風俗なりふり)” の例文
茶屋小屋、出茶屋のねえさんじゃあねえ。風俗なりふりはこの目でたしかにらんだが……おやおや、お役人の奥様かい。……郵便局員の御夫人かな。
唄立山心中一曲 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
風俗なりふりなぞにはかまはない人で、これから汽車に乗るといふのに、其程それほど身のまはりを取修とりつくろふでも無い。男の見て居る前で、僅かに髪をで付けて、旅の手荷物もそこ/\に取収とりまとめた。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
それにもうその風俗なりふりなら誰が見ようと大丈夫だわ。
散柳窓夕栄 (新字新仮名) / 永井荷風(著)