“満干”のいろいろな読み方と例文
旧字:滿干
読み方割合
みちひ72.2%
さしひき16.7%
まんかん5.6%
みちひき5.6%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
といって潮の満干みちひを全く感じない上流の川の水は、言わばエメラルドの色のように、あまりに軽く、余りに薄っぺらに光りすぎる。
大川の水 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
私は、其眼に満干さしひきする微かな波をも見遁す事はなかつた。二人共手を挙げた時、殊に豊吉の出来なかつた時は、藤野さんの眼は喜びに輝いた。
二筋の血 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
(海には汐の満干まんかんがあるよ、いまに汐がさすと一面の水になる。)
甲乙 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
愛せらるる事を専門にするものと、愛する事のみを念頭に置くものとが、春風はるかぜの吹き回しで、あまい潮の満干みちひきで、はたりと天地の前に行きった時、この変則の愛は成就する。
虞美人草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)