“撲”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
なぐ47.2%
26.9%
11.5%
6.0%
1.3%
くら1.1%
はた1.1%
どや0.9%
ぶた0.6%
たた0.6%
ぶち0.6%
うた0.4%
ぱた0.4%
くらは0.2%
どつ0.2%
はだ0.2%
ぶっ0.2%
0.2%
0.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
そして、手前は、俺がサツへあげられたりなんぞしたら、安心して浮気しやがるだらう、と罵り言葉を繰りかへしてるのであつた。
日本三文オペラ (新字旧仮名) / 武田麟太郎(著)
「口をおあきつてばさ!」彼女は男がさし出した手の平をぴしやりとつて云つた。男はしく笑ひ乍らあんぐりと黒い口を開いた。
「第三がありますよ、——前の晩もう一人の妾お吉と、大喧嘩をしてゐますよ。る、引つ掻く、つ、蹴るの大騷ぎだつたさうで」
飛んでもねえ嫉妬野郎だ。い声を出してお帳場を呼ぼうかね、旦那さん、どうするね。私が一つ横ずっぽうりこくってやろうかね。
みさごの鮨 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
云ふが儘に、酒が運んで来られたので、今ぐられた憤怒は殆ど全く忘れたやうに、余念なく酒を湯呑茶椀でり始めた。
重右衛門の最後 (新字旧仮名) / 田山花袋(著)
八蔵、やい八蔵、どうしたどうした、え、八蔵ッ、と力任せに二つ三つ掴拳わせたるが、死活の法にやいけん。
活人形 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
貞之進が黒の羽織を着て居るのに心附き、あなたのことではありませんよと、いた烟管をふっと吹き、昨宵も逢た癖にと婢が云うのをぬふりで
油地獄 (新字新仮名) / 斎藤緑雨(著)
彼は時々ながら、左のに手を置いて、もし、此所鉄槌で一つされたならと思ふ事がある。
それから (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
藤「困りますな、るとあの太い腕でれますが、今度は取捕まるとんな目に逢うか知れまいから驚きますねえ」
敵討札所の霊験 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
を緊められても出すは変りませんよ。間は金力には屈しても、腕力などに屈するものか。憎いと思ふならこのを五百円の紙幣束でおきなさい」
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
野だは二三秒の間毒気を抜かれた体で、ぼんやりして居たが、おや是はひどい。御になつたのは情ない。この吉川を御打擲とは恐れ入つた。愈以て日清談判だ。
坊っちやん (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
空想勝なる自分の胸は今しもこの山中にも猶絶えない人生の巴渦の烈しきを想像してた一種の感にれたのであつた。
重右衛門の最後 (新字旧仮名) / 田山花袋(著)
呉服橋ではぬからずに手代の忠助をひっいて、わたくしが毒を盛ったのでございますと泥を吐かしたそうな。……当節、番所は呉服橋だけにある。南じゃ朝っぱらから色ばなし。
顎十郎捕物帳:05 ねずみ (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
「や、すのはめろ、れる、野郎薄汚い。」
麦搗 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
きますけれど、自分も葬式には毎日あぶれて来るし、お米を買ふお金は無いし、先生の知つての通り、うちには餓鬼が六匹も七匹も居りまつしやろ。
「わあ、われ悪くてでひといだなあ。」と言ってまた五郎をなぐろうとしました。
風の又三郎 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
あなたと小歌さんです争われないのねえお奢んなさいと云って、やきもちが浜田さんだって、加減におしよと小歌の脊中をたのに意味があったようだが、貞之進は全体が何事とも分らない
油地獄 (新字新仮名) / 斎藤緑雨(著)
「知れた事だ。汝等のような蛆虫は撲殺したって仔細え。金次どうだ。」「っちまえ。」と、に躍るを、「待った。」とに割込むは、夫人の後を追うて、勝手口よりたる矢島
貧民倶楽部 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
さすがに我強い刀自たちも、此見覚えのある、美しい箱が出て来た時には、暫らくたれたやうに、顔を見合せて居た。さうしてで恥しからうことも忘れて、皆声をあげて泣いたものであつた。
死者の書 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)