“所業”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
しわざ77.5%
しょぎょう10.0%
しよげふ5.0%
おこない1.3%
しごと1.3%
しはざ1.3%
しょざい1.3%
なすわざ1.3%
わざ1.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
奪った財宝の八割までを、自分と勘兵衛とが取り、後の二割を、配下の浪人どもへ分配してやった悪辣あくらつ所業しわざなども思い出された。
血曼陀羅紙帳武士 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
ことにそれが、ある超特恐怖の状態において終っていることは、すべて一致していた。いうまでもなく一特定人——リッパア・ゼ・ジャック——の所業しょぎょうである。
女肉を料理する男 (新字新仮名) / 牧逸馬(著)
おゝ! 君達きみたちにもほゞ想像さうざう出来できるか、おうらさらはれた、天狗てんぐつかんだ、……おそらくうだらう。……が、わたしこれ地祇神とちのかみ所業しよげふおもふ。
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
一方、勘右衛門は旅僧の素性や、所業おこないに不審を抱くようになった。と云うのは、僧でありながらろくにお経を知らないのみか、身分不相応な金を持っていることであった。
風呂供養の話 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
私の母親弓子が発狂した時に口走った事実を綜合すると、そうした伯父の非道な所業しごとは全部事実と思われるばかりでない。
冥土行進曲 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
女を不幸のどん底に落すのも、男の所業しはざだとはわかつてをります。それにしましても、一度は、廻り合ふ幸福の瞬間を、二十九にもなつた女が、てんで味はつてもみないといふ法がございませうか?
緑の星 (新字旧仮名) / 岸田国士(著)
活動写真の評判や朋輩ほうばい同士のうわさにも毎日の事でもうきている。睡気ねむけがさしてもさすがここでは居睡いねむりをするわけにも行かないらしく、いずれも所業しょざいなげにただ時間のたつのを待っているという様子。
つゆのあとさき (新字新仮名) / 永井荷風(著)
やがて接吻キツスおとがした。天幕テントにほんのりとあかみがした。が、やがてくらつて、もやにしづむやうにえた。所業なすわざではない、人間にんげん擧動ふるまひである。
露宿 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
「お澄さん……私は見事に強請ねだったね。——強請ったより強請ゆすりだよ。いや、この時刻だから強盗の所業わざです。しかし難有ありがたい。」
鷭狩 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)