“語”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ことば39.1%
かた29.3%
ごと8.0%
7.9%
がたり2.1%
かたら1.6%
かたり1.6%
がた1.4%
コトバ0.9%
かたる0.7%
こと0.7%
はなし0.7%
カタ0.5%
ガタ0.5%
かたっ0.4%
かたれ0.4%
0.4%
0.4%
はな0.4%
ものい0.4%
コト0.4%
いえ0.2%
うわさ0.2%
かたらひ0.2%
くち0.2%
ことは0.2%
ごち0.2%
しゃべ0.2%
しやべ0.2%
ものがた0.2%
ものがたり0.2%
カタリ0.2%
0.2%
セイ0.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
一体、帝紀なることばは、正史の本紀と一つ意味のものではあるが、我が国では尠くとも、帝紀と本紀とに区別を立てゝ居た様に見える。
日本書と日本紀と (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
能く一行を輔助ほじよせしことをしやし、年々新発見にかかる文珠菩薩もんじゆぼさつの祭日には相会してきうかたらんことをやくし、たもとわかつこととはなりぬ。
利根水源探検紀行 (新字旧仮名) / 渡辺千吉郎(著)
酒で頭脳あたまただれたようになっている芳太郎は、汽車のなかでも、始終いらいらしていた。そして時々独りごとのような棄て鉢を言った。
足迹 (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
どるめんといふも、いしつくゑといふ意味いみ言葉ことばであります。このてーぶるのした人間にんげんはうむつたので、これはうたがひもなくはかであります。
博物館 (旧字旧仮名) / 浜田青陵(著)
新内がたりの〆蔵との馴れそめを打明け、あの人はお酒がよくないし、手慰てなぐさみもすきだし、万一の事でもあると困るから、体好ていよく切れたい。
あぢさゐ (新字新仮名) / 永井荷風(著)
後になって家持が、「万代のかたらひ草と、未だ見ぬ人にも告げむ」(巻十七・四〇〇〇)云々と云って、この句を学んで居る。
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
席上の各々方おのおのがた、今や予が物語すべき順番の来りしまでに、諸君がかたり給いし種々くさぐさの怪談は、いずれも驚魂奪魄きょうこんだっぱく価値あたいなきにあらず。
黒壁 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
くらかねるも二君に仕へぬ我魂魄わがたましひ武士の本意と思へどもにあぢきなき浮世うきよかなと一人涙を流したるとはがたりの心の中思ひやられてあはれなり
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
若鮎は、領布をおこさむ為のコトバ、新しく造られた枕詞である。ところが、唯単に領布をおこすばかりで満足せず、その感じを終までも続けて居る。
和歌批判の範疇 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
一 言葉を慎みておおくすべからず。仮にも人をそしり偽を言べからず。人のそしりきくことあらば心におさめて人に伝へかたるべからず。そしりを言伝ふるより、親類ともなか悪敷あしくなり、家の内おさまらず。
女大学評論 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
これは当地の中流以下の用うることばで字引にないような発音をするのみならず、前の言ばと後の言ばの句切りが分らないことほどさよう早く饒舌しゃべるのである。
倫敦消息 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
鯰の方が若い娘を、……あとは言わずともかろう。例証は、遠く、今昔物語、詣鳥部寺女のはなしにある、と小県はかねて聞いていた。
灯明之巻 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
超人チョウジンケル小心ショウシン恐々キョウキョウヒトワライナガラ厳粛ゲンシュクノコトヲカタレ、ト秀抜真珠シュウバツシンジュ哲人テツジンサケンデ自責ジセキ狂死キョウシシタ。
創生記 (新字新仮名) / 太宰治(著)
如何に止めどなくなるのが、「ひとりガタり」の癖とは言へ、語部の古婆フルバヾの心は、自身も思はぬ意地くね惡さを藏してゐるものである。
死者の書 (旧字旧仮名) / 折口信夫釈迢空(著)
塵を払い花を手向たむけ、最高いとたかきものに祈らんとするや、細き声あり——天よりの声か彼の声か余は知らず——余にかたっていわく
基督信徒のなぐさめ (新字新仮名) / 内村鑑三(著)
されば此地にては疱瘡はうそうするもの甚だまれ也、十年に一人あるかなしか也とかたれり。さて清水川原の村にいたりしに家二軒あり。
けれどもその家庭にはいつも多少の山気やまぎが浮動していたという証拠しょうこには、正作がある日僕に向かって、うちには田中鶴吉たなかつるきちの手紙があると得意らしくったことがある。
非凡なる凡人 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
子、魯の大師にがくげて曰く、楽は其れ知るべきなり。始めておこすとき翕如きゅうじょたり。之をはなてば純如たり。皦如きょうじょたり。繹如えきじょたり。以て成ると。
論語物語 (新字新仮名) / 下村湖人(著)
年齢五十歳前後、身長五呎八乃至九吋、体重約百九十封度ポンド。色白の方で、訛りのない標準英語をはなす。
双面獣 (新字新仮名) / 牧逸馬(著)
なすあへぎながらものいふが苦しげなれば此方こなたよりこゝはなどゝとはん時のほか話しかけるに及ばずと云へど左れど國自慢に苦しげながら又不問語とはずがたりするも可笑をかし野尻を過ぎ三戸野みとのにて檜笠ひのきがさ
木曽道中記 (旧字旧仮名) / 饗庭篁村(著)
書かれた根本を語る中に、色々な入れコトを交へて来たのが、又書きとられて根本の異本が出来て来る。さうした物を、比老人も読んで覚えたものらしい。
雪の島:熊本利平氏に寄す (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
本船はここに待つべしと示し小船海底に入りて竜宮に到る、竜宮の殿閣奇麗言うべからず、竜王出会いていえらく、従類多く讐敵に亡ぼされ今日また害せらるべし
都内に移し撃たしむるに声出ず、本寺に帰せば声もとのごとし、士人磬神聖にして、光政寺をしたうとうわさしたとある。
その種々くさぐさかたらひかずいと繁きひといろは
対向さしむかいの、可なり年配のその先生さえわかく見えるくらい、老実なくち
朱日記 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
といふことはで、Be と red との間が一リイグある。一リイグはおよそ三哩の長さである。
やがて光春は、独りごちして、釜のまえを起った。
新書太閤記:07 第七分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
アンドレイ、エヒミチはうんざりして、長椅子ながいすうえよこになり、倚掛よりかかりほうついかおけたまま、くいしばって、とも喋喋べらべらしゃべるのを詮方せんかたなくいている。
六号室 (新字新仮名) / アントン・チェーホフ(著)
アンドレイ、エヒミチはうんざりして、長椅子ながいすうへよこになり、倚掛よりかゝりはうついかほけたまゝくひしばつて、とも喋喋べら/\しやべるのを詮方せんかたなくいてゐる。
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)
御者はかまちいこいて巻きたばこくゆらしつつ茶店のかかものがたりぬ。
義血侠血 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
シュミットの見解かえって正し、熊楠由っておもうに、バシリスクが自分の影を見て死するものがたりは、鱷の顔至って醜きより生じたのであろう。
さうして年々トシドシ頻繁に、氏神其外ソノホカの神々を祭つてゐる。其度毎ソノタビゴトに、家の語部カタリベ大伴カタリミヤツコオムナたちを呼んで、コレツカマドコロもない昔代ムカシヨの物語りをさせて、氏人ウヂビトに傾聴をひて居る。
死者の書 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
かういふ謬見から語法を度外視して居る人もあるが、考へざるの甚しきものといはなければならぬ。勿論、ことばといふは、たゞ語法一つを指した訳ではない。
和歌批判の範疇 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
詩人哲学者の高上なる事業は、実に此の内部の生命をセイるより外に、出づること能はざるなり。
内部生命論 (新字旧仮名) / 北村透谷(著)