“褞袍”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
どてら95.3%
おんぼう1.2%
おんぽう1.2%
どんつく1.2%
ハラート1.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
ひやの牛乳を一合飮み、褞袍どてらの上にマントを羽織り、間借して居る森川町新坂上の煎餅屋せんべいやの屋根裏を出て、大學正門前から電車に乘つた。
業苦 (旧字旧仮名) / 嘉村礒多(著)
それに引変えやぶれ褞袍おんぼう着て藁草履わらぞうりはき腰に利鎌とがまさしたるを農夫は拝み、阿波縮あわちぢみ浴衣ゆかた綿八反めんはったんの帯、洋銀のかんざしぐらいの御姿を見しは小商人こあきんどにて、風寒き北海道にては、にしんうろこ怪しく光るどんざ布子ぬのこ
風流仏 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
はじめ出奔しゅっぽんせしと思ひしに、其者そのものの諸器褞袍おんぽうも残りあれば、それとも言はれずと沙汰さたせしが、一月ひとつきばかりありて立帰れり。津軽つがるを残らず一見して、くわしきこと言ふばかり無し。
山の人生 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
「あんなものを巻着けておいた日にゃあ、骨まで冷抜ひえぬいてしまうからよ、わし褞袍どんつく枕許まくらもとに置いてある、誰も居ねえから起きるならそこで引被ひっかけねえ。」
葛飾砂子 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
この人は、よく田舎寺の役僧などが著てゐるやうな縞柄の褞袍ハラートなどは決して身につけてをらん。