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悸
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ふる
ふりがな文庫
“
悸
(
ふる
)” の例文
父親と衝突して斯んな処に逃れ、父親の怖ろしい顔に
悸
(
ふる
)
へながら、愚劣な日を送つてゐる青年の心の悲しみなどに、何処に同情などを寄せる人が有るべくもない。
環魚洞風景
(新字旧仮名)
/
牧野信一
(著)
初めて審問廷へ引き入れられて、初めて捜査官の前に立つたとき、もう身内は
顫
(
ふる
)
へた。魂は
悸
(
ふる
)
へた。何事か訳の解らぬことを問はれて、訳の解らぬことを答へた。
逆徒
(新字旧仮名)
/
平出修
(著)
自分が六つめの梯子まで来た時は、手が
怠
(
だる
)
くなって、足が
悸
(
ふる
)
え出して、妙な息が出て来た。下を見ると初さんの姿はとくの昔に消えている。見れば見るほど
真闇
(
まっくら
)
だ。
坑夫
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
三度目に呼ばれた時には欄干に
捕
(
つか
)
まっていながら
膝頭
(
ひざがしら
)
ががくがく
悸
(
ふる
)
え出したのです。その声は遠くの方か、川の底から出るようですが
紛
(
まぎ
)
れもない○○子の声なんでしょう。
吾輩は猫である
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
さあ御上がんなさいと
裸蝋燭
(
はだかろうそく
)
を僕の顔に差しつけた娘の顔を見て僕はぶるぶると
悸
(
ふる
)
えたがね。
吾輩は猫である
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
▼ もっと見る
夏になっても冬の心を忘れずに、ぶるぶる
悸
(
ふる
)
えていろったって出来ない相談である。
坑夫
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
死なない程度において病気と云う一種の
贅沢
(
ぜいたく
)
がしていたいのである。それだからそんなに病気をしていると殺すぞと
嚇
(
おど
)
かせば臆病なる主人の事だからびりびりと
悸
(
ふる
)
え上がるに相違ない。
吾輩は猫である
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
悸
漢検1級
部首:⼼
11画
“悸”を含む語句
動悸
悸々
悸然
悸乎
悸気
心悸
心悸亢進
三悸
動悸動悸
悸動
悸毛
悸病
慟悸
神悸
胸悸
驚悸