“焚”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
83.8%
10.3%
たき1.2%
1.0%
0.7%
たい0.6%
かし0.4%
いぶ0.1%
0.1%
くべ0.1%
たか0.1%
たく0.1%
0.1%
ふん0.1%
もえ0.1%
もや0.1%
もゆ0.1%
やか0.1%
やけ0.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
どれだけの薪や炭をおきになったかしら、そしてこれからもどれほどの水を流し、どれほどの薪や炭をお焚きになることでしょう
日本婦道記:風鈴 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
李公は大いに怒って、すぐにかの女をくくりあげ、薪を積んで生きながらいてしまった。その以来、都に驚風を病む小児が絶えた。
木のえだをあつめ火をたきてあたりをりしに、其所よりすこしはなれてべつに火燄々えん/\もえあがりければ、児曹こどもら大におそれ皆々四方に逃散にげちりけり。
ふと、そのうちに人々は、彼女のべている細い枯木が、ただの松薪まつまきや雑木のようでなく、まことによく燃える木であることに気づいた。
宮本武蔵:05 風の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
白糸の胸中は沸くがごとく、ゆるがごとく、万感のむねくに任せて、無念かたなき松の下蔭したかげに立ち尽くして、夜のくるをも知らざりき。
義血侠血 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
りたてのかべ狹苦せまくるしい小屋こや内側うちがはしめつぽくかつくらくした。かべつち段々だん/\かわくのが待遠まちどほ卯平うへい毎日まいにちゆかうへむしろすわつてたいた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
戦前には多くの日本留学生が此地に居り、日本飯をかしぎ、牛肉の鋤焼すきやきをし、窓前に紅い若葉の楓盆栽をおいて、端唄はうた浄瑠璃を歌つたその名残ではあるまいか。
イーサル川 (新字旧仮名) / 斎藤茂吉(著)
婦人をんな炉縁ろぶち行燈あんどう引附ひきつけ、俯向うつむいてなべしたいぶしてたが振仰ふりあふぎ、てつ火箸ひばしつたひざいて
高野聖 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
と、き口の方でお久らしい声が云った。
蓼喰う虫 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
これは松のすしの源次郎で、蝶吉から頂いた、土付かずといってい大事の駒下駄を、芋を焼くへッついくべられた上に、けんつくをくらって面目を失ったが、本人に聞くより一段情無い愛想尽あいそづかしを
湯島詣 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
ちょっとした鍋俎板まないた庖丁膳椀皿なども用意しているので、少しも人の世話にならずに食事をするのであるが、飯だけは、船に附いている竈で、家来にたかせる。
鳴雪自叙伝 (新字新仮名) / 内藤鳴雪(著)
郊外何たくやらん煙して 鉄僧てっそう
俳諧大要 (新字旧仮名) / 正岡子規(著)
い娘がいるだアー、寄って行かっせえ 〽こぼれ松葉を手で掻き集め、コラコラ、主さ来るかとえて待つーウ……歌もうたうだア寄って行かっせえ」
血煙天明陣 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
ただ稀代なのは、いつの間にやら雨で洗ったように、焼跡やけあとらしい灰もなし、もえさしの材木一本よこたわっておらぬばかりか、大風で飛ばしたか、土礎石どだいいし一つ無い。
星女郎 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
冷遇ふッて冷遇て冷遇ふり抜いている客がすぐ前のうちあがッても、他の花魁に見立て替えをされても、冷遇ふッていれば結局けッく喜ぶべきであるのに、外聞の意地ばかりでなく、真心しんしん修羅しゅらもやすのは遊女の常情つねである。
今戸心中 (新字新仮名) / 広津柳浪(著)
彼はおのれが与へし男の不幸よりも、そはれぬ女のかなしみよりも、づその娘が意気のさかんなるに感じて、あはれ、世にはかかる切なる恋のもゆる如き誠もあるよ、とかしらねつし胸はとどろくなり。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
石にてうたれ、鋸にてひかれ、火にてやかれ、刃にて殺され、棉羊と山羊の皮を衣て経あるき、窮乏ともしくして難苦なやみくるしめり、世は彼等を置くに堪えず
博多画瓢坊ぐわへうばうの説に、明応七年兵燹へいせんにかかりて枯しを社僧祠官等歌よみて奉りたれば再び栄生せりといへり。其後天正の兵燹にもやけしこと幽斎紀行に見ゆ。左に一株の松あり。みな柵を以て囲む。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)