“かさね”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
41.5%
26.4%
13.2%
襲衣5.7%
重襲5.7%
重衣3.8%
1.9%
1.9%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
着つけは桃に薄霞うすがすみ朱鷺色絹ときいろぎぬに白い裏、はだえの雪のくれないかさねに透くようなまめかしく、白のしゃの、その狩衣を装い澄まして、黒繻子くろじゅすの帯、箱文庫。
南地心中 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
祐天僧正の弘経寺にあった時かさねの怨霊を救った事、また境内の古松老杉鬱々うつうつたる間に祐天の植付けた名号みょうごう桜のある事などが記されている。
下谷叢話 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
爲にも及ばじ依て小西屋へ參りし醫師いしは何れの者やらわからずとせんついて其方も醫師の事ゆゑ今越前ゑちぜんが問たきことありそも/\醫師は螢雪けいせつの學のまどに年をかさね人の生命いのち
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
少禿天窓すこはげあたまてらてらと、色づきの顔容かおかたち、年配は五十五六、結城ゆうき襲衣かさねに八反の平絎ひらぐけ棒縞ぼうじま綿入半纏わたいればんてんをぞろりと羽織って、白縮緬しろちりめんの襟巻をした、この旦那と呼ばれたのは
註文帳 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
明後日が初酉の十一月八日、今年はやや温暖あたたかく小袖を三枚みッつ重襲かさねるほどにもないが、夜がけてはさすがに初冬の寒気さむさが感じられる。
里の今昔 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
とお千さんは、伊達巻一つのえん蹴出けだしで、お召の重衣かさねすそをぞろりと引いて、黒天鵝絨くろびろうど座蒲団ざぶとんを持って、火鉢の前をげながらそう言った。
売色鴨南蛮 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
さ緑のキヤベツの球葉たまばいくかさね光るなかよりはぢけたりけり
雲母集 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
それは頸部を保護するかさねと、前方に顔を保護する太い鉄棒のついた厚い綿入れの冑と、磨いた竹の片で腕と肩とを余分に保護した、つっぱった上衣とから成っている。