“たき”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:タキ
語句割合
34.8%
20.1%
16.5%
瀑布6.7%
4.9%
4.3%
多紀3.7%
多岐3.0%
1.8%
0.6%
多気0.6%
懸瀑0.6%
滝布0.6%
0.6%
0.6%
飛瀑0.6%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
私たちはその溜り水からせきをこしらえてたきにしたり発電処はつでんしょのまねをこしらえたり、ここはオーバアフロウだの何のながいことあそびました。
イギリス海岸 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
もうずんずんたきをのぼって行く。cascade だ。こんな広い平らな明るい瀑はありがたい。上へ行ったらもっと平らで明るいだらう。
台川 (新字旧仮名) / 宮沢賢治(著)
殺したとは辛抱しんばう甲斐がひのなき事ぞ假令たとへほね舍利しやりになればとて知らぬ事は何處迄どこまでも知らぬとは何故云はれぬぞと云を九助は聞終たきの如く涙を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
われはわづかにこの事を聞きたる時、騷ぎ立ちたる人々に推し倒されぬ。目の前は黒くなりて、頭の上には瀑布たきの水漲り落つる如くなりき。
……たきつけを入れて、炭をいで、土瓶どびんを掛けて、茶盆を並べて、それから、扇子おおぎではたはたと焜炉の火口ひぐちあおぎはじめた。
二、三羽――十二、三羽 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
たすたき一心に理も非もなく只々一生懸命に申立けるにぞ越州殿ゑつしうどのには何樣なにさま愍然びんぜんとは思はるれども故意わざと聲をはげまされて成程親の爲に一命を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
窯はその国の古い都篠山ささやまから、そう離れたところではありません。立杭たちくいと呼ぶ村で、今は兵庫県内の多紀たき今田こんだ村に属します。
手仕事の日本 (新字新仮名) / 柳宗悦(著)
ここでは、茶の「寸法」も「清寂せいじゃく」もいて、客亭主、わけ隔てないくつろぎだけに、話も自然多岐たきにわたった。
新書太閤記:07 第七分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
翁のゆきし後、火はくれないの光を放ちて、寂寞じゃくばくたる夜の闇のうちにおぼつかなく燃えたり。夜更け、潮みち、童らがたきし火も旅の翁が足跡も永久とこしえの波に消されぬ。
たき火 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
イヤ許す、其様そんな事はすこしかまはぬ、トントンうぢやナ。井上「ア、うもいたうござります、さう無闇むやみにおたききなすつちやアたまりませぬ。殿「まアだまつてれ、アヽこれ余程よほどねつがある。 ...
華族のお医者 (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)
(伊勢名勝誌。三重県多気たき佐奈さな村仁田)
日本の伝説 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
輕井澤の如く氣流の懸瀑たきを爲して居る地や、駿相海岸の如く北方に高山の屏障を有して南方大洋に臨んで居る爲に氣温の平和を得て居る地も、地氣清爽とか平和とか云ひ得るで有らう。
努力論 (旧字旧仮名) / 幸田露伴(著)
みち漸次しだいに明るくなった。暗い湿っぽい岩穴は全く尽きて、人々は大いなる谷川のほとりに出た。岩を噛む乱流は大小の滝布たきして、滔々とうとうみなぎり落ちている。川に沿うて熊笹のやぶが生い茂っていた。
飛騨の怪談 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
かれ火たき小子わらは二人、かまどに居たる、その小子どもに儛はしむ。ここにその一人の小子、「汝兄なせまづ儛ひたまへ」といへば、その兄も、「汝弟なおとまづ儛ひたまへ」といひき。
田辺が家は御明みあかし灯心とうしんたぐひを商ひぬれば、二一八所せく人の入りたちける中に、都の人の忍びのまうでと見えて、いと二一九よろしき女一人、丫鬟わらは一人、二二〇たき物もとむとてここに立ちよる。
娘は飛瀑たきに打たれた女行者のように、流しの板に崩折れて声も立てずにのた打ち廻ります。