“しほ”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:シホ
語句割合
26.6%
10.1%
8.6%
8.6%
7.9%
機会7.2%
5.8%
3.6%
3.6%
時機3.6%
機會3.6%
2.2%
1.4%
表情1.4%
志保0.7%
可憐0.7%
0.7%
岩塩0.7%
0.7%
漿0.7%
秋波0.7%
0.7%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
僕の胃袋ゐぶくろくぢらです。コロムブスの見かけたと云ふ鯨です。時々しほも吐きかねません。える声を聞くのには飽き飽きしました。
囈語 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
中村雀右衛門じやくゑもんに次いで、尾上多見蔵たみざうの襲名があり、春の道頓堀では嵐徳三郎が、亡父の二十五年忌をしほに、四代目璃寛りくわん名跡みやうせきを相続するとの噂がある。
茶店の裏は直ぐ神田川ですが、少しばかりの崖になつて、折からの上げしほが、ヒタヒタと石垣を洗つて居ります。
なんぞほかに新しい花を召しますのなら、どうか名を仰有おつしやつて下さいまし、女の胸の上、戀人の床の上にしほれる花の名はみんな存じてをりますから。
わるい花 (旧字旧仮名) / レミ・ドゥ・グルモン(著)
「旦那、放つて置いて下さい。斯うでもしなきア、素直に口を開く女ぢやありません。——野郎、默つて見て居ずに、しほでも持つて來い」
御下問になりだしたのを機会しほに、そつと後ろへさがつたワクーラは、衣嚢かくしへ口を寄せて小声で、⦅少しも早くここから連れ出してくれ!⦆と言つた、その途端に彼はもう
「廿八日、晴。しほかえを伴ひ、隆白吉蔵をしたがへ、木賀松坂屋寿平治寓宿の於久おひさの病を診し、(中略、)一宿す。(中略。)隆白二僕は宮下に留守す。」
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
ほの寒きしほ淡水まみづの落合は蛤のもあはれなるべし
夢殿 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
かしらの家は大屋さんで御座りますからとてしほれるをすかして、さらば門口かどぐちまで送つてる、叱からるるやうの事はぬわとて連れらるるに四隣あたりの人胸を撫でてはるかに見送れば
たけくらべ (新字旧仮名) / 樋口一葉(著)
かへりの遅きを母の親案じて尋ねに来てくれたをば時機しほに家へは戻つたれど、母も物いはず父親てておやも無言に、れ一人私をばしかる物もなく
にごりえ (新字旧仮名) / 樋口一葉(著)
つぶやくのを機會しほに、またいだ敷居しきゐこしはづすと、まどひぢを、よこざまに、むね投掛なげかけて居直ゐなほつた。
浅茅生 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
折らせるが、さがし出せるものなら、何とかして無事な顏が見たい。子供は多勢あるが、あれは總領で、生れて直ぐ母親に死別れただけに不愍ふびんも一としほだ、——金づくで濟むことなら、——
何処どこぞで白桃しろもゝはなながれるのを御覧ごらんになつたら、わたしからだ谷川たにがはしづんで、ちぎれ/\になつたことゝおもへ、といつて、しほれながら、なほ親切しんせつに、みちたゞ谷川たにがはながれ沿ふてきさへすれば
高野聖 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
些と美しい女中が時々渠のへやに泊るという事と、宿の主婦おかみ——三十二三で、細面の、眼の表情しほ満干さしひきの烈しい、甚麽どんな急がしい日でも髪をテカテカさして居る主婦と、余程前から通じて居るといふ事は
病院の窓 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
榛軒の継室飯田氏志保しほの始て生む所で、初め名をかえと命ぜられた。即ち大正丁巳に至つて八十三歳の寿を保つてゐる曾能子そのこ刀自である。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
榛軒のさいとは誰ぞ。伊沢分家の口碑に拠るに、榛軒は初め横田氏をめとり、後飯田氏を娶つた。彼は名をゆうと云ひ、此は名を志保しほと云つた。是に由つて観れば丁亥に来り嫁した新婦は横田氏勇であらう。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
それからはパツタリ来なくなつて了つたが、何か詫状のやうな手紙をよこしたさうな。若様だけに可憐しほらしい愛度気あどけない処があるよ。
犬物語 (新字旧仮名) / 内田魯庵(著)
しほに入れて教へけるに勿々なか/\一通り成らぬ上手じやうずと成しかば稽古けいこわづか四年の中成れども生質たる藝なりと友次郎も大いにかんじけるとなん斯て城富は當年たうねん十七歳と成り所々の出入は養父やうふ城重の時よりふえ其上に三味線みせん淨瑠璃じやうるりにて所々方々へまねかれ今は家内も安樂あんらくに暮し養母やうぼも實子の如く不便を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
あをあを燃える山の岩塩しほ……
春と修羅 第二集 (新字旧仮名) / 宮沢賢治(著)
お玉の聲が掛ると、弱氣らしい打越金彌は、それをしほに刀を引いて、二間ばかり先から相手を睨んで立つて居ります。
紫と謂つても、茜と謂つても、皆昔の様な染め漿しほ処置とりあつかひはせなくなつた。さうして、染め上げも艶々しくはでなものになつて来た。
死者の書:――初稿版―― (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
居たるを忘れし人の可疎うとましき声に見返れば、はや背後うしろに坐れる満枝の、常は人を見るに必ずゑみを帯びざる無き目の秋波しほかわき、顔色などはことれて、などかくは浅ましきと、心陰こころひそかに怪む貫一。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
みやことほきよりみつぎたれば塩引しほびきならん。頭骨かしらのほね澄徹すきとほるところを氷頭ひづとてなます也。子をはらゝごといふ、これをしほにしたるも美味びみ也。