“撫”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
83.9%
なで4.8%
3.9%
なだ3.2%
さす2.1%
0.7%
0.5%
パット0.2%
いたは0.1%
さず0.1%
だま0.1%
なぜ0.1%
ぶな0.1%
カキナ0.1%
0.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
水面をかすめてとぶ時に、あの長い尾の尖端が水面をでて波紋を立てて行く。それが一種の水平舵すいへいだのような役目をするように見える。
浅間山麓より (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
なでて見るとおかしな手障てざわりだから財布の中へ手を入れて引出して見ると、封金ふうきんで百両有りましたからびっくりして橋のたもとまで追駆おっかけて参り
文七元結 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
ついに伯牙はくがという琴の名手が現われた。ぎょしがたい馬をしずめようとする人のごとく、彼はやさしく琴をし、静かに弦をたたいた。
茶の本:04 茶の本 (新字新仮名) / 岡倉天心岡倉覚三(著)
はやるガラッ八をなだめて、平次が書いた一本の手紙。それを中坂の藤井重之進の家へ届けた晩、加島屋のお桃は無事で家へ戻りました。
お栄は姉の背中をさすりながら、叔父さんに向つて、「なんでも吾家うち祖母おばあさんの顔がつとそこへ出て来たんですツて……」
出発 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
『お前だったか、私は、私は……』と胸をすって居ましたが、そのあいだも不思議そうに僕の顔を見て居たのです。僕は驚ろいて
運命論者 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
人間の形代なるハラへのモノは、少々意味が変つて居る。別の物に代理させると言ふ考へで、道教の影響が這入つて居るのである。
国文学の発生(第二稿) (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
目的地に着いて初々しい静子の透き通るやうなくゝり顎のあたりを、軽くパットしてやりたくて、仕様がなくなつて来た。
真珠夫人 (新字旧仮名) / 菊池寛(著)
おつぎはねむをこすりながらしく/\いて與吉よきちよこにして背中せなかたゝいてはいたはりながらいつた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
のびをした手で腕をさずりながら
貧書生 (新字旧仮名) / 内田魯庵(著)
狂い果てた相手をだまして、かたきの子をわが手に抱き取りはしたものの、そして、西も東もしらない、頑是がんぜなく、いたいけなこのむつきの子供に、罪も怨みもないと
雪之丞変化 (新字新仮名) / 三上於菟吉(著)
なぜて見る石の暑さや星の影 除風
古句を観る (新字新仮名) / 柴田宵曲(著)
ならぶななどの大木をり出した見事なものであります。大きいのになると直径三尺ほどにも及びます。これらを荒削りするには山に幾日かをこもらねばなりません。
手仕事の日本 (新字新仮名) / 柳宗悦(著)
武内宿禰に琴をカキナらさせ、烏賊津イカツ使主オミ審神者サニハとして、琴の頭・琴の尾に千繒高繒チハタノタカハタを置いて、七日七夜の間神意を問はれた(神功紀)とあるのは、沢山のタケの高い幣束で琴の周りをとり捲いて
幣束から旗さし物へ (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
貴剣サダメシ御鍛養ゴタンヨウ被存候ゾンゼラレソウロウ、貧生マタイササ鍛腕タンワンシテマカリアリ候
宮本武蔵:04 火の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)