トップ
>
差引
>
さしひき
ふりがな文庫
“
差引
(
さしひき
)” の例文
差引
(
さしひき
)
わずか四十八万石しかない現状なので、これは全体の軍需や兵力にも、また朝夕手にもつ飯茶碗のなかにも、直接、影響せずにいなかった。
新書太閤記:05 第五分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
そして水が
退
(
ひ
)
くと一緒に、いつの間にかまた
旧
(
もと
)
の位置に帰つてゐる。丁度
鳰鳥
(
かいつぶり
)
の浮巣が潮の
差引
(
さしひき
)
につれて
上
(
あが
)
つたり
下
(
お
)
りたりするやうな工合に……
茶話:03 大正六(一九一七)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
「それぢや
差引
(
さしひき
)
四十一
錢
(
せん
)
三
厘
(
りん
)
小端
(
こばし
)
か、こつちのおつかさま
自分
(
じぶん
)
でも
商
(
あきねえ
)
してつから
記憶
(
おべえ
)
がえゝやな」
商人
(
あきんど
)
は
十露盤
(
そろばん
)
を
持
(
も
)
つて
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
縦令
(
たとへ
)
旦那様
(
だんなさま
)
が
馴染
(
なじみ
)
の女の
帯
(
おび
)
に、百
金
(
きん
)
を
抛
(
なげう
)
たるゝとも
儂
(
わたし
)
が
帯
(
おび
)
に百五十
金
(
きん
)
をはずみ
給
(
たま
)
はゞ、
差引
(
さしひき
)
何の
厭
(
いと
)
ふ所もなき
訳也
(
わけなり
)
。
もゝはがき
(新字旧仮名)
/
斎藤緑雨
(著)
元來
(
がんらい
)
浪
(
なみ
)
といふから
讀者
(
どくしや
)
は
直
(
すぐ
)
に
風
(
かぜ
)
で
起
(
おこ
)
される
波
(
なみ
)
を
想像
(
そう/″\
)
せられるかも
知
(
し
)
れないが、
寧
(
むし
)
ろ
潮
(
うしほ
)
の
差引
(
さしひき
)
といふ
方
(
ほう
)
が
實際
(
じつさい
)
に
近
(
ちか
)
い。
地震の話
(旧字旧仮名)
/
今村明恒
(著)
▼ もっと見る
数百年の間、上士は圧制を行い、下士は圧制を受け、今日に
至
(
いたり
)
てこれを見れば、甲は
借主
(
かりぬし
)
のごとく乙は
貸主
(
かしぬし
)
のごとくにして、
未
(
いま
)
だ明々白々の
差引
(
さしひき
)
をなさず。
旧藩情
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
是から嘉八親子にもくれ/″\礼を
陳
(
の
)
べて帰られましたが、丁度八月九日のことで、川添富彌という若様附でございます、御舎弟様は夜分になりますとお咳が出て、お熱の
差引
(
さしひき
)
がありますゆえ
菊模様皿山奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
假
(
かり
)
に
本年
(
ほんねん
)
輸入超過
(
ゆにふてうくわ
)
があつて、さうして
差引
(
さしひき
)
一
億圓
(
おくゑん
)
の
金貨
(
きんくわ
)
を
外國
(
ぐわいこく
)
に
拂
(
はら
)
はなければならぬとすると、
日本銀行
(
にほんぎんかう
)
の十一
億圓
(
おくゑん
)
の
金貨
(
きんくわ
)
が十
億圓
(
おくゑん
)
に
減
(
へ
)
り、
兌換劵
(
だくわんけん
)
の
平均流通高
(
へいきんりうつうだか
)
は十二
億
(
おく
)
五千
萬圓
(
まんゑん
)
に
減
(
へ
)
る
譯
(
わけ
)
である。
金解禁前後の経済事情
(旧字旧仮名)
/
井上準之助
(著)
それはね、これの
校了
(
かうれう
)
の
校正刷
(
かうせいずり
)
を
讀
(
よ
)
んでゐて
誤植
(
ごしよく
)
を
一
(
ひと
)
つ
發見
(
はつけん
)
して
直
(
なほ
)
して
置
(
お
)
いた
事
(
こと
)
だ。
尤
(
もつと
)
もその
手柄
(
てがら
)
と、こんなことを
卷頭
(
くわんとう
)
に
書
(
か
)
いて
君
(
きみ
)
の
美
(
うつく
)
しい
本
(
ほん
)
をきたなくする
罪
(
つみ
)
とでは、
差引
(
さしひき
)
にならないかも
知
(
し
)
れない。
「三つの宝」序に代へて
(旧字旧仮名)
/
佐藤春夫
(著)
差引
(
さしひき
)
つけて、こつ、こつと
晶子詩篇全集
(新字旧仮名)
/
与謝野晶子
(著)
又
(
また
)
津浪
(
つなみ
)
に
浚
(
さら
)
はれた
場合
(
ばあひ
)
に
於
(
おい
)
て、
其港灣
(
そのこうわん
)
の
奧
(
おく
)
に
接近
(
せつきん
)
した
所
(
ところ
)
では
潮
(
うしほ
)
の
差引
(
さしひき
)
が
急
(
きゆう
)
であるから、
游泳
(
ゆうえい
)
も
思
(
おも
)
ふように
行
(
ゆ
)
かないけれども、
港灣
(
こうわん
)
の
兩翼端
(
りようよくたん
)
近
(
ちか
)
くにてはかような
事
(
こと
)
がないから、
平常通
(
へいじようどほ
)
りに
泳
(
およ
)
ぎ
得
(
え
)
られる。
地震の話
(旧字旧仮名)
/
今村明恒
(著)
差
常用漢字
小4
部首:⼯
10画
引
常用漢字
小2
部首:⼸
4画
“差引”で始まる語句
差引残
差引勘定