さか)” の例文
俊男は其のさかしい頭が氣にはぬ。また見たところ柔和にうわらしいのにも似ず、案外あんぐわい理屈りくつツぽいのと根性こんじやうぽねの太いのがにくい。で、ギロリ、其の横顏をにらめ付けて
青い顔 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)
古藤はさすがにさかしく、こうもつれて来た言葉をどこまでも追おうとせずに黙ってしまった。
或る女:2(後編) (新字新仮名) / 有島武郎(著)
ところがまた一匹の鯉のようなさかしげな尾とひれをもった魚が
寂しき魚 (新字新仮名) / 室生犀星(著)
と女将はさかしそうな目に真味な色を見せてこういった。
或る女:2(後編) (新字新仮名) / 有島武郎(著)