“顫”のいろいろな読み方と例文
読み方(ふりがな)割合
ふる89.9%
おのの4.7%
わなな2.5%
ふるへ0.6%
ふるは0.4%
ふるえ0.3%
わな0.3%
うご0.1%
おのゝ0.1%
0.1%
(他:6)1.0%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
“顫”を含む作品のジャンル比率
文学 > 日本文学 > 小説 物語15.8%
文学 > 日本文学 > 詩歌2.6%
文学 > 日本文学 > 小説 物語(児童)2.1%
(注)比率=対象の語句にふりがなが振られている作品数÷各ジャンルの合計の作品数
書き終りたる文字は怪しげに乱れて定かならず。年寄の手のふるえたるは、おいのためともかなしみのためとも知れず。
薤露行 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
彼女の結婚する二三日前に、岡田と佐野は、氷を裂くような汽車の中から身をふるわして新橋の停車場ステーションに下りた。
行人 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
なぜならば、ろうやかに化けた女狐めぎつねのように——草の根におののいていた女は、野で見るには、余りに美しい。
柳生月影抄 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
——怒りおののいていうのである。はっと又十郎は地へ手をついてしまった。生れて初めて見た父の形相に彼もふるえた。
柳生月影抄 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
主計頭が、調書をそれへさし出すと、老人は、わななく手に取り上げて、それを、最初の第一項から、血走ッた眼で読み始めた。
牢獄の花嫁 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
その指先も、そのあかい数珠も、かすかにわなないているので、武蔵はこの尼さんがなにをそんなに恐怖しているのかを怪しんだ。
宮本武蔵:05 風の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
昼からかけての心のふるへは漸く薄らいだが恐怖は却つてはつきりした知覚を以て彼をおどかした。
逆徒 (新字旧仮名) / 平出修(著)
おゝ、彼奴あいつくとふるへる。
アヌンチヤタは聲をふるはせてこれを制せんとしつれど、その聲は萬人のその名を呼べるに打ち消されぬ。
女は身をふるはせてののしるとともに、念入おもひいりてのろふが如き血相をせり。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
旅人の歌調は、ふるえが少いが、家持の歌調よりも太い。
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
イワン、デミトリチは頭巾ずきんかぶって、みょう眼付めつきをしたり、ふるえあがったり、神経的しんけいてき病院服びょういんふくまえわしたりしている。
六号室 (新字新仮名) / アントン・チェーホフ(著)
上葉うはばたゆげにわななきて。
白羊宮 (旧字旧仮名) / 薄田泣菫薄田淳介(著)
わななくいとにふれもせば、
泣菫詩抄 (旧字旧仮名) / 薄田泣菫(著)
難関あるべしとはしながら思いしよりもはげしき抵抗に出会いし母は、例の癇癖かんぺきのむらむらと胸先むなさきにこみあげて、額のあたり筋立ち、こめかみうごき、煙管持つ手のわなわなと震わるるを、ようよう押ししずめて、わずかにえみを装いつ。
小説 不如帰  (新字新仮名) / 徳冨蘆花(著)
夜もすがら物のに遇ひたる如くにおのゝきぬ。
霧の不二、月の不二 (新字旧仮名) / 小島烏水(著)
放し飼いにした伊那駒が、秋天高く馬肥える、今日この頃の野のように、長いたてがみるわせて、さも勇ましく駆けている。秋にふさわしい光景ながめである。
蔦葛木曽棧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
冷たいあざけりを含んだ声がふるいを帯びて聞えて来た。
一握の髪の毛 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
あなや、またぎやくはてふるひして
邪宗門 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
夜の箱根の緑のやみを、明るい頭光ヘッドライトを照しながら、電車は静かな山腹の空気をふるわして、轟々ごうごうと走りつゞけたかと思うと直ぐ終点の強羅に着いていた。
真珠夫人 (新字新仮名) / 菊池寛(著)
歯の根も合わぬくらいガタガタぶるいであった。私は照準をまた心持下げてくれた。
陰獣トリステサ (新字新仮名) / 橘外男(著)
彼等がのんどに氷を与へて苦寒に怖れわなゝかしめよ、彼等が胆に針を与へて秘密の痛みに堪ざらしめよ、彼等が眼前めさきに彼等が生したる多数おほくの奢侈の子孫を殺して、玩物の念を嗟歎の灰の河に埋めよ
五重塔 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
風は絶えず吹き込むで、硝子戸はまる痙攣けいれんでも起したやうに、ガタ/\、ガタ/\鳴る……學士の手先はをのゝき出した。
解剖室 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)
更にまた一夜に百金を散じた昔の榮華を思出してうゑやまひとにをのゝきながら斃れた放蕩息子のらむすこはてもあツたらうし、奉ずる主義の爲に社會からはれて白い眼に世上を睨むでのたうち𢌞りながら憤死した志士もあツたであらう。
解剖室 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)