“なりふり”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
服装20.8%
姿態12.5%
風俗12.5%
姿振8.3%
形振8.3%
容體4.2%
風采4.2%
容態4.2%
形容4.2%
形態4.2%
形相4.2%
態度4.2%
風姿4.2%
體裁4.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
余所よそから来た先生ならうに問題になるのだが、同窓の先輩だから、皆恐れて勉強する。凡そ服装なりふりに構わないこと数学の教師より甚しいものはない。
母校復興 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
首をもたげて聞き澄ましたが、にわかにムックリ起き上った。周囲まわりを見ると女太夫共が、昼のはげしい労働に疲労つかれ姿態なりふり構わぬ有様で、大いびきで睡っていた。
大捕物仙人壺 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
風俗なりふりなぞにはかまはない人で、これから汽車に乗るといふのに、其程それほど身のまはりを取修とりつくろふでも無い。男の見て居る前で、僅かに髪をで付けて、旅の手荷物もそこ/\に取収とりまとめた。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
「嬶は髪が白くなつたぞ。姿振なりふりなんか介意つちやをられんぢやないか。」
倒れた花瓶 (新字旧仮名) / 徳田秋声(著)
見たところ五十幾つ、形振なりふり構わず小金を溜めるより外に望みのない人間で、信州の土の匂いのするといった風格には、お政を殺す動機などを持っていそうもありません。
飮ながら偖々さて/\御亭主店先をさわがせ氣のどく千萬それがしはもとより生れ付て容體なりふりに一かうかまはぬゆゑ是までも兎角とかく人に見下られ殊に見らるゝ如く大いなる木太刀きだちを二本さして歩行あるきけれどもそれ
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
きいて大いに驚きいろ蒼然あをざめひかへ居たり時に後藤半四郎は今日けふ呼出よびだしに付先刻より呼込よびこみあるを今や/\と待兼まちかねたるゆゑ直樣浪人臺へ罷りいで一向容體なりふりにも構はず控へたりれば久兵衞は半四郎を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
丑松は文平の瀟洒こざつぱりとした風采なりふりを見て、別に其を羨む気にもならなかつた。たゞ気懸りなのは、あの新教員が自分と同じ地方から来たといふことである。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
しかし、愛嬌あいけうのある、明白てきぱきした物の言振いひぶりは、何処かに人をひきつけるところが無いでもない。隆とした其風采なりふりを眺めたばかりでも、いかに斯の新進の政事家が虚栄心の為に燃えて居るかを想起おもひおこさせる。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
そのにぶ容態なりふりのいづこにかずるはたらかせにやにやと笑ひつつあり。
東京景物詩及其他 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
真実まことありたけ智慧ちえありたけつくして御恩を報ぜんとするにつけて慕わしさも一入ひとしおまさり、心という者一つあらたそうたるように、今迄いままでかまわざりし形容なりふり、いつか繕う気になって
風流仏 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
「白くても毛のある方がいですな。今更形態なりふりでもありませんが、禿げていると危いです。一寸電球を支えても直ぐに怪我をします。生傷が絶えません」
親鳥子鳥 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
忍びて紙屑買かみくづかひには成ぬかと聞て久八しばらく考へ却つて夫こそ面白おもしろからんと紙屑買にぞなりにけり嗚呼ああ榮枯盛衰えいこせいすゐひとへに天なり命なり昨日迄は兎も角も大店の番頭支配人とも言はれし身が千種木綿ちくさもめん股引もゝひきねぎ枯葉かれはのごとくにて木綿布子ぬのこ紋皮もんぱ頭巾づきん見る影も無き形相なりふりは商賣向の身拵みごしら天秤棒てんびんぼうに紙屑かご鐵砲笊てつぱうざる
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
章魚たことも河童かっぱともつかぬ御難なのだから、待遇あつかい態度なりふりも、河原の砂から拾って来たようなていであったが、実は前妻のその狂女がもうけた、実子で、しかも長男で、この生れたて変なのが
茸の舞姫 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
一人後れし丸髷の、際立つ風姿なりふり眼を注けて、これぞ好き客有難しと、群がる車夫が口々に、奥さんどうどす、お乗りやす、御勝手まで行きまひよかと。先づ京音の悠長を、つと避けて。
移民学園 (新字旧仮名) / 清水紫琴(著)
つけつて見た處が山崎町の裏住居うらずまひそれは/\目も當られぬ始末御新造樣しんぞさまなども誠に見るかげもなきしがなひ體裁なりふり御目に懸るさへもいやもう誠に御氣の毒千萬ほんに/\御痛おいたはしき事也大恩受たる大橋文右衞門樣が彼樣あのやうに御難儀なさるを
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)