利鎌とかま)” の例文
鋭い利鎌とかまで草でもぐやうにたふされ、皮を剥がれ、傷つけられ、それから胴切にされてしまふ、今までは私の宅の周囲も、森林で厚肉の蒼黯あをぐろ染色硝子ステインドグラスを立てゝゐたが、一角だけを残して
亡びゆく森 (新字旧仮名) / 小島烏水(著)
やうやう昇れる利鎌とかまの月は乱雲らんうんりて、はるけこずゑいただきしばらく掛れり。一抹いちまつやみを透きて士官学校の森と、その中なる兵営と、その隣なる町の片割かたわれとは、ものうく寝覚めたるやうに覚束おぼつかなき形をあらはしぬ。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
利鎌とかま二三に さ渡るくび二四