて知るべし。飄逸へういつ洒落しやらくにしてよく人にあいせらる、家の前後にさかありとぞ、双坡そつはくだて妙なり。
とゞめて川面かはづらを見やれば誠に魂を冷す關山とてさかしき坂あり一人こゝを守れば萬夫も越えがたしと見ゆる絶所にて景色けいしよくもよし車夫いろ/\名所話しを
木曽道中記 (旧字旧仮名) / 饗庭篁村(著)
我里は木曾の谷の、名に負ふ神坂みさかの村の、さかしき里にはあれど、見霽みはらしのよろしき里、美濃の山近江おうみの山、はろばろに見えくる里、恵那えなの山近くそびえて、胆吹山いぶきやま髣髴ほのかにも見ゆ。
夜明け前:04 第二部下 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
「いまさかんだのはおまえらだか。」ときいた。
さいかち淵 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
無帽の黒い艶々つやつやとした髪が女の児のように房々と波打っている様子と言い、睫毛まつげの長いパッチリとした涼し気な眼がさかし気に今涙を含みながらみはっている様子と言い、青白い頬
逗子物語 (新字新仮名) / 橘外男(著)
その場合には必ず今まで睦まじく過ごした長の歳月としつきさかのぼって、自分達がいかな犠牲を払って、結婚をあえてしたかと云う当時を憶い出さない訳には行かなかった。
(新字新仮名) / 夏目漱石(著)
先鋒せんぽうになろうと父に請うた位に気嵩きがささかしかった。
蒲生氏郷 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
路傍の新樹は風にもまれ、やわらかなその若葉は吹きさかれてみちおもてに散乱している。
つゆのあとさき (新字新仮名) / 永井荷風(著)
太田川の支流の浅井川というのを三里ばかりさかのぼった、谷あいにある温泉場で、胃腸によく効くといわれ、まわりが紅葉の名所であるのも加えて、かなり遠くからも湯治客が絶えず
契りきぬ (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
さく、豆のようで、まだその顔すら見えるには暇があったが私の目にはありありと、顔色の土黒い、眼のさかしい、まぶたの赤い、口の大きな唇の厚い
暗い空 (新字新仮名) / 小川未明(著)
「は、沙河さか大会戦だいかいせんで身に数弾すうだんをうけ、それから内地へ送還そうかんされましたが、それまでは勇敢に闘いましたそうです」
爬虫館事件 (新字新仮名) / 海野十三(著)
話は遠く日露戦争の昔にさかのぼりますが、河内園長が満州の野に出征しゅっせいして軍曹ぐんそうとなり、一分隊の兵を率いて例の沙河さか前線ぜんせん遼陽りょうようの戦いに奮戦ふんせんしたときのことです。
爬虫館事件 (新字新仮名) / 海野十三(著)
その常にぢかつくゆる一事を責められては、えざるきずをもさかるる心地して、彼は苦しげにかたちをさめ、声をもいださでゐたり。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
かの妨げられし恋は、破鏡の再び合ふを得て楽み、吾がさかれし愛は落花のかへる無くしてをはらんのみ! いで、吾はかくて空くうづもるべきか、風にりて飛ぶべきか、水に落ちて流るべきか。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
通い廊下に藤の花をさかしょうと、西洋窓に鸚鵡おうむを飼おうと、見本はき近い処にござりまして、思召おぼしめし通りじゃけれど、昔気質かたぎの堅い御仁ごじん、我等式百姓に、別荘づくりは相応ふさわしからぬ
草迷宮 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
それで己も分かったが、幾ら宝がさかって入っても
然らば尚書(○書經)仲虺ちゆうきかうに「徳さかんなるは官を懋んにし、功懋んなるは賞を懋んにする」と之れ有り、徳と官と相配し、功と賞と相對するは此の義にて候ひしやと請問せいもんせしに、翁欣然として
遺訓 (旧字旧仮名) / 西郷隆盛(著)
大霧をるよと見る間に、急瀬きふらい上下に乱流する如くなりて、中霄ちゆうせうあふれ、片々団々だん/\さかれて飛んで細かく分裂するや、シヤボン球の如き小薄膜となり、球々相摩擦まさつして、争ひて下界に下る、三合四合
霧の不二、月の不二 (新字旧仮名) / 小島烏水(著)
さかしあぐんだ後には、警察でも、かう言つて、方針をかへて、あちこちと沼のほとりや河の岸を探らせた。
ある僧の奇蹟 (新字旧仮名) / 田山花袋(著)
「磯の埼ぎたみゆけば近江あふみ八十やそみなとたづさはに鳴く」(巻三・二七三)、「吾が船は比良ひらの湊に榜ぎてむ沖へなさかりさふけにけり」(同・二七四)がある。
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
下にはまずまばらに茅葺屋根かやぶきやね、大根の青い畑が連って、その下に温泉場、二階三階、大湯から出る湯の煙、上を仰ぐと、同じはたけ斜坂さか爪先つまさき上がりになっている間に一条ひとすじの路がうねうねと通って
ネギ一束 (新字新仮名) / 田山花袋(著)
この丘のふもとや、また一部はその斜面さかにかけて、灰色っぽい丸太造りの百姓家がべた一面に黒々と群がっていた。
今夜此処ここでの殷盛さか
山羊の歌 (新字旧仮名) / 中原中也(著)
さかしげなひからしてつた。しぎはとも、——此處こゝもののかずさへおもつたのは、車夫しやふとき言葉ことば記憶きおくである。
魔法罎 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
聖書にはその物語がこまごま述べてあるけれど、蛇については「神の造りたまひし野の生物いきものの中に蛇もつとも狡猾さかし」
大へび小へび (新字旧仮名) / 片山広子(著)
小石だもはらひし三五福田ふくでんながら、さすがにここは寺院遠く、三六陀羅尼だらに三七鈴錫れいしやくこゑも聞えず。立は三八雲をしのぎてみさび、三九道にさかふ水の音ほそぼそとみわたりて物がなしき。
軒並の商家は相当にさかえてゐた。
伊良湖の旅 (新字旧仮名) / 吉江喬松(著)
ヒエじつこにというたところで、えまになって帰りましたところが、親戚めよりもなし、びつに何う仕ようという目途みあてもないものですから願わくば此の繁盛さかる御府内でまア生涯朽果こちはてれば、おまえ物を
菊模様皿山奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
夜は星がさかしげにかがやいていた。垣には虫の声が雨のように聞こえる。椿の葉には露がおいて、大家おおやの高窓からもれたランプの光線がキラキラ光った。木の黒い影と家屋うちの黒い影とが重なり合った。
田舎教師 (新字新仮名) / 田山花袋(著)
いわゆる「茶家さか」と呼ばれている者の門戸までが、ひっそりとしてこの道のさびれを思わせていた折に、千宗易せんのそうえきのすがたがここで見られたことは、久々の珍しさというよりは
新書太閤記:06 第六分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
家へ入ろうとしたら、ふだん仲のいい姉妹きょうだい声高こわだかさかいをしていられましたから、福次郎さんも躊躇ちゅうちょして、しばらくそこに、立っていたのだそうです。お姉さんの声は、聞こえませんでしたけれど
墓が呼んでいる (新字新仮名) / 橘外男(著)