“利鎌”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
とがま85.7%
とかま10.7%
りれん3.6%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
梅軒は、徐々に、その鎖を手元に手繰たぐめた。——それは手元にある鋭い利鎌とがまを、次にほうってくる用意であることはいうまでもない。
宮本武蔵:07 二天の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
鋭い利鎌とかまで草でもぐやうにたふされ、皮を剥がれ、傷つけられ、それから胴切にされてしまふ、今までは私の宅の周囲も、森林で厚肉の蒼黯あをぐろ染色硝子ステインドグラスを立てゝゐたが、一角だけを残して
亡びゆく森 (新字旧仮名) / 小島烏水(著)
春の夜とはいいながら、夜気が冷たく襟頸へみ込んで、利鎌りれんのような凄い下弦の月が植込みのはずれにかかっている。自動車を車庫へ入れて妻の運転手は、今出て来るところであった。
陰獣トリステサ (新字新仮名) / 橘外男(著)