“おぼ”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:オボ
語句割合
28.6%
25.1%
14.1%
9.8%
8.4%
6.2%
記憶5.5%
1.4%
0.2%
記臆0.2%
0.1%
0.1%
0.1%
0.1%
0.1%
視覚0.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
およぎは出来たが、川水の落口で、激浪にまれて、まさにおぼれようとした時、おおきな魚に抱かれたと思って、浅瀬へ刎出はねだされて助かった。
河伯令嬢 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
ところがまず最初の日に面白い事実を発見した。確かにその筋の人間とおぼしき労働者風の二人の男がドーブレクの邸を見張っていた。
水晶の栓 (新字新仮名) / モーリス・ルブラン(著)
その席でGは案外器用な踊りぶりを見せたが、令嬢にしろ夫人にしろ、彼が注意を特にかたむけたとおぼしい相手は一人もなかつた。
夜の鳥 (新字旧仮名) / 神西清(著)
それよりも我々が切実に感じたのは、外国の圧迫に対して日本帝国を守る情熱である。三国干渉はおぼろながらも子供心を刺戟した。
蝸牛の角 (新字新仮名) / 和辻哲郎(著)
Kさんのその時分じぶんうたに、わがはしやぎし心は晩秋ばんしう蔓草つるくさごとくから/\と空鳴からなりするといふやうなこゝろがあつたやうにおぼえてゐます。
冬を迎へようとして (旧字旧仮名) / 水野仙子(著)
そうなると色々の現象が分って来るというような意味の一節があったようにおぼえているが、どうもそういうことがありそうである。
雪雑記 (新字新仮名) / 中谷宇吉郎(著)
これはよく記憶おぼえて置いて、彼奴等のしたことについては、彼奴等を責めるようにして、俺達を咎めてもらいたくないものだね。
さらずば美しき畫といふ畫を、殘なく知り、はてなき世の事を悟り、我が物語りしよりも、はるかに面白き物語のあらん限をおぼえんとや思ふ。我。
汚い恐怖おそれおぼえる時は、どんなにはぢしめられ
のつそりでも恥辱はぢは知つて居ります、と底力味あるくさびを打てば、中〻見事な一言ぢや、忘れぬやうに記臆おぼえて居やうと、釘をさしつゝ恐ろしく睥みて後は物云はず、頓て忽ち立ち上つて
五重塔 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
雪三せつざう斷然だんぜんことはり申す御歸邸ごきていのうへ御前体ごぜんていよろしくおほげられたしといひはなてば、おぼせあらんとはぞんぜしなり、しからば聟君むこぎみとしてはむかへさせたまはずやといふ、いなとよかく御身分柄ごみぶんがらつりはず
たま襻 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
西島藤夫君『春の川』この画おぼろげながら筆者のその企てを感ずることが出来るが佐藤君程強調された個性が息づいてゐない。
みつむれば、おぼろにかすみ
暮れ方の窓 (新字旧仮名) / 漢那浪笛(著)
「遠州屋の主人がおぼれたのは、六郎のせゐぢやありませんか、親分」
酒をのむにしても、一升いっしょう以上、煙草たばこえば、一日に刺戟しげきの強い巻煙草まきたばこの箱を三つ四つも明けるというふうで、すべて、徹底的に嗜好物しこうぶつなどにもおぼれて行くという方でした。
いちいち店の者の顔を視覚おぼえているほどではなかったので、三次が、身分を明かして根掘り葉掘り訊き出すまでは、亀安のほうでも、昨日のことについては容易に口を開こうとはしなかった。