“あたい”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:アタイ
語句割合
56.4%
29.8%
価値5.9%
3.7%
2.1%
1.1%
0.5%
0.5%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
揃っていれば、勿論こんな店にあるべきものではないはずだが、それにしても何程いくらというだろうと、あたいを聞くと、ほんの端金はしたがねだった。
骨董 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
(女子に向かい)明日の贈物かずけものの貴女のお顔を皆の者にお見せ下されて、贈物がどのように美しく気高くあたいあるかをお知らせなされませ。
レモンの花の咲く丘へ (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
私にそれだけの価値あたいがないからの事で、あはれ私に、モニカほどの力はなくも、せめて今少し夫の敬重を惹く価値あたいがありますなればと、そぞろに身を悔やむ様になりました。
こわれ指環 (新字旧仮名) / 清水紫琴(著)
「可いよ、可いよ、あたい、私はね、こんなうつくしい蒲団に坐る乞食なの。国ちゃん、おこも敷いてるんじゃないや。うつくしい蒲団に坐る乞食だからね。」
照葉狂言 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
この餓鬼がき! あたいは見世物じゃねえぞと、ミチに怒鳴られ、なぐられはしまいかとはらはらしながら子供達を叱り、その体を抱きかかえるのである。
刺青 (新字新仮名) / 富田常雄(著)
渠はその平生へいぜいにおいてかつ百金をしまざるなり。されども今夜ふところにせる百金は、尋常一様の千万金にあたいするものにして、渠が半身の精血ともっつべきなり。渠は換えがたく吝しめり。
義血侠血 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
「そうともよ。あたい、この小父さんの色の黒い顔、前からチャーンと知ってんだもの。誰がなんてったって小父さんだイ」
寄席 (新字新仮名) / 正岡容(著)
「ここに美玉あり。ひつおさめてかくさんか。善賈ぜんかを求めてらんか。」と子貢が言った時、孔子は即座そくざに、「これを沽らんかな。これを沽らん哉。我はあたいを待つものなり。」
弟子 (新字新仮名) / 中島敦(著)