“さしひき”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
差引58.8%
満干17.6%
滿干17.6%
加減5.9%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
そして水が退くと一緒に、いつの間にかまたもとの位置に帰つてゐる。丁度鳰鳥かいつぶりの浮巣が潮の差引さしひきにつれてあがつたりりたりするやうな工合に……
あゝ東京の街! 右から左から、刻一刻に満干さしひきする人のうしほ! 三方から電車と人とがなだれて来る三丁目の喧囂けんかうは、さながら今にも戦が始りさうだ。お定はもう一歩も前に進みかねた。
天鵞絨 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
それが、少しむづかしい問題であると、藤野さんは手を擧げながら、若くは手を擧げずに、屹度後ろを向いて私の方を見る。私は、其眼に滿干さしひきする微かな波をも見遁みのがす事はなかつた。
二筋の血 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
「二進が一進、二進が一進、二一にいち天作の五一三六七八九ぐいちさぶろくななやあここの。」と、饂飩の帳の伸縮のびちぢみは、加減さしひきだけで済むものを、醤油したじに水を割算段。
歌行灯 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)