“差引”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
さしひき83.3%
さしひ16.7%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
差引さしひきわずか四十八万石しかない現状なので、これは全体の軍需や兵力にも、また朝夕手にもつ飯茶碗のなかにも、直接、影響せずにいなかった。
新書太閤記:05 第五分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
そして水が退くと一緒に、いつの間にかまたもとの位置に帰つてゐる。丁度鳰鳥かいつぶりの浮巣が潮の差引さしひきにつれてあがつたりりたりするやうな工合に……
……じつは、一寸ちよつとりて蕎麥そばにしたいところだが、かけ一枚いちなんぞは刹那主義せつなしゆぎだ、泡沫夢幻はうまつむげん、つるりとえる。俥代くるまだい差引さしひくとそのいづれかをえらばねばならないふところだから、其處そこ餡氣あんけで。
麻を刈る (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
それとひとつには我慢がまんして仕事しごとればろくにははたらけなくても一にちつとめをはたしたことにるけれども、まるやすんでしまへばだけの割當勘定わりあてかんぢやう給金きふきんから差引さしひかれなければらぬのでかれはそれをおそれた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)