“故意”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
わざ77.2%
こい13.8%
わざと4.2%
ことさら3.0%
せい1.2%
わざ/\0.6%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
日本風の油でかためて櫛の目を劃然と入れた分け方を嫌つて、自分は油無しのばさばさの髮を、故意わざと女持の大きな櫛で分けてゐる。
とかく我々が思わぬことを聞いたり見たりすると、一時案外あんがいの驚きに打たれて、その人が故意こいに我をあざむけりと判断することがある。
自警録 (新字新仮名) / 新渡戸稲造(著)
いえ、ただ通懸とおりかかった者でがんすがその方がえらくお塩梅あんばいの悪い様子、お案じ申して、へい、故意わざと。という声耳に入りたりけん。
活人形 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
と、う考えたので、彼は故意ことさらに小さくなって、さながら死せるようにしずまっていた。対手あいて温順おとなしいので、忠一も少しく油断した。
飛騨の怪談 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
それも通常一般な窯焚かまたきが窯主かまぬしあだするようなつたない手法でなく、後に誰が見ても、その製作が久米一の手落ちなためで、火入れの故意せいではないように見せるべく苦心をした。
増長天王 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
能々よく/\見るに殊のほか大掛おほがかりなりしかば心中大に悦び段右衞門に向かひて我等此節は不仕合ふしあはせにて諸事に運惡うんわる資本もとでまでまけうしなひたり因て此藤澤宿迄故意わざ/\無心むしんに來しなり又我等が仕合しあはせよく返濟へんさいすべきあひだ暫時しばらくうち金子五十兩貸給かしたまはれと申ければ段右衞門も大事を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)