“撫廻”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
なでまわ80.0%
なでまは20.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
あわれ乞食僧はとどめを刺されて、「痛し。」と身体からだ反返そりかえり、よだれをなすりて逸物いちもつ撫廻なでまわし撫廻し、ほうほうのていにて遁出にげいだしつ。
妖僧記 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
「へへへへへへへへ。」といって皺の寄った顔と凹んだ眼のあたりを枯れた血の気のない手で撫廻なでまわした。
老婆 (新字新仮名) / 小川未明(著)
唯継は例のおごりて天をにらむやうに打仰うちあふぎて、杖の獅子頭ししがしら撫廻なでまはしつつ、少時しばらく思案するていなりしが、やをら白羽二重しろはぶたへのハンカチイフを取出とりいだして、片手に一揮ひとふりるよと見ればはなぬぐへり。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)