“襲”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
おそ40.0%
13.0%
12.7%
かさ12.4%
かさね5.9%
がさね3.2%
3.0%
がさ2.2%
1.4%
1.1%
おすひ0.5%
かか0.5%
0.5%
0.3%
0.3%
おそう0.3%
おそは0.3%
おそひ0.3%
おそわ0.3%
0.3%
たか0.3%
つい0.3%
オスヒ0.3%
オソ0.3%
0.3%
ヨソ0.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
やまや、や、たにべるものがなくなってしまうと、人間にんげん村里むさざとおそってきます。そして、人間にんげんべたり、家畜かちくったりします。
おおかみと人 (新字新仮名) / 小川未明(著)
輪王寺宮慈性親王病すみやかなるをもて、能久親王職をがせ給ふ。いで慈性親王薨ぜさせ給ふ。将軍徳川慶喜政権を朝廷に還しまつる。
能久親王年譜 (新字旧仮名) / 森鴎外森林太郎(著)
けれど、今、戸外に呶鳴っている法師たちの悪罵あくばには、時こそよけれと、いい機会をつかまえてせてきたらしい気色けしきが濃厚である。
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
それが紫にかさねた、かくのごとく盛粧せいしょうされた片袖の端、……すなわち人間界における天人の羽衣の羽の一枚であったのです。
革鞄の怪 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
また、時には少年の着るような薄色のかさねのぞかした好みを見せれば、次の夕方には、もう一人の男もそれに似合うた衣をまとうていた。
姫たちばな (新字新仮名) / 室生犀星(著)
祇園ぎおん清水きよみず知恩院ちおんいん金閣寺きんかくじ拝見がいやなら西陣にしじんへ行って、帯か三まいがさねでも見立てるさ。どうだ、あいた口に牡丹餅ぼたもちよりうまい話だろう。
小説 不如帰  (新字新仮名) / 徳冨蘆花(著)
もう何うしたって、って来るしかないものと、避けられないものとの衝突だ。受け身だけに、此っ方のはえない事はおびただしい。
新編忠臣蔵 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
今度は以前のように下絵などの面倒なこともありませんので、師匠の差図さしずと自分の考案で、童女の方は十か十一位、桃割ももわれに結って三枚がさね。
貴公のいう通り、所詮、るなと祈っても、いくら警固や防ぎをしてみても、先は、空をけてくる疾風雲はやてぐものようなものだ。一暴風雨ひとあらしけられまい
新編忠臣蔵 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
『多年、領主の御庇護ごひごによって、安穏あんのん生業たつきを立てて参ったのに、御恩も忘れ、殿の凶事に際して、すぐ損徳を考え、藩札の取付けにけるなどとはにっくい行為だ』
新編忠臣蔵 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
ここに大御食おほみけ獻る時に、その美夜受みやず比賣、大御酒盞さかづきを捧げて獻りき。ここに美夜受みやず比賣、そのおすひ二一すそ月經さはりのもの著きたり。かれその月經を見そなはして、御歌よみしたまひしく
「——が、兄上。ここは一度、豊田へ引き揚げた方がよろしいでしょう。何といっても、敵は、充分、用意をもってかかっている。こっちは、準備のない戦ですから」
平の将門 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
たらば? ——)というようなことも、その時の覚悟なども、善信は一切、妻にいっていなかった。
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
輪交わちがいの家紋をも秀吉からもらったのである。それに感奮して、また数日の後、城壁の下まで戦い迫って行ったが、こんどは敵方からった一弾にあたって、仰向けに倒れてしまった。
新書太閤記:06 第六分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「さなくば、婚儀の当夜、大挙してしかけ、彼の破戒行為を責める」
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
母は三十四で最早もはや子は出来ないものとあきらめて居ると、馬場が病で没し、其妻も間もなく夫の後をおそうこの世を去り、残ったのは二歳ふたつになる男の子、これさいわいと父が引取って自分のとし養ったので
運命論者 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
駈足をしてる様ないそがしい人々、さては、濁つた大川を上り下りの川蒸気、川の向岸むかうに立列んだ、強い色彩いろ種々いろいろの建物、などを眺めて、取留とりとめもない、切迫塞せつぱつまつた苦痛くるしみおそはれてゐた事などが
鳥影 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
それは四面しめん鐵檻てつおり堅牢けんらうなるうへにも堅牢けんらうならんことのぞんで、如何いか力強ちからつよてきおそひきたつても、けつして車中しやちう安全あんぜんがいせられぬため特別とくべつ注意ちうゐであるさうな。
市郎が途中で𤢖わろおそわれたという噂は、早くも隣村まで伝えられたので、吉岡の家でも甚だ心配して、冬子が取敢とりあえず見舞に来たのであった。
飛騨の怪談 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
急に烈しく睡気ねむけして来たので、丑松は半分眠り乍ら寝衣ねまきを着更へて、直に感覚おぼえの無いところへ落ちて行つた。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
兎に角斯う種々様々の傷の有る所を見れば、よいかえきゝたまえ、一人で殺した者では無い大勢で寄てたかッて殺した者だ(大)成る程—(谷)シテ見れば先ず曲者は幾人いくたりも有るのだが
無惨 (新字新仮名) / 黒岩涙香(著)
貴様は福澤の主人になったと知らせてれるくらいの事だ。てその跡をついだ以上は、実は兄でも親だから、五十日の忌服きふくを勤めねばならぬ。
福翁自伝:02 福翁自伝 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
簑笠で表された神と、オスヒチハヤを以て示された神との、二種の信仰對象があつて、次第に前者は神祕の色彩を薄めて來たものと思はれる。神社・邸内神は後者で表されたものである。
吉田博士は狗奴國王の名を卑彌弓呼と云はずして、卑彌弓呼素と讀み、此名の中卑彌弓は卑彌呼と同じく日子ヒノミコの對譯、呼素はオソの音譯なりと見られたり。
倭女王卑弥呼考 (旧字旧仮名) / 白鳥庫吉(著)
此等が悉く卜部系統の者、海語部の後とは言はれないが、戸籍整理や、賦役・課税を避けたりして、寺奴となつたほかひゞとの系統をぐものとだけは言はれる。
旅の若い女性ニヨシヤウは、型摺カタズりの大様な美しい模様をおいたる物をヨソうて居る。笠は、浅いヘリに、深い縹色ハナダイロの布が、うなじを隠すほどに、さがつてゐた。
死者の書 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)