“逈”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
はるか47.4%
はる42.1%
さき5.3%
はるけ5.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
その巻蔓のうちの一つは松の隣りのその松よりも一際高い桜の木へ這ひ渡つて、仲間のどれよりもはるかに高く、空に向つて延びて居た。
姉妹を初め、三四人の乘客が皆もうプラットフォームに出てゐて、はるか南の方の森の上に煙の見えるのを、今か今かと待つてゐる。
鳥影 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
よし、当時は大内氏の全盛時代で、Y町の文化がさきに京都を凌ぐものがあつたにしろ、他の通俗的な工芸美術の跋扈ばつこに圧倒されて、雪舟の墨絵ぐらゐ、それほど重きに置かるわけはない。
故郷に帰りゆくこころ (新字旧仮名) / 嘉村礒多(著)
やうやう昇れる利鎌とかまの月は乱雲らんうんりて、はるけこずゑいただきしばらく掛れり。一抹いちまつやみを透きて士官学校の森と、その中なる兵営と、その隣なる町の片割かたわれとは、ものうく寝覚めたるやうに覚束おぼつかなき形をあらはしぬ。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)