“はる”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:ハル
語句割合
36.0%
30.0%
18.7%
初春3.5%
3.1%
1.4%
1.1%
新年0.8%
新春0.6%
正月0.6%
0.6%
0.4%
0.3%
0.3%
0.3%
青春0.3%
0.1%
0.1%
0.1%
城内遥0.1%
早春0.1%
春季0.1%
春陽0.1%
0.1%
来春0.1%
0.1%
0.1%
0.1%
0.1%
0.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
の一のかはをがれたために可惜をしや、おはるむすめ繼母まゝはゝのために手酷てひど折檻せつかんけて、身投みなげをしたが、それのちこと
二た面 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
お鶴が石壇にかかりますと、もうはるか奥に、鏡が一面、きらきらとあおい月のように光ります前に、白丁はくちょうを着た姿が見えたといいます。
わか紫 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
雲林筆うんりんひつとなへる物は、文華殿ぶんくわでんにも三四ふくあつた。しかしその画帖の中の、雄剄ゆうけいな松の図に比べれば、はるかに画品の低いものである。
支那の画 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
どッ! と、浪のような笑声が、諸士の口から一つに沸いて、初春はるらしく、豊かな波紋はもんを描いた。が、笑い声は長閑のどかでも、どうせ嘲笑ちょうしょうである。愚弄ぐろうである。
魔像:新版大岡政談 (新字新仮名) / 林不忘(著)
音といふものは、それが遠くなりはるかになると共に、カスタネツトの音も車の轣轆れきろくも、人の話聲も、なにもかもが音色を同じくしてゆく。
闇への書 (旧字旧仮名) / 梶井基次郎(著)
アーズアンいわく、モセスの書に拠ればフリギヤ人等よりはるか前エジプト人が戦車を用いたが、馬幾疋附けたか知れずと。
線路の両側に鬱蒼うっそうと続いていた森が、突然ぱったりと途絶とだえると定規で引いたような直線レールがはるか多摩川の方に白々しらじらと濡れて続いています。
(新字新仮名) / 蘭郁二郎(著)
年が返って新年はるになった。天保十一年一月十日、その晴れた日の早朝あさまだきに、一式小一郎は屋敷を出た。
神秘昆虫館 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
その秀吉を、中国へ見送ってから、安土で年を迎えた信長には、新春はると共に、年暮くれの混雑へさらに輪をかけたような多忙がめぐって来た。いや、多忙を作っていたというほうが適切である。
新書太閤記:06 第六分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
門松はサラサラ、追羽根はカッチンカッチン、いかにも正月はるらしい長閑な夕暮。粋な座敷着もちらほら通る。
魔都 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
この無限に遠く、無限にはるかに、無限に静かな空を会釈えしゃくもなく裂いて、化銀杏が黄金こがねの雲をらしている。
趣味の遺伝 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
三藏が見上げた時の尼の顏は先きに戸を開けてくれた時よりははるかに美しかつた。それに先きに三藏が見にくゝ哀れに思うた背の低いのも頭のいびつなのも此時は目に立たぬ。
俳諧師 (旧字旧仮名) / 高浜虚子(著)
はるかなり我が高千穗
新頌 (旧字旧仮名) / 北原白秋(著)
□平塚はる氏は四ツ谷南伊賀町四一にお越しになりました。
鶯や雨がはるれば日がくるゝ 釣壺
古句を観る (新字新仮名) / 柴田宵曲(著)
却説かくて八右衞門は彦三郎へ申含置ふくめおきたる通り名主の玄關にて強情がうじやうはる故是非無召連訴へと相成則ち口上書こうじやうがきを差出せり
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
わきまへずして大膽だいたんの者ども不屆千萬ふとゞきせんばん言語同斷ごんごどうだんの致し方なり然しながら御門の事なれば其方ともにも嚴敷きびしく取計も成難なりがたかくせよとて大岡殿白紙はくしへ一首の狂歌きやうかをなされ是を御門へはるべしとなり
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
あわれというよりは、篠原はるさんの語をかりれば、れったい極みである。だが、過去遠い歴史となったが、彼が忍んだために、少なくも、兄弟弓を引きあう血みどろな乱は、見ないですんだのだ。
随筆 新平家 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
人間国宝の篠原はるさんの弁である。
随筆 新平家 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
出様来でやうきやものや、伊祖いぞ大主おほぬし御万人おまんちようち頭取かしらどりちゆる者どやゆる、お万人のまぢりだに聞留ききとめれ、ムルチてる池に大蛇おほぢやとて、かぜらぬ、あめらぬ、屋蔵やぐらふきくづち、はる物作もづくり
ユタの歴史的研究 (新字新仮名) / 伊波普猷(著)
その時何侯か登城した大名があったとみえて、城内遥はるかの彼方からドドンと高く登城しらせのお城太鼓が鳴り伝わった。
老中の眼鏡 (新字新仮名) / 佐々木味津三(著)
早春はるの夜更けのこの路上、いつ迄もいつ迄も悲しみ、嘆き、泣きじゃくり合ってはいるのだった。
小説 円朝 (新字新仮名) / 正岡容(著)
ひげへても友達ともだち同士どうしあひだ無邪氣むじやきなもので、いろ/\のはなしあひだには、むかしとも山野さんや獵暮かりくらして、あやまつ農家ひやくしやうや家鴨あひる射殺ゐころして、から出逢であつたはなしや、春季はる大運動會だいうんどうくわい
隣室で時計が十一時を報じ、なま暖かい春陽はるの光が洪水のように室に充ち窓下の往来を楽隊が、笛や喇叭ラッパを吹きながら通って行くのも陽気であった。
沙漠の古都 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
そうして被作虐的マゾフィスムズな訓練をされると、遊女達の精気が喚起されるばかりではなく、その効果が、東室とうしつあめおこらば南室なんしつははるるの○○○○○○○○○、○○○○○されるか
絶景万国博覧会 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
来春はるには、婚儀のおゆるしが出るように、何とか、その前に、お目通りの機会をつくる——と、但馬どのの、仰せじゃった。多分、あてにして、まちがいあるまい。
大岡越前 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
森羅万象日日ひびあらたにして、いつしか春過ぎ夏来ると雖も、流離の涙しかすがに乾く暇なく、飛ぶ鳥の心いや更にはるる空なし。
雀の卵 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
爆撃音今ははるけくありぬらし聾兵は碁に余念無しとぞ
黒檜 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
吉野の女がはるかに上天に通り、而して来りて且つ去ること等の像]を作ったことのみであった。
日本精神史研究 (新字新仮名) / 和辻哲郎(著)
立ち続く峰々はいちある里の空を隠して、争い落つる滝の千筋ちすじはさながら銀糸を振り乱しぬ。北は見渡す限り目もはるに、鹿垣ししがききびしく鳴子なるこは遠く連なりて、山田の秋も忙がしげなり。
書記官 (新字新仮名) / 川上眉山(著)
き、苦桃太郎にがもゝたらうはる
鬼桃太郎 (旧字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)