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迥
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はる
ふりがな文庫
“
迥
(
はる
)” の例文
津の人と、和泉の人は
迥
(
はる
)
かに基経のいる
処
(
ところ
)
から遠ざかって行き、やっと橘の姿も見えるほどだった。
殆
(
ほとんど
)
、顔を打合わせるように
馳
(
はし
)
りに馳った。
姫たちばな
(新字新仮名)
/
室生犀星
(著)
アーズアンいわく、モセスの書に拠ればフリギヤ人等より
迥
(
はる
)
か前エジプト人が戦車を用いたが、馬幾疋附けたか知れずと。
十二支考:05 馬に関する民俗と伝説
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
すでに、江戸のことは
迥
(
はる
)
かに遠かった。村田や青山や、その他の多くの知人は、(柳沢系に代った)新しい勢力のなかで、それぞれの席を占めているであろう。
山彦乙女
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
それでも冬になって、
煖炉
(
だんろ
)
を
焚
(
た
)
いて、戸を締め切っている時よりは、夏のこの頃が
迥
(
はる
)
かにましである。
あそび
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
それぞれ
防禦
(
ぼうぎょ
)
の策を講じ、以て安全の道を図らんと欲し、下山後苦心経営すること一日に非ずといえども、在来の観測所に比すれば、規摸
迥
(
はる
)
かに宏大を要するが故に
寒中滞岳記:(十月一日より十二月廿一日に至る八十二日間)
(新字新仮名)
/
野中至
(著)
▼ もっと見る
津の国を吹く風の音いろが
薄
(
すすき
)
の穂がしらをしずかにゆすっては、
迥
(
はる
)
かにすぎてゆくような遠い思いであった。とらえがたいものが物の
精神
(
こころ
)
になって見えて来た。
荻吹く歌
(新字新仮名)
/
室生犀星
(著)
そのごとく
声聞
(
しょうもん
)
や
縁覚
(
えんがく
)
よりは菩薩
迥
(
はる
)
かに功徳殊勝なりとし、観音救世の績殊に著しいから、前述五百商人を救うた天馬などをその化身とし、追々馬は皆観音の眷属としたのじゃ。
十二支考:05 馬に関する民俗と伝説
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
それは一羽のかいつむりが水のなかに
潜
(
もぐ
)
り入った姿だった。
殆
(
ほとんど
)
、
礫
(
つぶて
)
を打ったほどにしか見えないかいつむりは、はっきりと何鳥だかの区別さえできかねるほど
迥
(
はる
)
かなものだった。
姫たちばな
(新字新仮名)
/
室生犀星
(著)
無妻で通した聖人も人間並みに暮した靴屋も功徳に
異
(
かわ
)
りがないと知って、なるほど穴に居るより、これは一番穴——が
迥
(
はる
)
かましとの断定、その頃来英中の現在文部大臣鎌田栄吉君に
十二支考:10 猪に関する民俗と伝説
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
すてが再び
塞
(
とりで
)
の前に立って、例の手を
拱
(
こまぬ
)
いて見やった時に、
迥
(
はる
)
かな山平に袴野ノ麿と貝ノ馬介とが、みやこの先刻の女を間に置いて、なにか問答の渡り合いでもしているふうであった。
舌を噛み切った女:またはすて姫
(新字新仮名)
/
室生犀星
(著)
さて十分殺獲術を究めた上ならでは子と離れぬ、若い虎は老虎より
迥
(
はる
)
かに物多く殺し一度に三、四牛を殺す事あり、老虎は一度に一つより多く殺す事
稀
(
まれ
)
で、それも三、四また七日に一度だ
十二支考:01 虎に関する史話と伝説民俗
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
その例
迥
(
はる
)
かに男より多くその話もまたすこぶる多趣だ。
十二支考:04 蛇に関する民俗と伝説
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
迥
漢検1級
部首:⾡
9画
“迥”を含む語句
見迥
清迥閑曠