“容”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
い60.7%
かたち19.6%
さま5.6%
ゆる5.2%
ふう2.9%
すがた1.7%
なり0.7%
いれ0.6%
ざま0.4%
かた0.3%
はさ0.3%
ゆ0.3%
イ0.3%
ゐ0.1%
いる0.1%
いるる0.1%
いろ0.1%
かお0.1%
かたちづく0.1%
き0.1%
よう0.1%
ようす0.1%
カタチ0.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
吾々に支払う蚊の涙ほどの鑑定料が惜しいのかも知れないが、余計なところには一切喙(くちばし)を容(い)れさせないのだから詰まらない事夥(おびただ)しい。
無系統虎列剌 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
と、声色共に厲(はげ)しく、迅雷(じんらい)まさに来らんとして風雲大いに動くの概があった。これを聴いたパピニアーヌスは儼然(げんぜん)として容(かたち)を正した。
法窓夜話:02 法窓夜話 (新字新仮名) / 穂積陳重(著)
ただしょんぼりと立っている容(さま)が、如何にも何か思案に余ることがあって、非常に困っているようであるから傍へ往って声をかけた。
八人みさきの話 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
わが政治上の世界は広大無辺なりといえどもいまだかかる一種の奇怪なる妄想説の実行を容(ゆる)さざるなり。さらにまた一種の論者あり。
将来の日本:04 将来の日本 (新字新仮名) / 徳富蘇峰(著)
王は確かに夢ではないと思ったが、眼を開けて吃驚(びっくり)さしてはいけないと思ったので、そのまま眠った容(ふう)をしてじっとしていた。
蘇生 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
「それでは、その叔母さんの居処がお判りにならないのですな、それはお気の毒な……」と云って、侍は女の容(すがた)をじっと見た。
花の咲く比 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
蒲留仙 五十前後の痩(や)せてむさくるしい容(なり)をしている詩人、胡麻塩(ごましお)の長いまばらな顎髯(あごひげ)を生やしている。
之(これ)を攪亂(かうらん)する他(た)の力(ちから)が加(くは)へられねば兩者(りやうしや)は唯(たゞ)平靜(へいせい)である。村落(むら)の空氣(くうき)が平靜(へいせい)である如(ごと)く、勘次(かんじ)と他(た)の凡(すべ)てとの間(あひだ)も極(きは)めて平靜(へいせい)でそれで相(あひ)容(いれ)ないのである。
土 (旧字旧仮名) / 長塚節(著)
△「其方(そっち)へ二人逃げた、威張った野郎の癖に容(ざま)ア見やアがれ、殴れ/\」
菊模様皿山奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
又ニッコリ、浅黒い顔、美しくもない髪容(かた)ち、木綿(もめん)物の地味な袷(あわせ)を着て居りますが、ニッコリすると、箱根中がカッと、明るくなるような魅力です。
大江戸黄金狂 (新字新仮名) / 野村胡堂(著)
『那麽(あゝ)いふ男は、今の時世ぢや全く珍しい。』と主筆が鷹揚に嘴を容(はさ)んだ。
病院の窓 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
されども文三が死だ気になって諸事お容(ゆ)るされてで持切ッているに、お政もスコだれの拍子抜けという光景(きみ)で厭味の音締(ねじめ)をするように成ッたから、まず好しと思う間もなく
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
溯つて考へれば、ひゝなの一つの容(イ)れ物(モノ)であつた。謂はゞほかゐの様なものから次第に発達して、遂に内裏(ダイリ)の様な形にまで、変つて来たのだと思ふ。
かくも驚(おどろ)くべき速力(そくりよく)を有(いう)するのは全(まつた)く艇(てい)の形體(けいたい)と、蒸氣力(じようきりよく)よりも電氣力(でんきりよく)よりも數十倍(すうじふばい)強烈(きようれつ)なる動力(どうりよく)による事(こと)は疑(うたがひ)を容(ゐ)れぬが
久しく決闘を忘れたる世人の耳朶(じだ)を驚し、陪席判事は皆その請求の容(いる)るべからざるを主張し、決闘裁判に関する古法律は形式上は未だ廃止されてはおらぬが、古代の蛮法であって
法窓夜話:02 法窓夜話 (新字新仮名) / 穂積陳重(著)
「幻燈」の作者については、正岡容(いるる)君が「宝石」昭和二十二年一月号に「英人落語家ブラックの探偵小説」と題する随筆をよせて
探偵小説の「謎」 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
顔や容(いろ)が色めき立った。まず、森山さんが私を発見し、私と並んで歩いてくる山岡を、それと睨んで妹の袖を引き、電光の如き敏捷さで眼配せしたに違いない。
縁談 (新字新仮名) / 佐藤垢石(著)
のみならず、風態(ふうてい)は卑(いや)しげだし、容(かお)は醜(みにく)いときているので、玄徳もすっかり興ざめ顔に
三国志:08 望蜀の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
女は己を愛する者のために容(かたちづく)るという語も有る如く、女子はただ男子を慰藉(いしゃ)するためにのみこの世に存在するものと認められていたから致方(いたしかた)ない。
婦人問題解決の急務 (新字新仮名) / 大隈重信(著)
斯(か)う言(い)つて居(を)りました「私(わたくし)の忰(せがれ)は私(わたくし)の言(い)ふ事(こと)を容(き)かずに、十月(じふぐわつ)の祟(たゝり)の日(ひ)に家出(いへで)をしたばかりに、海蛇(うみへび)に捕(と)られてしまひました。」
普(ふ)通にはそれを「ぎよつとした」と形容(よう)するがその言葉があらはす程シヨツクの烈(はげ)しいものではなく、何か日頃は奧(おく)のほうにしまつてあつて
坂道 (旧字旧仮名) / 新美南吉(著)
許宣はそこに立って室の容(ようす)を見た。中央の卓(つくえ)の上に置いた虎鬚菖蒲(はししょうぶ)の鉢が、先(ま)ず女の室らしい感じを与えた。
蛇性の婬 :雷峰怪蹟 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
堂宇(ドウウ)ニ依ル。雌雄容(カタチ)ヲ以テ、羽翼ヲ舒(ノ)ベ張ル。コレ燕ノ卵ナリ。
三国志:09 図南の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)