“記憶”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
きおく52.7%
おぼ28.3%
おぼえ17.4%
おもいで0.5%
おべえ0.5%
メモリー0.5%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
就中なかんずく、木村摂津守の名は今なお米国において記録きろくに存し、また古老ころう記憶きおくするところにして、我海軍の歴史に堙没いんぼつすべからざるものなり。
「泣いた泣いた。それで俺が、武士さむらいの子は痛くとも泣くものではないと言うたら、貴公、何と答えたか、これは記憶おぼえていまいな。」
寛永相合傘 (新字新仮名) / 林不忘(著)
「嘘だろう嘘だろう」って何遍も云われましたから「嘘じゃない嘘じゃない」と云い張った事だけは記憶おぼえていますけれど…………。
ドグラ・マグラ (新字新仮名) / 夢野久作(著)
お隅は顔を外向そむけて、嗚咽すすりあげました。一旦なおりかかった胸の傷口が復た破れて、烈しく出血するとはこの思いです。残酷な一生の記憶おもいでは蛇のように蘇生いきかえりました。
藁草履 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
「それぢや差引さしひき四十一せんりん小端こばしか、こつちのおつかさま自分じぶんでもあきねえしてつから記憶おべえがえゝやな」商人あきんど十露盤そろばんつて
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
一九二〇年十月極東白衛軍の総帥アタマン・アブラモーフ将軍が、ロマノフ朝最後の皇太子に永遠の記憶メモリーを捧げたものが、このとてつもない阿呆あほう宮だった。
聖アレキセイ寺院の惨劇 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)