“わざ”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:ワザ
語句割合
46.3%
16.1%
故意13.9%
10.2%
6.0%
1.1%
0.9%
技術0.4%
技芸0.4%
0.3%
剣技0.3%
技倆0.3%
所為0.2%
所爲0.2%
0.2%
行為0.2%
為作0.1%
0.1%
行爲0.1%
事跡0.1%
作為0.1%
優技0.1%
0.1%
0.1%
所故0.1%
所業0.1%
技工0.1%
技巧0.1%
技業0.1%
技量0.1%
故譯0.1%
武技0.1%
演奏0.1%
演技0.1%
災難0.1%
0.1%
0.1%
0.1%
0.1%
0.1%
藝術0.1%
道術0.1%
0.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
瀬田せた長橋ながはし渡る人稀に、蘆荻ろてきいたずらに風にそよぐを見る。江心白帆の一つ二つ。浅きみぎわ簾様すだれようのもの立て廻せるはすなどりのわざなるべし。
東上記 (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
伯父に隠れて何かとこつそり面倒を見てやつてゐるのだが、伯父はそれを知つて居ながらわざと知らぬ顔で居るのだといふこと等々……
乳の匂ひ (新字旧仮名) / 加能作次郎(著)
「フム、フム」と故意わざ寝惚声ねぼけごえの生返辞をしながら大急ぎで起き上って蒲団を畳み、着物を着換え、澄まし込んで机に向って居ると
The Affair of Two Watches (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
特に私のくふうした切尖きっさきはずしのわざは効果がある、あの呼吸をものにすれば、派手ではないが勝ち味は充分だ、そう思わないか、上村
花も刀も (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
その弊所をごく分りやすく一口に御話すれば生きたものをわざと四角四面のかんの中へ入れてことさらに融通がかないようにするからである。
現代日本の開化 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
天晴あつぱ一芸いちげいのあるかひに、わざもつつまあがなへ! 魔神まじんなぐさたのしますものゝ、美女びじよへてしかるべきなら立処たちどころかへさする。——
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
また、吉野の白檮かし横臼よくすを作りて、その横臼に大御酒おほみきみて、その大御酒を獻る時に、口鼓くちつづみを撃ちわざをなして、歌ひて曰ひしく
書く技術わざとほとんど同じくらいにむずかしいことと考えられていた——などをこの船乗りのどちらか一人でも持っていたというのではない。
羽左衛門が年少で、技芸わざも未熟であり、給料も薄く、そして家には先代以来の借財が多かった時分に、身の皮までいて尽したのが洗い髪のおつまである。
一世お鯉 (新字新仮名) / 長谷川時雨(著)
(十四) 子曰く、君子は食かんことを求むるなく、きょ安からんことを求むるなく、わざくしてことを慎み、有道にいて正す。学を好むというべきなり。
孔子 (新字新仮名) / 和辻哲郎(著)
剣技わざにかけちゃア、新選組一だといわれている沖田さんだけれど、あの病気で衰弱している体で、嘉十郎に斬りかけられてはかなう筈はない。……総司さんを
甲州鎮撫隊 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
これ一同よく承まわれ一人いちにんならず三四人を一時いちじに殺すというは剣法の極意ごくいを心得て居らんければ出来ぬことじゃぞ、技倆わざばかりではなく、工夫もせねばならぬ、まして夏の開放あけはな
後の業平文治 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
そは事を好む子供の所為わざなり。
晶子詩篇全集拾遺 (新字旧仮名) / 与謝野晶子(著)
彼曰ふ、行ふの外我に答なし、正しき願ひには所爲わざたゞもだして從ふべきなり 七六—七八
神曲:01 地獄 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
わざの術が大きければ大きいほど、世にも響こう世間にもあふれ出よう。
増長天王 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
われなんじが冷かにもあらず熱くもあらざることを爾の行為わざに由りて知れり我なんじが冷かなるか或は熱からんことを願う
湖水と彼等 (新字新仮名) / 豊島与志雄(著)
下品げひんの縮の事は姑舎しばらくおいろんぜず。中品ちゆうひん以上に用ふるをうむにはうむところをさだめおき、たいを正しくなし呼吸こきふにつれてはたらかせて為作わざをなす。
定座ぢやうざらず、かりて其為作わざをなせば、おのづから心しづまらずして糸に太細ふとほそいできて用にたちがたし。
二十一日目の今夜までに、写し終えるという念願のもとに、企てた写経のわざだのに、半分もとげられてはいないのであった。
あさひの鎧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
二十一日前に桂子は、写経のわざを営むべく、この古館へ来たのであった。
あさひの鎧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
陣に入り來る間もあらず、言の如くに行爲わざは成り
イーリアス:03 イーリアス (旧字旧仮名) / ホーマー(著)
なすまじき行爲わざ今君は再び我に命ずるや?
イーリアス:03 イーリアス (旧字旧仮名) / ホーマー(著)
五 望まざるものに戈をとらしむることなく、平和のための事跡わざおろしむることなく
だいこん (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
イエス答へけるは、此人の罪に非ず、亦其二親の罪にもあらず、彼に由て神の作為わざの顕はれん為也。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
其方も見つらん、さんぬる春の花見の宴に、一門の面目とたゝへられて、舞妓まひこ白拍子しらびやうしにも比すべからんおの優技わざをば、さも誇り顏に見えしは、親の身の中々にはづかしかりし。
滝口入道 (旧字旧仮名) / 高山樗牛(著)
それはまことに正しい。万物の造り主である活ける神は、人のわざかんがえとをもって石から造られる神とは違う。それは手で造った殿堂に住まない。また人の手で犠牲をささげられることを要せない。
『偶像再興』序言 (新字新仮名) / 和辻哲郎(著)
代々に伝えた紙細工に、わざを凝らして、千道百綱をにじのように。
貝の穴に河童の居る事 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
お房は、所故わざとケロリとした顏をして、酸漿ほゝづきらしてゐた。
平民の娘 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)
「お澄さん……私は見事に強請ねだったね。——強請ったより強請ゆすりだよ。いや、この時刻だから強盗の所業わざです。しかし難有ありがたい。」
鷭狩 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
そは多くの焔墓の間に散在して全くこれを燒けばなり、げにいかなる技工わざといへどもこれより赤くはくろがねを燒くをもとめぬなるべし 一一八—一二〇
神曲:01 地獄 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
「お若いに似合わず技巧わざばかりでなく、学にも通じて居られますご様子、姓名をお聞かせ下されよ」
弓道中祖伝 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
そのまた祇園の歌妓かぎ舞妓まいこは、祇園という名の見識をもたせて、諸事鷹揚おうように、歌舞の技業わざと女のたしなみとを、幼少から仕込むのだった。
モルガンお雪 (新字新仮名) / 長谷川時雨(著)
……拙者に屈折されましたも、技量わざの相違と申そうより、運不運と解した方がよかろう。……決してお恥じなされぬがよい。
血煙天明陣 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
尋ねけるに二三年以前相果あひはて娘お節は親類しんるゐへ引取れし由ゆゑ偖々さて/\變り果たる浮世かなとつぶやきながら鞠子まりこ宿しゆくこえ宇都谷たうげかゝりしにつた細道ほそみち時雨しぐれ來て心ほそくもうつゝにも夢にも人に逢ぬ辿たどり/\て岡部よりはや藤枝ふぢえだに來りし頃あとになり先になりあやなる者二三人付そひ來れば故譯わざ相良街道さがらかいだうへは這入はひらず既に瀬戸川迄來りし時日は
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
そこはすたれても九十郎だ、武技わざにかけちゃア凄いものさ、二、三人取って投げつけて、お浜を助けたのが縁となりだ……
血煙天明陣 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
が、これから後六日の間毎晩一度ずつ殿様の御前ごぜん演奏わざをお聞きに入れるようとの御意に御座います——その上で殿様にはたぶん御帰りの旅に上られる事と存じます。
耳無芳一の話 (新字新仮名) / 小泉八雲(著)
この席で一くさり演技わざをすませば
ルバイヤート (新字新仮名) / オマル・ハイヤーム(著)
コイツ、降りるといったって他の船へ乗れあ、又、災難わざをしやがるんだからここで片付けた方が早道だ。
難船小僧 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
明道めいどうの言をののしって、あに道学の君子のわざならんやとい、明道の執見しっけん僻説へきせつ委巷いこうの曲士のごとし、誠にわらう可き也、と云い、明道何ぞすなわち自らくるしむことかくの如くなるや、と云い、伊川いせんげんを評しては
運命 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
やつこ安萬侶やすまろまをさく、それ混元既に凝りしかども、氣象いまだあつからざりしとき、名も無くわざも無く、誰かその形を知らむ
其は勿論其の嬰児がわざと然様した訳でも何でも有りません。
運命は切り開くもの (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
並の女とわざらないやうな表情で嬉し相に其等の TOUTES CHOSES を見比べて居る女の顔をじつと見た。
素描 (新字旧仮名) / 与謝野寛(著)
身輕みがる曲馬きよくば品々しな/″\わざ
孔雀船 (旧字旧仮名) / 伊良子清白(著)
仕樣のないものだね、藝術わざといふものは——と呟いた。
裸女の画 (旧字旧仮名) / 長谷川時雨(著)
この男、義理がたいだけでなく、一日によく八百里を歩くという稀代きたい道術わざを持っていて、人からも愛される風をおびています。もし折があったら、いちど会ってごらんなさいまし
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「この南の村に、こうという富室かねもちがあるのだ、三娘は其所の女だ、きりょうが良いので評判だったが、二三年前間違えて水莽草を食って死んだのだ、きっとこれがわざをしているのだ」
水莽草 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)