“憎”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
にく73.3%
8.5%
にくし5.9%
にくみ4.7%
にっく2.5%
にくま1.3%
ぞう0.8%
にっ0.8%
につく0.4%
にッ0.4%
につ0.4%
にッく0.4%
にッこ0.4%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
世界の何人なんぴとにも認められている事実を、自分の意地から反駁している相手のばかばかしさを、にくむよりもむしろあわれむ方が多くなった。
ゼラール中尉 (新字新仮名) / 菊池寛(著)
其樣そんなものに鼻毛はなげよまれてはてあとあしのすな御用心ごようじんさりとてはお笑止しようしやなどヽくまれぐちいひちらせどしんところねたねたしのつも
経つくゑ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
そんなにおにくしみの光子様をなぜまた連戻そうとなさいますね。馬車で公然と御迎えになりますれば、私は喜んであの方をお渡し申します。
貧民倶楽部 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
夫れにくみを天にうくる一切の邪惡はその目的めあて非を行ふにあり、しかしてすべてかゝる目的は或は力により或は欺罔たばかりによりて他をくるしむ 二二—二四
神曲:01 地獄 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
『多年、領主の御庇護ごひごによって、安穏あんのん生業たつきを立てて参ったのに、御恩も忘れ、殿の凶事に際して、すぐ損徳を考え、藩札の取付けにけるなどとはにっくい行為だ』
新編忠臣蔵 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
二人はこの仕事の間に、たとえ話がないにしろ、軽いにくまぐち懸声かけごえなどをかけて仕事をするのが例だったから。
柿色の紙風船 (新字新仮名) / 海野十三(著)
(直き時計はさまかたく、 ぞうに鍛へしは強し)
文語詩稿 一百篇 (新字旧仮名) / 宮沢賢治(著)
嫁にと強談ごうだん致してまいった奴じゃ。それを手きびしくねつけられたので、さてこそ左様な狼藉を加えたのであろう。おのにっくき佞者しれものめ、隣藩の指南番とて用捨なろうか
剣難女難 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
殺せしやあまりと言へば恩知らずにつく仕方しかたなりサア尋常じんじやう白状はくじやうされよと云ひければ段右衞門輾々から/\打笑うちわらなんぢ女の分際ぶんざいとして何をしるべきや三五郎を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
相「なんですと、孝助が養子になると、にッこい奴でごじいます、人の恋路こいじの邪魔をすればッて、わたくしが盗人根性があって、お負けに御主人の頭をにやすと、何時いつ私が御主人の頭を打しました」
さきわるし、につくきやつ
鬼桃太郎 (旧字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
ロミオ (廟の前に進みて)おのれ母胎ぼたいめ、またとない珍羞ちんしゅうむさぼひをったにッくめ、おのれくさったあぎとをば、まッのやうに押開おしひらいて、(と廟の扉をぢあけながら)おのれへの面當つらあて
手前てめえがあのお嬢様のところへ養子にこうとする、にッこい奴、ほかの事とは違う、盗人根性があると云ったから喧嘩するから覚悟しろ