“な”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:
語句割合
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(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
とおげんは自分ながら感心したように言って、若かった日に鏡に向ったと同じ手付で自分ののあたりを幾度となくで柔げて見た。
ある女の生涯 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
それに其の間だつて、別のさで生活の苦しみをめて来た晴代は、決して木山と一緒になつてふら/\遊んでゐる訳ではなかつた。
のらもの (新字旧仮名) / 徳田秋声(著)
ここに一例としてインド産のピゾン一種人にるるを示す(図略す)。これは身長二丈余に達する事あり。英人のいわゆる岩蛇だ。
一羽のが、彼と母とのく声に交えて花園の上でき始めた。すると、彼の妻は、親しげな愛撫の微笑を洩らしながらいた。
花園の思想 (新字新仮名) / 横光利一(著)
嫂は毎日絶え間なく、くした息子のことを嘆いた。びしょびしょの狭い台所で、何かしながら呟いていることはそのことであった。
廃墟から (新字新仮名) / 原民喜(著)
種々なる感想が自分の胸にのやうに集つて来て、其山中の村が何だか自分と深い宿縁をつて居るやうな気がて、何うもらぬ。
重右衛門の最後 (新字旧仮名) / 田山花袋(著)
なんでも夜中すぎになると、天子さまのおやすみになる紫宸殿のお屋根の上になんともれない気味くものがあります。
(新字新仮名) / 楠山正雄(著)
まるでめずりたいというように、ニコニコとじぶんを眺めている慈愛深い母堂の眼に出逢うと、手も足も出ないような気持になる。
キャラコさん:06 ぬすびと (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
こんなきんぼうでも、おばあさんだけは、るほど、かわいいとみえて、きんぼうのから、どこへでもついてきました。
泣きんぼうの話 (新字新仮名) / 小川未明(著)
文庫御宅のでせうね。いんでせうね」として、にもらない下女がらしてゐるへ、最前仲働
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
荘子』に「名はなり」とあるごとく、にしてである。言葉も同じく考えの、思想のなりといいうると思う。
自警録 (新字新仮名) / 新渡戸稲造(著)
いながら、まさかりをほうりして、いきなりみつきました。そしてがらをかけて、どしんとびたにげつけました。
金太郎 (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
いで遺跡さぐりにき、貝塚だらけにつてり、掘出したる土器破片背負ひ、うしてつて井戸端ふ。
くなったな。」赤シャツの農夫はつぶやいて、も一度シャツのでひたいをぬぐい、をはだけて脱穀小屋の戸口に立ちました。
耕耘部の時計 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
印度の古傳の如く、技藝天即ち藝術の神は六欲の圓滿を得た者の美睡の頭腦中よりおのづからにしてり出づる者であるかも知れぬ。
努力論 (旧字旧仮名) / 幸田露伴(著)
その小家の持ち主というのは、娘と二人暮らしの足のえた老婆で、この町の町人だということは、アリョーシャもよく知っていた。
そうした見張をしばらく続けている中に、先程の恐怖は大分くなって行った。が、そのかわり今度は寒気が容赦なく押寄せて来た。
虎狩 (新字新仮名) / 中島敦(著)
その度に譲吉は、夫人から受くる恩恵にれて、純な感謝の念が、一回毎に、薄れて行かぬよう、絶えず自分の心を戒しめて居た。
大島が出来る話 (新字新仮名) / 菊池寛(著)
唄と囃が一時にやみ、風が落ちて海がいだような広間の上座から、播磨守がを立てた蒼白んだ顔で次の間のほうをめつけながら
鈴木主水 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
ほ一層の探索と一番の熟考とをげて後、くは再び来らんもからず、と失望の別に幾分の得るところあるをに喜べり。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
其間に村人の話を聞くと、大紙房と小紙房との村境に一間の空家があつて十数年来も住まぬ。それは『』がす為だと云ふ。
雨夜の怪談 (新字旧仮名) / 岡本綺堂(著)
「パルドン、パルドン」の百万陀羅。これに反してタヌは、群集の口が増せば増すほどいよいよ活況を呈し、四面八方にぎ立てる。
上野戦争後徳川様瓦解相成ましたので、士族さん夫々御商売をお始めなすつたが、おれなさらぬからくはりませぬ。
士族の商法 (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)
周倉は、かんばかりにいった。真情をもって訴えれば、人をうごかせないこともあるまいと、縷々、心の底から吐いてすがった。
三国志:06 孔明の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
そこには思いしか、愁わしげな様子で、じっと舞台を見下している彼女の横顔が真紅のカーテンを背景に美しい線を描いていた。
日蔭の街 (新字新仮名) / 松本泰(著)
もっと社会的な複雑な要因のいまぜられたものの動きとして感じているから、そういう実質でかりに我々の程度というときには
異性の間の友情 (新字新仮名) / 宮本百合子(著)
針間志自牟が家に住みし時に、が命名を顯はさざらませば一三、更に天の下知らさむ君とはならざらまし。これ既にが命のなり。
煙と火とを固めて空にげつける。石と石とをぶっつけ合せていなづまを起す。百万の雷を集めて、地面をぐらぐら云はせてやる。
楢ノ木大学士の野宿 (新字旧仮名) / 宮沢賢治(著)
と云う意味は悔恨や憂慮の苦痛をもめなければならぬ。殊に今度の大地震はどの位我我の未来の上へ寂しい暗黒を投げかけたであろう。
侏儒の言葉 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
「さあ、どこのでしょうね。どこでも、このお天気のうちに、をつけるんですよ。きっと、このあとは、がふりますからね。」
水七景 (新字新仮名) / 小川未明(著)
と云つたお幸の父も、お幸とお幸より三つ歳下の長男の久吉がまだ幼少な時に肺病につて二年余りもつて歿くなりました。
月夜 (新字旧仮名) / 与謝野晶子(著)
婬乱者が竜とった物語は、『毘奈耶雑事』と『戒因縁経』に出で、話の本人を妙光女とも善光女とも訳し居るが、概要はこうだ。
語るに足らない人間に、期待をもって、今日まで引きずられて来た愚かさを、思い出すのもいや、口に出すのは、忌々しかった。
新編忠臣蔵 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
今日では病院は、資力以上贅澤つてゐるので、餘計建物餘計などで隨分費用つてゐるのです。
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)
然しこちらをめてかかつた相手に向つて正面から、返答するのも気の利かない話だから、目下頻りに考へ中でまだ手紙は投函しないのだ。
西東 (新字旧仮名) / 坂口安吾(著)
何かその時分に喧嘩でも起るとそれこそ非常な罰金を命じます。ただ罰金を命ずるだけではない。やはりぶんぐられるです。
チベット旅行記 (新字新仮名) / 河口慧海(著)
各自に帽子や服ので、頬を拭いまわし初めると、今まで緊張し切っていた場面の空気が急にごやかになって来た。
戦場 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
八五郎を少しけさせて、一とまはりボカしたやうな男、八五郎のんがい顏に比べると、半分位しか無い、まん圓な顏が特色的でした。
とりわけの手がの手より四かったものですから、みの二もあるに、二もあるをつがえてはいたのです。
鎮西八郎 (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
ロオザは弟の手術を讚め、マリアも亦その恩惠をへたり。マリアの云ふやう。目しひなりし時の心の取像ばかりしきはし。
くなった父の老僧は、もし子供が不如意をって「なぜ、こんな世の中に自分を生んだか」と、父を恨むような場合があったら
食魔 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
そ事物の供給は、皆その需用あるに根ざす、もその需用にして存するからしめん乎、供給決してこれに応ずることあらざるなり。
祝東京専門学校之開校 (新字新仮名) / 小野梓(著)
「金の代りに生きているようなものだね。よし/\、しくずしに天命をうする算段をするさ。いよ/\真実にやめるかな」
一年の計 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
「赤いのが未だ大分つてゐるやうでございますね。綺麗でございますこと。——あそこに白い花が沢山咲いて居りますやうでございますね。」
桑の実 (新字旧仮名) / 鈴木三重吉(著)
何でも三十八年の間引続いて住職を勤め、延宝八年とかに九十二でくなつたといふから、随分達者な僧侶さんだつたに相違ない。
千浪は大きく頷首いて、髪から、を抜き取った。そして、大次郎の口もとから眼を離さずに、横ざまに片手をさし伸べて、行燈灯立ちをらした。
煩悩秘文書 (新字新仮名) / 林不忘(著)
その父親は早くにくなつてか、はあさんが肺結核といふをつてなりましてから一週忌の来ぬほどに跡を追ひました、今居りましてもだ五十
にごりえ (新字旧仮名) / 樋口一葉(著)
多分白鷹氏は、こうした私の面会ぶりがあまりにも突然でれ狃れしいのに驚いて、面喰っておられた事と思う。
少女地獄 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
「貸す貸す、金貸す。そのりではあかん。歌やん下りて。なあ頼む、下りて。オイ誰か緞帳下ろし」
寄席 (新字新仮名) / 正岡容(著)
真実の心から五八が慰め居りますと、馬小屋で青という馬がヒン/\といて、バタ/\と荒れる事一方ならぬ物音に、五八は慌てゝ駈出して往って見るに
塩原多助一代記 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
中原、また鹿をうて、筆を投げすてて戎軒を事とす。縦横のらざれども、慷慨の志はお存せり。いて天子にし、馬を駆って関門をず。
(新字新仮名) / 富田常雄(著)
西多摩や造酒屋門櫓いかしく高く、棟さはに倉建てめ、殿づくり、朝日夕日の押し照るや、八隅かがやく。
海阪 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
その例は『日本書紀』の「神代巻」出雲の条に、「れ国つ神、脚摩乳我妻号手摩乳云々」。
山の人生 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
婦負おし宿今日しくゆ 〔巻十七・四〇一六〕 高市黒人
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
「恐ろしく負け續けの癖に、——金のる木を植ゑたんだ。五兩や十兩の金に驚くけえ——なんて小判をバラいて居るさうで」
その他の獣風聞を聞けば、彼の黄金丸はその人間打擲されて、そがために前足えしといふに。
こがね丸 (新字旧仮名) / 巌谷小波(著)
と、自分の児供をくした時でもこれほど落胆すまいと思うほどに弱り込んでいた。
二葉亭余談 (新字新仮名) / 内田魯庵(著)
そこは煉瓦を積んだ塀になつてゐて、銃眼を穿つた跡がみえ、掘り返された庭の土が生々しくらしてあつた。
従軍五十日 (新字旧仮名) / 岸田国士(著)
「無法でたくさんだ」とまたぽかりとぐる。「貴様のような奸物はなぐらなくっちゃ、答えないんだ」
坊っちゃん (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
私は余りに自分を裸にし過ぎる。然しこれを書き抜かないと、私のこの拙い感想の筆はげ棄てられなければならない。本当は私も強い人になりたい。
惜みなく愛は奪う (新字新仮名) / 有島武郎(著)
わがくべきはも払わず、更紗の小包を二つ並べた間に、袋のままでしく壁に持たれている。いつ欝金ける事やら。あの曲はだいぶれた手に違ない。
虞美人草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
「蟻じゃない。こうして、天気のい時に、花粉を取って、雌蕊へ塗り付けて置くと、今に実がるんです。暇だから植木屋から聞いた通り、遣ってる所だ」
それから (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
縄を解き、懐中より取りして乱れ髪けと渡しながら冷えりたる肢体を痛ましく、思わず緊接き寄せて、や柱に脊中がと片手にするを、女あきれて兎角はなく
風流仏 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
蔭間茶屋色子野郎)風俗だの売女のりが、良家の子女にまで真似られて、大奥や柳沢閥の華奢をさえ、色彩のうすいものにした。
新編忠臣蔵 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
うして邪気ない生徒等と一緒に、れた道路を歩くといふのも、最早今日限りであるかと考へると、目に触れるものはて丑松の心に可懐しい感想を起させる。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
をとり妹は荻刈りよろしかもなしのさながら今も為しけり
海阪 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
曼陀羅びたる蓮の実は黄蕋さがりてよき
雀の卵 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
あたしは、それから夕方までを、き夫の隠匿している財産探しにした。茶の間から始まって、寝室から、書斎の本箱、机の抽斗それから洋服箪笥の中まで、すっかり調べてみた。
俘囚 (新字新仮名) / 海野十三(著)
守衛をブンぐって、そのコンヴェイヤーのベルトを滅茶苦茶にしてしまったことがありました。
工場細胞 (新字新仮名) / 小林多喜二(著)
いや柏手じゃア無かった粗忽かしくッてい、南無妙法蓮華経/\/\無妙ウ法蓮華経もし一寸様子がいじゃアありませんか別嬪ばかりずうっとさ
知れるが如く親族とても惡臭に寄る春蠅の樣に、追ふがうるさきほどの人々なれば力になる者とてもなく、あはれ思ひは雲井にまで昇れど、甲斐なき女の手に學士の號をも取らせかねて
花ごもり (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
何処へいらつしやるのよ。」と彼女がじるやうに云つた。
静物 (新字旧仮名) / 十一谷義三郎(著)
青木 まず最初、卵が水面に触れたせつを考えましょう。水面の世界では、これが一つの点としか見えません、何しろ、水面より高いところも低い所も見えないのですから。
新学期行進曲 (新字新仮名) / 海野十三(著)
中身はある長船だが、剥げチョロケた鞘の拵えなどが、旗二郎を気恥ずかしくさせたのである。
怪しの館 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
と、比企のが、名残り惜しげに、いつまでもでつけているの手の下から、やにわに、を起したように立った。
源頼朝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
笛吹く人は哀れにきいる生絹のために、笛を唇から放した。
荻吹く歌 (新字新仮名) / 室生犀星(著)
織物専業とする所にては、織人へおきてするを利とす。においてはき一国の名産なれども、織婦へおきておらする家なし。
彼等の忠や義や、到底道學先生の窺知をさざるものある也。喩へば鳥の鳴くが如く、水の流るるが如けむ、心なくしておのづから其の美をせる也。
美的生活を論ず (旧字旧仮名) / 高山樗牛(著)
百果報のあんで、みすゞりのあもの、心ある者や、御主加那志御為御万人に、うしやげらば、やだによ、はらうぢもおのそだている、事拝で、高札ち、道側に立てゝ
ユタの歴史的研究 (新字新仮名) / 伊波普猷(著)
私如き不肖の者には推量ることさえ出来ぬほどの大計略をお胸の中に絶えず蔵されておいでのゆえ、その父上のされた所業の善悪是非の批評など、どうして私に出来ましょうや。
蔦葛木曽棧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
止まりたる柱時計を巻きながらふと思ふこと天をみせり
註釈与謝野寛全集 (新字旧仮名) / 与謝野晶子(著)
「パンを一口喰べてから、バタを指でってめればいいじゃないの。君もずいぶん馬鹿ね。この車は一度停めたら、動き出すまでにはなかなかだから、停めるわけには行かないよ」
「六でもき子分ども」で六人七人。
猿飛佐助 (新字新仮名) / 織田作之助(著)
梅子のキツとなるを、松島て受けがし
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)
だが、見つめていると、い一面の雲のような花の層に柔かい萌黄いろの桃の木の葉が人懐かしく浸潤み出ているのに気を取りされて、蝙蝠傘をすぼめて桃林へ入って行った。
桃のある風景 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
「紀州紀州」竈馬のふつづかにくあるのみ。
源おじ (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
手に触ると、よし蛇のともらばれ、熱いと云っても月はく。
星女郎 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
ゑてゆむ湿
茴香 (新字旧仮名) / 末吉安持(著)
と、明は優しく、人つこい。
草迷宮 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
蒔いて置きましたのい。見てゝ御覽なさい。今に芽が出て、だん/″\に延びて行きますけ。去年千葉で澤山らせたでせう。私はこれからあれが大きくなるのを
胡瓜の種 (旧字旧仮名) / 鈴木三重吉(著)
我れはまゝはてぬとも、せめては此子を世に出したきに、いかにもして今たび戻りくれよ、長くとには非ず今五年がほど、これに物ごゝろのつきぬべきまでと、頼みつすかしつげきけるが
琴の音 (新字旧仮名) / 樋口一葉(著)
…………此処あがくて
『春と修羅』 (新字旧仮名) / 宮沢賢治(著)
それが過ぎてくなるといふこと
『春と修羅』 (新字旧仮名) / 宮沢賢治(著)
「君子には三つのれがある。天命を畏れ、長上を畏れ、聖人の言葉を畏れるのである。小人は天命を感知しないのでそれを畏れない。そして長上にれ、聖人の言葉をあなどる。」
現代訳論語 (新字新仮名) / 下村湖人(著)
そのうえ、上の入歯をくしたせいもあったでしょうか、いやに下唇ばかり突き出てしまって、それを見るとほんとうに、ひとしお家畜めいてらしく思われました
潜航艇「鷹の城」 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
緑色素を有する菜類、即ちの類を與へざれば、家鷄は多く不活溌に陷る。これに反して之を與ふれば、其の肉冠は著しく鮮紅又は殷紅となり、其の擧動は活溌となるのである。
努力論 (旧字旧仮名) / 幸田露伴(著)
これをアヌンチヤタの一種近づくべからずるべからざる所ありしに比ぶれば、より及ぶべくもあらねど、かの捉へ難き過去の幻影には、最早この身近き現在の形相くる力なかりしなり。
あしひきの山河るなべに弓月る 〔巻七・一〇八八〕 柿本人麿歌集
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
かれ汝はその族のありのて來て、この島より氣多まで、みなみ伏し度れ。ここに吾その上を蹈みて走りつつ讀み度らむ。
欺かえてみ伏せる時に、吾その上を蹈みて讀み度り來て、今に下りむとする時に、吾、は我に欺かえつと言ひれば、すなはち最端に伏せる鰐、を捕へて、悉に我が衣服を剥ぎき。
大分以前の話だが、独帝には伯母さんに当る英国のヸクトリア女皇くなられて、葬儀の日取が電報で独帝されて来た事があつた。
実際ウイルレム一世のくなつたのは、その一八八八年であつた。
「疎暴だッてわんサ、あんなは時々ぐッてやらんと癖になっていかん。君だから何だけれども、僕なら直ぐブン打ッてしまう」
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
ぐろうと思えば訳は無いけれども、シカシそんな疎暴な事も出来ない」
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
垣根の間から立派なおが見えるよ。さつき赤ん坊のいてゐたおだ。たくさんりがついてゐる。随分ひろびろしたお庭だ。もう赤ん坊は欷いてゐない。きつとお乳をんでゐるんだね。
水に沈むロメオとユリヤ (新字旧仮名) / 神西清(著)
「いまの声が聞えた? 赤ん坊がいてゐる!」
水に沈むロメオとユリヤ (新字旧仮名) / 神西清(著)
ここにその國主一二みてしてさく、「今よ後、天皇の命のまにまに、御馬甘として、年のに船めて船腹さず、柂檝乾さず、天地のむた、退きなく仕へまつらむ」
かれつぶさに教へ覺したまへる如くに、を整へ、船めて、度りいでます時に、海原の魚ども、大きも小きも、悉に御船を負ひて渡りき。ここに順風いたく起り、御船浪のまにまにゆきつ。
青柳の糸の細さを春風に乱れ今に見せむ子もが (同)
日本精神史研究 (新字新仮名) / 和辻哲郎(著)
「あら。アさん、何を言っているのよ。今時急にそんな事……。」
ひかげの花 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
我は此獄室をもて金殿玉楼と思ひしつゝ、娑婆世界と歓呼しつゝ、五十年の生涯、誠に安逸に過ぐるなるべし。
我牢獄 (新字旧仮名) / 北村透谷(著)
子曰く、吾一日に長ぜるを以て(対えずして)むことなかれ、(なんじたち)に則ち(人皆)吾を知らずという、を知りて(用うる)あらば則ち何をかさん。
孔子 (新字新仮名) / 和辻哲郎(著)
アカア良オくウアらんで
ドグラ・マグラ (新字新仮名) / 夢野久作(著)
ここにそのき浪おのづからぎて、御船え進みき。ここにその后の歌よみしたまひしく
静坐久し、無言の妙漸く熟す。暗寂の好味に佳境に進まんとする時、破笠弊衣の一老叟わが前に顕はれぬ。われほ無言なり。彼も唇を結びて物言はず。
松島に於て芭蕉翁を読む (新字旧仮名) / 北村透谷(著)
「なにしろ早急のことで——」と大野順平が取りすためにおもい口をいた。
石狩川 (新字新仮名) / 本庄陸男(著)
二の酉や十二階き空の青
異版 浅草灯籠 (新字旧仮名) / 正岡容(著)
『書紀』二に豊玉姫産む時夫彦火々出見尊約にいたもうと豊玉姫産にあたり竜にりあったと記されたが、異伝を挙げて〈時に豊玉姫八尋大熊鰐化為りて、匍匐逶虵う。
「あの男はどうなったかしら」との、よく有ることで、四五人集って以前の話が出ると、消えてくなった者の身の上に、ツイ話が移るものである。
酒中日記 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
泉のくにの血にけば
春鳥集 (旧字旧仮名) / 蒲原有明(著)
敷台へ前脚をかけ、頻に尾を振り、いた。
蓮花図 (新字新仮名) / 宮本百合子(著)
象のき声が聞えるだらう。まだ起きないでいゝ。
犬は鎖に繋ぐべからず (新字旧仮名) / 岸田国士(著)
そんな時でも稀に名も知らぬ小鳥が奇妙なき声をするのを耳にとらえるくらいのもので、蝉の声すらもまったく聴えなかった。
植物人間 (新字新仮名) / 蘭郁二郎(著)
彼は嗚咽き出した。北は何も言へなかつた。
二人の男 (新字旧仮名) / 島田清次郎(著)
長い柄の蝙蝠傘を持って出て行く後姿が私は好くってらなかったから、いつも其時刻には何喰わぬ顔をして部屋の窓から外を見ていると、雪江さんは大抵は見られているとは気が附かずに
平凡 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
左手でバタをすくった焼麺麭を掴んでガツガツと喰いはじめた。
ドグラ・マグラ (新字新仮名) / 夢野久作(著)
... ジャガ芋で包んでよくらして玉子の黄身を刷毛で塗ってバターを中匙一杯位中央へ載せておいてテンピで二十分ほど焼くのです」玉江嬢
食道楽:秋の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
まじいにあひ見る事のつれなきに
田沢稲船 (新字新仮名) / 長谷川時雨(著)
昔赤瀬の村に住んでいたやすという者は、すがめのみにくい女であって男に見捨てられ、うらんでこの淵に身を投げて主になった。
日本の伝説 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
めてまらず、姓名てもずに。
石清虚 (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
左右からも前からも、途端に、物の具の固い腕が、彼女のよやかな腕くびをつかみあげて
篝火の女 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「ましみらくけらくさらくは伊豆の高嶺鳴沢なすよ」(三三五八或本歌)などでも東歌的動律だが、この方には繰返しが目立つのに
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
やすらかに平準らされしこころは
東京景物詩及其他 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
葉子は一人の男をしっかりと自分の把持の中に置いて、それがでもぶるように、勝手にぶって楽しむのをやめる事ができなかったと同時に、時々は木村の顔を一目見たばかりで
或る女:1(前編) (新字新仮名) / 有島武郎(著)
もしこれらの人かりせば今日の社会は依然たる太古の社会にして、今日の人民はただかのタタールの曠原に野獣をい、アラビアの砂漠に駱駝を駆るの人民なるべし。
将来の日本:04 将来の日本 (新字新仮名) / 徳富蘇峰(著)
あたりを片付け鉄瓶に湯もらせ、火鉢も拭いてしまいたる女房おとま、片膝立てながらい歯の黄楊邪見頸足のそそけをでている。
貧乏 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
篠田は語りく「人間のも耻づかしいのは、虚言を吐くことです、喧嘩することです、まけることです」
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)
〔譯〕は必ず事をし、は必ず人をづく。歴代姦雄の如き、其む者有り、一時亦能く志をぐ。畏る可きの至りなり。
我亡きのち我の無罪を証し給うものは神である。これヨブの暗中に望み見た灯火である。に彼に神がこのの確証を今与え給わんことを願うのである。
ヨブ記講演 (新字新仮名) / 内村鑑三(著)
ただこの句のりのような感慨を愛して空を仰いで言った。
雛妓 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
大事の曙光に一の黒き不安をすってしまった! もし向後渭山の城に妖異のある場合はいよいよ家中の者に不吉を予感さするであろう。
鳴門秘帖:04 船路の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
そしてその間何時も糸は紡ぎ出してゐて、それを二重に——三重に——それをよせ集めてひつつけ、普通の綱のやうにしてひ合はせる。
然るにも拘わらず、まがい物ならぬ本物の印伝皮でめしこしらえた贅沢きわまる煙草入がころがっていましたものでしたから、いかで退屈男の逃すべき!
手をやってでてみると、毛がもじゃもじゃと触った。
酒友 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
羊歯類、蘭類、サボテン類などをはじめとして種々な草木をえ込んで、内部を熱帯地にぞらえ、中でバナナも稔ればパインアップルも稔り、マンゴー、パパ〔イ〕ヤ、茘枝、竜眼など無論の事
領主 (耳を澄ましながら窓を離れ、高殿に近寄り)、そうだ確かに短ホ調だ、ああ短ホ調がっている。
レモンの花の咲く丘へ (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
蝉のき声を耳にしながら凝乎と断崖の草の上に寝転んで、海を眺めたり空を眺めたり、また横手の墓場に眼をやりながら死んだ妻のことなぞをとりとめもなく考えていることが
逗子物語 (新字新仮名) / 橘外男(著)
「果断より来たる者あり、より来たる者あり、勇より来たる者あり。義と智をせてして来たる者あるは上なり。らに勇のみなる者し」
自警録 (新字新仮名) / 新渡戸稲造(著)
陣々相らび簇々相薄まりそのんなることに空前の盛観であってよくもかく殖えたものと目を瞠らしめた。
植物記 (新字新仮名) / 牧野富太郎(著)
僕は是れで三年配達をつてるが、肩は曲がる、血色はくなる、記憶力は衰へる、僕はツクヅク夜業の不衛生——と云ふよりもろ一個の罪悪であることを思ふよ
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)
そのめなめとしたつま先が快よく蹠に当って、座布団と、奈世の全身の重みの間におかれたわしの蹠から次第に精気の様なものが、上へ上へと登って行き
(新字新仮名) / 富田常雄(著)
孔子対えて曰く、子、政を為すにんぞ殺すことを用いん、子、善を欲せばち民善からん、君子の徳は風なり、小人の徳は草なり、草はこれに風を(加)うるとき必ずす。(同、一九)
孔子 (新字新仮名) / 和辻哲郎(著)
を作るのにを持った女などが、何でもないことで、とりわけ重宝がられた。の先につける鰭袖を美しく為立てて、其に、珍しい縫いとりをする女なども居た。
死者の書 (新字新仮名) / 折口信夫(著)
更に「し人を殺すをまざる者有らば、天下の民皆を引いてこれを望まん、誠にかくの如くんば民のこれに帰するほ水のきに就くが如し、沛然として誰かくこれをがん」
永久平和の先決問題 (新字新仮名) / 大隈重信(著)
然しながら、以上三人のフランスの粗探しが、二世紀に渉って、皮肉混じりの警告を発したって、愛書家の病がそれでおる筈もない。そう云われれば意地になって蒐めたがる奴も飛び出して来る。
愛書癖 (新字新仮名) / 辰野隆(著)
にはもう幾度勝負をした揚句のついてのこぼれたやつをしたりしてびました。
ふるさと (旧字旧仮名) / 島崎藤村(著)
釣の道でも(岡)とがつくとんぜられる。銑吉のも、しかもその岡惚れである。その癖、夥間で評判である。
灯明之巻 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
「くれなゐの八入の衣朝な朝なるとはすれどいや珍しも」(巻十一・二六二三)がある。
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
不圖、旅人は面白い事を考出して、と口元に笑を含んだ。紙屑を袂から出して、紙捻を一本ふと、それで紙屑を犬の尾にへつけた。
散文詩 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
「そればっかりじゃない。事件の起りが三月の十一日じゃろう。それから十二、十三と三日もっとるのに下手人がわからんとは余りにも手いちゅうて、大目付から矢の催促じゃ」
しタンタラスと云う人があった。わるい事をしたで、い目にうたと書いてある。身体は肩深く水にっている。頭の上にはそうな菓物累々と枝をたわわに結実っている。
虞美人草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
「しかしあまり人通りの多い所ではエー……アノーまだれませんから」とようやく一方の活路を開くや否や「いえ、あの辺の道路は実に閑静なものですよ」
自転車日記 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
うして又、ヒステリーにったんでしょう。」と、冬子は不意に顔をげた。お葉に掴みされた前髪のれたままで、掻上げもせぬ乱れ髪は黒幕のように彼女の蒼い顔をしていた。
飛騨の怪談 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
学芸にれず、奥妙なる宗教に養はれざる平民の趣味には、謡曲は到底応ずることを得ざるなり。故に彼等の中にから新戯曲の発生熟爛するありて、巣林子の時代に於て其盛運を極めたり。
徳川氏時代の平民的理想 (新字旧仮名) / 北村透谷(著)
何だか先生夫婦にかれたような気がして、腹が立ってらなかった。
平凡 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
にもこそなれ、其方には
白羊宮 (旧字旧仮名) / 薄田泣菫薄田淳介(著)
んぞ此に在るか? 此れ久しく留るけんや。に我に従つて出でよ。」
鴉片 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
ここにその総てを記すことはし得ぬところであるが、各島々に渉り特に変態と思うものだけを摘録する。
本朝変態葬礼史 (新字新仮名) / 中山太郎(著)
○真に自分と合一し得た者を得たと云う点に於て、自分は、罪と罰の、ロージャを羨む。
「禰宜様宮田」創作メモ (新字新仮名) / 宮本百合子(著)
硯友社るにいて、第二の動機となつたのは、思案外史予備門同時入学生相識つたのです、其頃石橋雨香つてました
硯友社の沿革 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
が、えず、むらくはかなかつたのは、のなくなつために血迷つたばかりでない。
麻を刈る (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
左大臣がくなったので、右が左に移って、按察使大納言で左大将にもなっていた玉鬘夫人の弟が右大臣に上った。
源氏物語:46 竹河 (新字新仮名) / 紫式部(著)
、いまつくんねえか」と強請んだ。は五銅貨大事にした。く一銅貨れてたので不足じたのであつた。卯平んでる。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
一度門閥の味をめた奴は電信でないと世の中が渡れないと見えて、学校のおで不相当の位置を作つたものは再び女房のお庇につて位置を高めやうとする。
犬物語 (新字旧仮名) / 内田魯庵(著)
小者の事なので、頼朝は、そうかと、気にもかけない容子で、いつもの朝の如く、りんどうの鞍へがって、野へ駒を調らしに出た。
源頼朝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
ここに速須佐の男の命、その御佩十拳の劒を拔きて、その蛇を切りりたまひしかば、の河血にりて流れき。かれその中の尾を切りたまふ時に、御刀の刃けき。
なる髪をうしろに結びて、りたるへたる帯、やつれたりとも美貌とはが目にも許すべし。
軒もる月 (新字旧仮名) / 樋口一葉(著)
来年は、どうでもしてしやすかんない、御隠居様。
農村 (新字新仮名) / 宮本百合子(著)
「金一郎様逝去き今は?」
八ヶ嶽の魔神 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
木はが風に靡くやうにぎ倒され、人は倒れる家の下に圧しつぶされないやうに気狂ひのやうに野原へ逃げようとしたが、震へる地上に足場を失つて、き倒れた。
そのペン先がいかにも使いらされて、柔かな幅をもっている、平均に力が入って、くっきりとした明晰な書体だが穏和なふくらみの添っているその字は、峯子に正二を思い出させた。
今朝の雪 (新字新仮名) / 宮本百合子(著)
かゝる時、まこと爽かに、いつかは彼もめるべき