)” の例文
云ふが儘に、酒が運んで来られたので、今ぐられた憤怒いかりは殆ど全く忘れたやうに、余念なく酒を湯呑茶椀であふり始めた。
重右衛門の最後 (新字旧仮名) / 田山花袋(著)
「無法でたくさんだ」とまたぽかりとぐる。「貴様のような奸物はなぐらなくっちゃ、答えないんだ」
坊っちゃん (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
それだけが「眼の前」で、短かい——グッと咽喉のどにつかえる瞬間に行われた。見ていた漁夫は、思わず眼をそらした。酔わされたような、ぐられたような興奮をワクワクと感じた。
蟹工船 (新字新仮名) / 小林多喜二(著)
正体のない嘉吉をぐる。
草迷宮 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
「風がぐって来よった」
宮本武蔵:05 風の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「どうも驚ろいちまう。私ならぐってやる」
野分 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)