“記臆”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
きおく68.8%
おぼ12.5%
ものおぼえ12.5%
きをく6.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
この話は最近読んだばかりだから、まだ記臆きおくには新しい方だ。色や光や臭いという方面から突込つっこむのも面白いが、この話は音の怪に属する。
不吉の音と学士会院の鐘 (新字新仮名) / 岩村透(著)
と軽くは云えど深く嘲けることばに十兵衛も快よからず、のっそりでも恥辱はじは知っております、と底力味あるくさびを打てば、なかなか見事な一言じゃ、忘れぬように記臆おぼえていようと
五重塔 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
何処までも弱い者を愛護かばふて下さる御仁慈おなさけ深い御分別にもり縋らいで一概に厭ぢやとは、仮令ば真底から厭にせよ記臆ものおぼえのある人間ひとの口から出せた言葉でござりまするか
五重塔 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
ざうする菊塢きくうの手紙には、うめ一枝いつしゑがきて其上そのうへそのの春をおわかまをすといふ意味の句あり、また曲亭馬琴きよくていばきんめいしつしてのち、欝憂うさを忘るゝためにおのれと記臆きをくせし雑俳ざつぱいかきつらねて、友におくりしうち
隅田の春 (新字旧仮名) / 饗庭篁村(著)