“ふる”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:フル
語句割合
32.3%
15.0%
13.4%
9.4%
7.5%
6.8%
6.4%
3.4%
1.6%
0.7%
(他:69)3.5%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
書き終りたる文字は怪しげに乱れて定かならず。年寄の手のふるえたるは、おいのためともかなしみのためとも知れず。
薤露行 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
彼女の結婚する二三日前に、岡田と佐野は、氷を裂くような汽車の中から身をふるわして新橋の停車場ステーションに下りた。
行人 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
重い鉄扉を、細目にあけて、ブルブルふるえている組下連中を、一人一人、押込んだ。最後にわしが入って、扉をソッと閉めた。
夜泣き鉄骨 (新字新仮名) / 海野十三(著)
この老史学家は指を神経的にふるわせ、どことなく憂色を湛えていて、明らかに再度の喚問を忌怖きふするの情を示していた。
黒死館殺人事件 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
なんにしろ、あの垣の上に妙な首が載っていて、その首が何の遠慮もなく表情筋を伸縮させて、雄弁をふるっている処は面白い。
(新字新仮名) / 森鴎外(著)
親方らしいのが、棒をふるって飛び出すと、それに励まされて丸くなった五六人が、兵馬を目蒐めがけて突貫して来ました。
大菩薩峠:15 慢心和尚の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
ふるえる肩、濡れた睫毛まつげ、――男はそれらを見守りながら、現在の気もちとは没交渉に、一瞬間妻の美しさを感じた。
(新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
そしてわたしの胸は、うちつことのできない名状すべからざる陶酔とうすいにいざなわれて、あやしくふるえ始めた。
はつ恋 (新字新仮名) / イワン・ツルゲーネフ(著)
「あんなふるいものは見殺しにするほどの度胸がなければ、新しいものを創生する大業は仕了しおわせられるものではない。」
金魚撩乱 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
ちょうど、中津川の医者で、半蔵がふるい師匠にあたる宮川寛斎が桝田屋ますだやの病人を見に馬籠まごめへ頼まれて来た。
夜明け前:01 第一部上 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
そこで、さしも全権をふるっていたこの連中が、一時に閉塞へいそくして、ことごとく船の底へ下積みにされてしまいました。
大菩薩峠:23 他生の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
けつしてういふ相場さうばるものではいとべんふるつていてたが、かぬ。
部屋へやがだいなしになっている。わらくずがちらかり、ふるトランクがなげだされ、空籠あきかごがほうりだされてある。
『またはじめたな、玄竹げんちく洒落しやれふるいぞ。』と、但馬守たじまのかみ微笑ほゝゑんだ。
死刑 (旧字旧仮名) / 上司小剣(著)
正木署長はにわかにふるいたって、取調べを始めた。カオルも山治も、蠅男らしい人物がこの家に出入していない旨を誓った。
蠅男 (新字新仮名) / 海野十三(著)
われは忽ち興到り氣ふるふを覺えしに、忽ち又興散じて氣衰ふるを覺え、悄然として舟に上り、大海に臨める岸區リドに着きぬ。
御坊はこの頭蓋骨と頬骨と外に二つ三つの大きな骨を残して、「あとは綺麗きれいふるって持って参りましょう」と云った。
彼岸過迄 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
じいさんはそんなことを云うおしかにかまわず、ふるいや、中古ちゅうふるの鍬まで世話になった隣近所や、親戚にやってしまった。
老夫婦 (新字新仮名) / 黒島伝治(著)
吉里は今しも最後の返辞をして、わッと泣き出した。西宮はさぴたの煙管パイプを拭いながら、ふるえる吉里の島田髷を見つめて術なそうだ。
今戸心中 (新字新仮名) / 広津柳浪(著)
彼は、見つかった! と頭の上で言われる時には、身がぶるぶるとふるえるように、ぞっとするのを覚えた。
過ぎた春の記憶 (新字新仮名) / 小川未明(著)
この安らけき樂しき國、ふるき民新しき民の群居むれゐる國は、目をも愛をも全く一の目標めあてにむけたり 二五―二七
神曲:03 天堂 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
とうさんのおうちむかし本陣ほんぢんひまして、むらでもふるい/\おうちでした。
ふるさと (旧字旧仮名) / 島崎藤村(著)
上品な美しいお声で、恋愛の扱われたふるい詩を口ずさんで通ってお行きになることで、煩わしい気持ちを姫君は覚えていた。
源氏物語:52 東屋 (新字新仮名) / 紫式部(著)
いにしへのひとにわれあれや楽浪ささなみふるみやこればかなしき 〔巻一・三二〕 高市古人
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
ふるい習慣の抜殻かも知れないが、普通道徳を盲目的に追うている間は、時としてこれに似たような感じの伴うこともあった。
なぜ、いつまで、ふるい、狹い、文學青年的な考へから離れて、衆の文學へ、あの人達は、努力する氣になれないのか。
折々の記 (旧字旧仮名) / 吉川英治(著)
それだからそんなに病気をしていると殺すぞとおどかせば臆病なる主人の事だからびりびりとふるえ上がるに相違ない。
吾輩は猫である (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
三度目に呼ばれた時には欄干につかまっていながら膝頭ひざがしらががくがくふるえ出したのです。
吾輩は猫である (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
しかし僕は戦慄ふるう手に力を入れて搬機ひきがねを引いた。ズドンの音とともに僕自身が後ろに倒れた。叔父さんが飛び起きた。
鹿狩り (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
蓮太郎――大日向――それから仙太、斯う聯想した時は、猜疑うたがひ恐怖おそれとで戦慄ふるへるやうになつた。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
ニューヨルクの弁護士某氏は、熱弁をふるってイギリスの前国会議員某氏の国際条約必要論を駁撃し
法窓夜話:02 法窓夜話 (新字新仮名) / 穂積陳重(著)
臣ひそかに恐る、数世すうせいの後は尾大びだいふるわず、しかして後に之が地を削りて之が権を奪わば、すなわち其のうらみを起すこと、漢の七国、晋の諸王の如くならん。
運命 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
短か布留ふる神杉かんすぎカンガルー春きたれりと人招くがに
河馬 (旧字旧仮名) / 中島敦(著)
二もとのすぎのたちどを尋ねずば布留ふる川のべに君を見ましや
源氏物語:22 玉鬘 (新字新仮名) / 紫式部(著)
男「今雨が降らんではさくの為によくえから、わしの方じゃアふるちっとはよいちゃア」
真景累ヶ淵 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
にらめばうつくしいつる、そでかざせばあめふるなり
高野聖 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
あるわたくし御神前ごしんぜん統一とういつ修行しゅぎょうをしてりますと、きゅうからだがぶるぶるとふるえるようにかんじました。
座敷へあがってキャア/\騒がれては大変と思いましたが、新吉はもとよりそれ程悪徒わるものという程でも有りませんから、たゞ甚藏の見相けんそうに驚きぶる/\ふるえているから、
真景累ヶ淵 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
爾時そのとき我血は氷の如く冷えて、五體ふるひをのゝき、夢ともうつゝとも分かぬに、屍の指はしかと我手を握り屍の唇はしづかに開きつ。
「ぢや許して下さるんですね。」私の語尾は思はずふるへた。
受験生の手記 (旧字旧仮名) / 久米正雄(著)
貴女様み気色けしきふるる時は、矢の如く鬢櫛びんぐしをお投げ遊ばし、片目をおつぶし遊ばすが神罰と承る。
多神教 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
青酸は毒のもっともはげしきものにして、舌にふるれば、即時にたおる。
徳育如何 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
軈て其音が波うつやうに、次第に拡つて、遠くなつて、しまひに霙の空に消えて行く頃、更に第三の音が震動ふるへるやうに起る――第四――第五。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
芳の眼色は、急に變つて體躯からだ震動ふるへた。
二十三夜 (旧字旧仮名) / 萩原朔太郎(著)
そして沸流のことは朝鮮の古い歴史には扶餘國に解夫婁ふるといふ王があつて、その子の得た女子から高句麗の東明といふ王が出て來る。
近畿地方に於ける神社 (旧字旧仮名) / 内藤湖南(著)
クリストフは気おくれがしふるえながらも、演奏し始めた。
因より正當せいたうの腕をふるつてまうけるのでは無い、惡い智惠ちえしぼツてフンだくるのだ………だから他のうらみひもする。
平民の娘 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)
の有名な孫子の旗へ、疾如はやきことかぜのごとく徐如しずかなることはやしのごとく侵掠如おかすことひのごとく動如うごかざることやまのごとしと、大文字を揮毫ふるったのも、信玄のために、機山という面白い法号を選んだのも、皆快川長老であった。
神州纐纈城 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
それでもしばらくすると病人びやうにん意識いしき恢復くわいふくして、びり/\と身體からだふるはせて、ふとなはでぐつとつるされたかとおもふやうにうしろそりかへつて、その劇烈げきれつ痙攣けいれんくるしめられた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
三、ふるえる手
妖影 (新字新仮名) / 大倉燁子(著)
一つの「沸流ふる」といふ方を申しますと、朝鮮の今存在して居る歴史では温祚といふ人の兄さんに沸流王といふ人がある。
近畿地方に於ける神社 (旧字旧仮名) / 内藤湖南(著)
「古」といふのは私が能く申しますが、朝鮮の上古の傳説では自分の國の元祖を「沸流ふる」といふ者だと考へる系統と、それから「東明とうめい」といふ者だと考へる系統と二つある。
近畿地方に於ける神社 (旧字旧仮名) / 内藤湖南(著)
そして三階の階段にかかった足音を耳に入れると、女の手さきは小さい包みをったまま、すこしずつふるえはじめた。
三階の家 (新字新仮名) / 室生犀星(著)
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