“価値”のいろいろな読み方と例文
旧字:價値
読み方割合
ねうち72.5%
あたい9.2%
かち8.3%
ねだん5.0%
あたひ0.8%
かちよく0.8%
しんしやう0.8%
ねぶみ0.8%
バリュー0.8%
ヴァリュー0.8%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
戦いは敗れ、国はけずられ、国民の意気鎖沈しなにごとにも手のつかざるときに、かかるときに国民の真の価値ねうちは判明するのであります。
席上の各々方おのおのがた、今や予が物語すべき順番の来りしまでに、諸君がかたり給いし種々くさぐさの怪談は、いずれも驚魂奪魄きょうこんだっぱく価値あたいなきにあらず。
黒壁 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
主人はこの結論をえたにかかわらず、さらば自分の生活にどれだけの価値かちがあるかと思うてみて、やはりわけがわからなくなった。
(新字新仮名) / 伊藤左千夫(著)
照子嬢も声鋭く、「それは売物です。」と遣込やりこむれば、濶歩おおまたに引返し、「だから最初はじめに聞いたじゃないか、価値ねだんわかれば払うのさ。」
貧民倶楽部 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
裾の長きを引上げて一幅ひとはゞの縮緬にて腰をめ、然る後に衣紋えもんを直し、胸襟きようきんを整ふ、この時用ゐるを腰帯といふ、勿論外形にあらわれざる処、色は紅白、人の好に因る、価値あたひの低きはめりんすもあり。
当世女装一斑 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
然し詩は総ての芸術中最も純粋な者だといふ事は、蒸溜水は水の中で最も純粋な者だと言ふと同じく、性質の説明にはなるかもしれぬが、価値かちよく必要の有無の標準にはならない。
弓町より (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
手軽に考へたいかさま学説をむりに社会へ押売にするのは、えら大伎倆だいぎりやうで。ここが学者の学者たる価値しんしやうかも知れんが、俺は何だか虫が好かんのだ。
犬物語 (新字旧仮名) / 内田魯庵(著)
しかし建物に立派な宝物になる価値ねぶみのあるものは別だけれど。
月夜 (新字旧仮名) / 与謝野晶子(著)
もしまた人生に、社会的価値バリューとも名づけるべきものがあるとすれば、それは、長寿にあるのではなくて、その人格と事業とか、四囲および後代におよぼす感化・影響のいかんにあると信じていた。
死刑の前 (新字新仮名) / 幸徳秋水(著)
又人生に社会的価値ヴァリューとも名づくべきもの之れ有りとせば、其は長寿に在るのではなくて、其人格と事業とが四囲及び後代に及ぼす感化・影響の如何に在りと信じて居た、今もく信じて居る。
死生 (新字新仮名) / 幸徳秋水(著)