“揮”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ふる72.2%
22.6%
2.2%
さしまね0.7%
ふり0.7%
0.2%
はばか0.2%
ふるつ0.2%
サイ0.2%
0.2%
フル0.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
鳴鶴等一流の諸先生が達筆をふるったものだが、一時は守田宝丹のひねくれた書法が奇抜というので、提灯屋の書いた看板まで宝丹流。
明治世相百話 (新字新仮名) / 山本笑月(著)
勘作は背後うしろからそっと往って、今にも飛び込もうとしている女をしっかと抱き止めた。女は勘作の手をはなして飛び込もうとする。
ある神主の話 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
関羽は、追いかけながら、さえぎる者をばたばた斬り伏せ、袁術の背へ迫るや、ひじを伸ばして、青龍刀のただ一
三国志:04 草莽の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
代つて現れたのは白髮を切つて撫附なでつけにしたおうなである。「どうぞこちらへ」と云つて、わたくしをさしまねいた。わたくしは媼と帳場格子ちやうばがうしそばに對坐した。
寿阿弥の手紙 (旧字旧仮名) / 森鴎外(著)
上へ刀を振りかぶれる空間があれば、据物斬すえものぎり、ただ一ふりに割りつけること、孫兵衛の手になんの苦もないことだろうが、見当のつかない暗闇。
鳴門秘帖:05 剣山の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
邯鄲淳はこのとき年歯としわずかに十三歳で、筆をってこの文を作し、一字も訂正しなかったと申します。
三国志:09 図南の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
これが普通の場合だと横手を打つところですが、何にはばかったか、子分共は互に顔を見合せてしんみり感嘆します。
悪人の娘 (新字新仮名) / 野村胡堂(著)
しらみひねる事一万疋に及びし時酒屋さかや厮童こぞうが「キンライ」ふしを聞いて豁然くわつぜん大悟たいごし、茲に椽大えんだい椎実筆しひのみふでふるつあまね衆生しゆじやうため文学者ぶんがくしやきやう説解せつかいせんとす。
為文学者経 (新字旧仮名) / 内田魯庵三文字屋金平(著)
さすれば、猿若狂言に使ふ安宅丸の幕の緋房と言ふのは、実は、念仏聖の懸けた鉦鼓の名であり、本の名にまでなつた「キンサイ」は、単に念仏聖の持つぬさかけ棒であらうか。
赤裸の男子ヲノコむれゐて、アラガネのまろがり砕く 鎚うちりて※
橘曙覧評伝 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
正宗の大刀のよりも、国のため するどき筆の鉾フルひみむ
橘曙覧評伝 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)