“かたち”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:カタチ
語句割合
35.5%
24.1%
11.9%
3.4%
形状3.2%
3.0%
2.1%
容姿1.4%
形象1.4%
容貌1.1%
0.9%
形体0.9%
0.7%
0.7%
容儀0.7%
姿0.5%
形態0.5%
印象0.5%
姿勢0.5%
形式0.5%
形骸0.5%
形姿0.4%
形容0.4%
輪郭0.4%
0.4%
0.2%
外形0.2%
公子容0.2%
姿容0.2%
定形0.2%
容子0.2%
容態0.2%
容樣0.2%
容相0.2%
容端0.2%
容體0.2%
形像0.2%
形勢0.2%
形相0.2%
形躯0.2%
0.2%
恰好0.2%
扮装0.2%
片乳0.2%
0.2%
肢態0.2%
象像0.2%
象形0.2%
0.2%
0.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
そのはなは、のめずりたおれた老人ろうじん死体したいを、わらつておろしているというかたちで、いささかひとをぞつとさせるような妖気ようきただよわしている。
金魚は死んでいた (新字新仮名) / 大下宇陀児(著)
遽然にはかに、蓮華寺の住職が説教の座へ上つたので、二人はそれぎり口を噤んで了つた。人々はいづれもすわり直したり、かたちを改めたりした。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
将軍はよろしく人の和をもって、それに鼎足ていそくかたちをとり、もって、天下三分の大気運を興すべきである——と、孔明は説くのであった。
三国志:07 赤壁の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
が、ここに不思議なことと云うのは、それに意志の力が高まり欲求がみなぎってくると、かえって、かたちのうえでは、変容が現われてゆくのである。
白蟻 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
自然石じねんせき形状かたち乱れたるを幅一間に行儀よく並べて、錯落さくらくと平らかに敷き詰めたるこみちに落つる足音は、甲野こうのさんと宗近むねちか君の足音だけである。
虞美人草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
そのかたち象首一牙で、四手に瓢と餅と斧と数珠をもち、大腹黄衣で鼠にのる(ジャクソンの『グジャラット民俗記』一九一四年ボンベイ板、七一頁)
蒙るいはれなしと一向に受をさめねば忠八は止事を得ず其意に隨ひ彼の印籠を請取うけとつかたちを改め是に就て尋ね申度事たきことあり右夫婦の者は此家を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
容姿かたち才智ざえも世にすぐれてめでたき人、面影は誰にも美しい思出を残している女史は、数えれば六年むとせ前、明治四十三年に三十六歳を年の終りにして
大塚楠緒子 (新字新仮名) / 長谷川時雨(著)
このあをじろい新月は、『王冠のかたち』であり、その王冠のいたゞいてゐるものは、『形象かたち無き形象かたち』(——ミルトンの『失樂園』)であつた。
ベアトリーチェは容貌かたちを變へき、思ふに比類たぐひなき威能ちからなやみ給ひし時にも、天かく暗くなりしなるべし 三四—三六
神曲:03 天堂 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
彼はかく覚めたれど、満枝はなほ覚めざりし先の可懐なつかしげに差寄りたるかたちを改めずして、その手を彼の肩に置き、その顔を彼の枕に近けたるまま
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
不思議にも、屠られた牛のいたましい姿は、次第に見慣れた「牛肉」という感じに変って行った。豚も最早一時いっとき前まで鳴き騒いだ豚の形体かたちはなくて、紅味のある豚肉とんにくに成って行った。
千曲川のスケッチ (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
……あのかたちで。……あでやかな鬼の舞をながら、英雄が酔っぱらった例もあります。
雪柳 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
まるで業が未熟である癖に矢鱈に気どつたかたちばかりを執つて逆上するので、却つて反対の効果を与へてしまふのであるらしかつた。
武者窓日記 (新字旧仮名) / 牧野信一(著)
実に威あってたけからずと言うべき山の容儀かたちであるとした飛騨の翁の形容も決してほめ過ぎではなかった。あの位山を見た目で恵那山を見ると、ここにはまた別の山嶽さんがくの趣がある。
夜明け前:04 第二部下 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
夜は、下から見上げるようにすれば空明りに浮び出て物の姿かたちがはっきりする。
つまり、詩語には、特に強烈な聯合作用が現われる——という、ブルードンの仮説セオリー剽竊ひょうせつして、それを、殺人事件の心理試験に異なった形態かたちで応用しようとしたのです。
黒死館殺人事件 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
空鏡かゞみ印象かたちすな文字もじ
藤村詩抄:島崎藤村自選 (旧字旧仮名) / 島崎藤村(著)
「マア、お父様が」セレナ夫人は姿勢かたちを改めて、法水を見直した。
黒死館殺人事件 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
ははは、ぬるまえに、ちちわたくしゆめたとってりましたが、もちろんそれはただのゆめではないのです。つまり私達わたくしたち意思おもいゆめ形式かたちで、病床びょうしょうははつうじたものでございましょう……。
形骸かたちしや冷土の中にうづもれても、魂は定かに六尺の上に聞こしめされん。
滝口入道 (旧字旧仮名) / 高山樗牛(著)
この意富多多泥古といふ人を、神の子と知れる所以ゆゑは、上にいへる活玉依いくたまより毘賣、それ顏好かりき。ここに壯夫をとこありて、その形姿かたち威儀よそほひ時にたぐひ無きが、夜半さよなかの時にたちまち來たり。
背中を一つ喰はせて遣ると、いひ/\/\と笑やがつたが、其笑ひ様つて言つたら、そりや形容かたちにも話にも出来ねえだ。
重右衛門の最後 (新字旧仮名) / 田山花袋(著)
なせしにより終に死罪の上獄門ごくもんとぞ成にける(此彦兵衞牢内らうないに居てわづら暫時ざんじの中に面體めんてい腫脹上はれあがり忽ち相容變りて元のかたちは少しもなかりしとぞ)
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
霎時しばらく聞かせたまへ。我今かりかたちをあらはしてかたるといへども、神にあらず仏にあらず、もと一〇五非情ひじやうの物なれば人と異なるこころあり。
君が今日家の子をしやうじ給ふにでて、翁が思ふ三四こころばへをもかたりなぐさまんとて、かりかたちあらはし侍るが、十にひとつもやうなき閑談むだごとながら、三五いはざるは腹みつれば
幼児は外形かたちを見、その外形を鵜呑うのみにするものだから、裏店うらだなに育っている子供と、生活様式の十分にととのっている家の子供とは、言葉でも動作でも
たましいの教育 (新字新仮名) / 羽仁もと子(著)
それゆえ幼児には、外形かたちをもってまずよいことを鵜呑みにさせることが必要である。
たましいの教育 (新字新仮名) / 羽仁もと子(著)
我室に入りて相對せる時、公子容かたちを改めて宣給ふやう。アントニオよ。御身の病はまだえずと覺し。少しく世の人に立ち交りて、氣鬱を散ぜんかた、身の爲めに宜しからん。
その姿容かたち端正うつくしきでたまひて、すなはち建内たけしうち宿禰すくねの大臣にあとらへてのりたまはく、「この日向よりし上げたまへる髮長かみなが比賣は、天皇の大御所みもとに請ひ白して、あれに賜はしめよ」
地は定形かたちなく曠空むなしくして黒暗やみわだの面にあり
夜の讃歌 (新字旧仮名) / 富永太郎(著)
解いたような容子かたちで杯をかさねはじめた。
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
雪之丞の、そうした容態かたちは、相も変らず、しとやかに、優しかったが、しかし、不思議に、五分の油断もすきもない気合がみなぎって、どんな太刀をも、寄せつけなかった。
雪之丞変化 (新字新仮名) / 三上於菟吉(著)
わたしたからわかりませんが、』と言ひながら外景そとると丘山樹林きうざんじゆりん容樣かたちまさにそれなので
湯ヶ原ゆき (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
どうせ死ぬなら、容相かたちだけでも、釈尊の御弟子みでしになってけ。せめてものよしみ、引導いんどうだけは授けて進ぜる。眼をふさいで、静かに膝をくむがよい。
宮本武蔵:07 二天の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
我はこの時かのさち多きむれ先手さきての、容端かたちたゞしく歩履あゆみいうにこなたに進み來るをみたり 八五—八七
神曲:02 浄火 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
あづかり歸りしが或日兩親の居ぬひまかんがへ右の文をわたしければお高は容體かたちを改め其方そなたは主人の娘にこひ執持とりもち爲事なすこと不埓ふらち千萬なりかさねて斯樣なる事をなさばためになるまいぞと嚴敷きびしくはづかしめて文を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
何もかも——さびを帯びた金色こんじきの仏壇、生気の無いはす造花つくりばな、人の空想を誘ふやうな天界てんがい女人によにんの壁にかれた形像かたち、すべてそれらのものは過去すぎさつた時代の光華ひかり衰頽おとろへとを語るのであつた。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
随分性急せつかちに申込んで来て、兎も角も信吾が帰つてからと返事して置いたのが、既に一月、うしたのか其儘そのままになつて、何の音沙汰もない、自然、家でも忘られた様な形勢かたちになつてゐた。
鳥影 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
欺き五十兩の金をばかたり取たくみと云を打聞うちきゝ長庵は兩眼をくわつとむき出し目眦まなじり逆立さかだて形相かたちを改め這は聞にくき今の一言此長庵をかたりなどとは何事ぞや我等は仁術じんじゆつ
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
渠の形躯かたちは貴公子のごとく華車きゃしゃに、態度は森厳しんげんにして、そのうちおのずから活溌かっぱつの気を含めり。いやしげに日にくろみたるおもて熟視よくみれば、清※明眉せいろめいび相貌そうぼうひいでて尋常よのつねならず。
義血侠血 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
これと同樣に人の張る氣も自然に其の持續し易い間は凡そ限度が有る。若し其のかたちを求むれば、男子に於ては不明であるが、女子に於ては明らかに潮信同樣の作用が月々に行はれてゐる。
努力論 (旧字旧仮名) / 幸田露伴(著)
恰好かたちのいい針魚さよりのような肢体——それを包んだ黒ずくめの中から、白い顔と半襟の水色とがクッキリと浮出ていて、それが、四十女の情熱と反面の冷たい理智を感じさせる。
後光殺人事件 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
「よう、妙な扮装かたちだぜ。」と雲おじい、あらためてつくづくながめる。
わか紫 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
びんのはずれの頸脚えりあしから、すっと片乳かたちの上、雪のかいなのつけもとかけて、大きな花びら、ハアト形の白雪を見たんです。
菊あわせ (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
「…………」答えもしないで臙脂べにをさしている、鏡の中のお米の目、やや狂恋きょうれんかたちがある。
鳴門秘帖:01 上方の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
だから熊城君、椅子の螺旋と伸子の肢態かたちを対照してみると、そこに驚くべき矛盾が現われてくるのだ
黒死館殺人事件 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
およおよとする象像かたちをみた
青猫 (旧字旧仮名) / 萩原朔太郎(著)
その紙片は、ノートブックから離し取ったもので、鉛筆で次のような象形かたちが画かれてあった。
一〇五これは美濃の国を出でて、みちの一〇六いぬる旅なるが、このふもとの里を過ぐるに、山のかたち、水の流のおもしろさに、おもはずもここにまうづ。日もななめなれば里にくだらんも一〇七はるけし。
やがて一同食卓に着いたが、何だか奥歯に物がはさまっているようなかたちであった。乃公は余り気の毒だったから、五杯目のアイスクリームは喉へ通らなかった。
いたずら小僧日記 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)