“所”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ところ49.9%
とこ16.4%
どころ13.6%
しよ7.2%
しょ4.7%
じょ1.9%
とけ1.4%
どこ1.4%
0.8%
じよ0.6%
もと0.6%
した0.3%
0.3%
0.3%
ショ0.3%
トコロ0.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
るとぞつとする。こけのある鉛色なまりいろ生物いきもののやうに、まへにそれがうごいてゐる。あゝつてしまひたい。此手このてさはつたところいまはしい。
「なあ、光ちゃん、この頃あの人ぼんやり気イつき出して来たよって、用心せんとあかんねん。今日はあてがあんたとこい行くわなあ」
(新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
金子かねを沢山懐中ふところに入れて芝居を観ようと思って行っても、爪も立たないほどの大入おおいりで、這入はいどころがなければ観る事は出来ませぬ。
闇夜の梅 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
末男すゑを子供こどもきながら、まちと一しよ銀座ぎんざあかるい飾窓かざりまどまへつて、ほしえる蒼空あをそらに、すきとほるやうにえるやなぎつめた。
追憶 (旧字旧仮名) / 素木しづ(著)
こういって、いたいたしげに行者の足をみたのは、道づれになっている女の巡礼じゅんれい——坂東ばんどう三十三ヵしょふだなかにかけた女房にょうぼうである。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
都筑駿河つづきするがの役宅には例の徒士目付かちめつけが三人を待ち受けていて、しばらく一室に控えさせた後、訴えじょの方へ呼び込んだ。
夜明け前:02 第一部下 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
婆「こゝなとけ炭斗すみとりを置きやすが、あんた方又洗物あらいもんでもあれば洗ってめえりやすから、浴衣でも汚れてれば己が洗濯をします」
霧陰伊香保湯煙 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
そこどこちつと考へたら、あれぎり家出をして了ふなんて、あんなまあ面抵つらあてがましい仕打振をするつてが有るものかね。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
その啼声は物に驚いたような、目が見えなくなったような、巣のを忘れたような、呻吟うめくような、もだえるような、切なそうな啼き声であった。
不思議な鳥 (新字新仮名) / 小川未明(著)
こゝに、おみきじよふのに、三寶さんぱうそなへ、たるゑ、毛氈まうせん青竹あをだけらち高張提灯たかはりぢやうちん弓張ゆみはりをおしかさねて、積上つみあげたほど赤々あか/\と、あつくたつてかまはない。
祭のこと (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
視よわれ戸の外に立ちて叩くもしわが声を聞きて戸を開く者あらば我その人のもといたらん而して我はその人とともにその人は我と偕に食せん
湖水と彼等 (新字新仮名) / 豊島与志雄(著)
かくと見て倉子はあわたゞしく「プラトやこれ」と制するに犬はたちまち鎮りて寝台のしたに退けり
血の文字 (新字新仮名) / 黒岩涙香(著)
「ゆんべ遊びに出て褞袍なくしつちやたんだ。おすがら内の土藏んけ置いたの今朝盜まつたんだか何んだかねえんだ。それからおらうちへ歸れねえ」
芋掘り (旧字旧仮名) / 長塚節(著)
落星おちぼしのかくれ
孔雀船 (旧字旧仮名) / 伊良子清白(著)
外套のボタンをしっかりしめて、目当てのショノ沢小屋を指して西に下る。向い風が身を切るほど。下るに従い聖が隠れて赤石が全幅を現わしてくる。
ある偃松の独白 (新字新仮名) / 中村清太郎(著)
ねこ、(中略)人家ジンカチヒサキケモノヒトトコロナリ。温柔ヲンジウニシテヤスク、マタネズミトラフレバフ。シカレドモ竊盗セツタウセイアリ。カタチトラ二尺ニシヤクラズ。(下略げりやく
澄江堂雑記 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)