“した”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:シタ
語句割合
40.5%
階下21.2%
10.6%
8.3%
7.8%
2.0%
下階1.0%
仕立0.8%
0.5%
下方0.4%
0.4%
0.4%
下心0.3%
仕度0.3%
0.3%
為立0.3%
0.3%
0.3%
下部0.2%
年少0.2%
0.2%
地面0.2%
0.2%
下界0.1%
下層0.1%
下端0.1%
下級0.1%
地下0.1%
0.1%
樹下0.1%
0.1%
0.1%
0.1%
下室0.1%
下職人0.1%
0.1%
爲立0.1%
部下0.1%
配下0.1%
下壇0.1%
0.1%
仕足0.1%
台下0.1%
叱咜0.1%
地上0.1%
0.1%
屋下0.1%
帳場0.1%
0.1%
0.1%
0.1%
楼下0.1%
0.1%
為度0.1%
0.1%
眼下0.1%
紅舌0.1%
耳順0.1%
0.1%
親密0.1%
0.1%
閂下0.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
よるもうっかりながしのしたや、台所だいどころすみものをあさりに出ると、くらやみに目がひかっていて、どんな目にあうかからなくなりました。
猫の草紙 (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
死骸を見付けたのは、階下したに寢てゐた息子の專之助さんで、父親がいつになく遲いので、中二階を覗いて見るとあの騷ぎでございます
みつつにつてたおしな卯平うへいしたうて確乎しつかうちめたのはそれからもないことである。へびはなし何時いつにか消滅せうめつした。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
山中さんちううらにて晝食ちうじき古代こだいそつくりの建場たてばながら、さけなることおどろくばかり、斑鯛ふだひ?の煮肴にざかなはまぐりつゆしたをたゝいてあぢはふにへたり。
熱海の春 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
そればかりでなく、近頃はお萬としたしくなつて行くのを見て、お縫はそれが怨めしさに、死んで思ひ知らせようとしたに違ひあるまい
青鬼のようになった三好の両眼が、酸漿ほおずきのように真赤になった……と思ううちに鼻の穴と、唇の両端から血がポタポタとしたたり出した。
オンチ (新字新仮名) / 夢野久作(著)
手欄てすりより下階したのぞきて声を張上げ店番を呼立たり。
血の文字 (新字新仮名) / 黒岩涙香(著)
学問がくもんてることはおもいもよらないので、せめてりっぱな子供こどもんで、その子を先祖せんぞけないえらい学者がくしゃ仕立したてたいとおもちました。
葛の葉狐 (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
ひる飯には三本のお酒の注文があり、その他に餅菓子の注文もした。名所絵葉書十枚、巻紙封筒をも取寄せて両人はしきりに書面をしたためていた。
芳川鎌子 (新字新仮名) / 長谷川時雨(著)
わたくしちうんで船室せんしつかたむかつた。昇降口しようかうぐちのほとり、出逢であひがしらに、下方したからのぼつてたのは、夫人ふじん少年せうねんとであつた。
街へ出て私はしたたか酒を呷つた。荒れ果てた心の流れるままに、疲れた心を魔窟へ運んだ。相手の女は無智で陽気で気が良かつた。
狼園 (新字旧仮名) / 坂口安吾(著)
都内に移し撃たしむるに声出ず、本寺に帰せば声もとのごとし、士人磬神聖にして、光政寺をしたうとうわさしたとある。
追ひやら下心したはさもあれやいふことは皆うやうやし聞きのよろしさ
夢殿 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
好きは好きだったが、しかし友人の誰彼たれかれのように、今直ぐ其真似は仕度したくない。も少し先の事にしたい。
平凡 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
双手もろてにわらんべをかい抱いて、日頃の如く肩へのせると、例の太杖をてうとついて、岸べの青蘆を押し分けながら、嵐に狂ふ夜河の中へ、胆太くもざんぶと身をしたいた。
きりしとほろ上人伝 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
そういう仏典の新しい語感を持った言葉を以て、一首を為立したて、堅苦しい程に緊密な声調を以て終始しているのに、此一首の佳い点があるだろう。
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
さりとてれにもしたがひがたきを、なにとしてにとせば松野まつのこゝろまよひもめ、竹村たけむらきみ潔白けつぱくをもあかされん、何方いづれにまれくきひと一人ひとりあらば、くまでむねはなやまじを
たま襻 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
したがつてやかましくもあらうむづかしくもあろうそれを機嫌の好い様にととのへて行くが妻の役、表面うわべには見えねど世間の奥様といふ人達のいづれも面白くをかしき中ばかりは有るまじ
十三夜 (新字旧仮名) / 樋口一葉(著)
またその甲板かんぱん下部したには數門すもん大砲等たいほうなど搭載つみこまれるのではあるまいか、その船脚ふなあし尋常じんじやうならずふかしづんでえる。
姉妹きやうだいが世話する叔父をぢさんの子供は二人とも男の児で、年少したの方はふみちやんと言つて、六歳の悪戯盛いたづらざかりであつた。
出発 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
けれども、もと/\すぢたない、したがつて發展はつてんのしやうのない問題もんだいだから、いくらかんがへても何處どこからもこと出來できなかつた。さうして、すぐかんがへるのがいやになつた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
言いながら、与の公、手のつつみを地面したへおろして、鬱金うこんのふろしきをといた。出てきたのは、時代がついて黒く光っている桐の箱だ。そのふたを取って、いよいよ壺を取り出す。
丹下左膳:02 こけ猿の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
其処そこで僕は最早もはや進んで僕の希望のぞみのべるどころではありません。たゞこれめいこれしたがうだけのことを手短かに答えて父の部屋を出てしまいました。
運命論者 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
二人は抱き合ったまま流星のように早く、下界したの方へ落ちて行きました。
オシャベリ姫 (新字新仮名) / 夢野久作かぐつちみどり(著)
海ちかき下層した小部屋こべや
邪宗門 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
その上、せた唇の下端したには、よだれが今にも落ちそうにたたえている。
俊寛 (新字新仮名) / 菊池寛(著)
強請ごうせい押借おしがりというようなことが、思うように効果があがらなくなったのと、いうところの下剋上げこくじょう——下級したの者すなわち貧民達が、上流うえの者を凌ぎ侵しても、昔のようには非難されず
弓道中祖伝 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
桃の花片そこに散る、貝に真珠の心があって、ひいなしたう風情かな。
日本橋 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
樹下したに居た奴等は一同みんな逃げ出したが、僕は仕方が無いから黙ツて居た。
漂泊 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
さてそのひょうたんの酒をきれいにしたんでしまってからその男は語りつぐのであった。
蘆刈 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
蘆笛あしぶえくだした
牧羊神 (旧字旧仮名) / 上田敏(著)
しとしとと雫ぞしたむ。
泣菫詩抄 (旧字旧仮名) / 薄田泣菫(著)
縁續えんつゞきのものだけに、益々ます/\つてぢられてはむづかしい。……なにしろ此處こゝとほしてはらぬで。わし下室したつてつてよう。が、つむじまがりぢや、つてあがつてぬともかぎらぬ。
人参 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
戸外おもてちかいから、二階にかいのこつた手代てだいみゝにもよくきこえる。ひとふた下室したで、言葉ことばかはした、とおもふと、怒鳴どなる、わめく、はては、どた/\の取組合とつくみあひ何處どこへなだれかゝつたやら、がらん、がらゝんとひゞき
人参 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
む、む!、永い事ァ厄介かけたねえ、なんの一年ばかし面倒見といてくんねえ。銀も男だ、今更他人ひと下職人したは働かねえが、ちつとばかし目論見があるんだ。そのうち訪ねて行つた時の姿を
もつれ糸 (新字旧仮名) / 清水紫琴(著)
母子二人倒死のたれじにするまでも、腹の中をからにして往生するにもしろ、以前、我が家のさかつた頃、台所から這ひずつて来て、親父の指の先に転がされて働いた奴等の下職人したとはなつて、溝板修覆なおしや
もつれ糸 (新字旧仮名) / 清水紫琴(著)
唯濹東の裏町、蚊のわめく溝際どぶぎわの家でしたしんだばかり。一たび別れてしまえば生涯相逢うべき機会も手段もない間柄である。
濹東綺譚 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
青春のころしたしんだ女達の姿やその住居すまいのさまをありありと目の前に思浮べる。
濹東綺譚 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
それはふるいことで、この歌人かじんのゐた時分じぶんのことではないが、うたうへではかういふふうに、現代げんだいふるいものに爲立したてゝつくることもあつたのです。
歌の話 (旧字旧仮名) / 折口信夫(著)
これはちょっとると、いかにも紫陽花あぢさゐはな樣子ようすこまやかにうつしてあるようにえますが、じつ紫陽花あぢさゐつくつたのでなく、見慣みなれてゐるはな模樣もよう空想くうそううかべて、うつくしく爲立したてたにぎません。
歌の話 (旧字旧仮名) / 折口信夫(著)
が、平生は至つて口少なな、常に鷹揚に構へて、部下したの者の欠点あらは随分手酷くやツつけるけれども、滅多に煽動おだてる事のない人であつた。
菊池君 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
言語ことばのみでなく、凡ての事が然う云つた調子で、随つて何日でも議論一つ出る事なく、平和で、無事で、波風の立つ日が無いと共に、部下したの者に抑圧はあるけれど、自由の空気がちつとも吹かぬ。
菊池君 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
その婦人は「あなたの国はシナ皇帝の配下したではないか。しからばシナ皇帝の命令状を持って来た者は必ずここを通さなくちゃあならん訳ではないか」
チベット旅行記 (新字新仮名) / 河口慧海(著)
もちろん我が国はシナ皇帝の配下したであるけれどもすべての事をシナ皇帝から命令を受けない。殊にこの
チベット旅行記 (新字新仮名) / 河口慧海(著)
君! 軌道と軌道の接続点つなぎめにおおよそ二分ばかりの間隙すきがあるだろう、この間下壇したの待合室で、あの工夫のかしらに聞いたら一まいるにあれがおよそ五十ばかりあるとね
駅夫日記 (新字新仮名) / 白柳秀湖(著)
(八) 子曰く、君子おもからざれば則ち威あらず、学べば則ちかたくなならず。忠信(の人)にしたしみ、己れにかざるひとを友とすることなかれ、あやまてば則ち改むるにはばかることなかれ。
孔子 (新字新仮名) / 和辻哲郎(著)
柚子が仕足したらぬことをたくさん残して、死んだことを口惜しく思う一面に、この世の穢れに染まずに、たとえば春の雪のようにも、清くはかなく消えてしまったことに
春雪 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
ところがそのうち石像の台下したで鳴声がするというので、村の青年達が掘り返してみると田鼠が沢山を産んでいました。これを聞いて結婚した夫婦たちはどんな顔をしたでしょう。
仏教人生読本 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
いづれもうれしさうにして、ふね近付ちかづいてるのを、退けるやうにして、天滿與力てんまよりききにふねへ、雪駄せつたあしまたんだ。途端とたん玄竹げんちくはいつにないらいのやうに高聲たかごゑで、叱咜したした。
死刑 (旧字旧仮名) / 上司小剣(著)
腕だめしを見せましょうか——そうさねえ、雪さん、ついお前さんのうしろの、何の木だか、細い幹、あの木の地上したから五尺ばかりに見えている、枝を払ったあとのこぶ
雪之丞変化 (新字新仮名) / 三上於菟吉(著)
満袖まんしゆう啼痕血痕に和す 冥途敢て忘れん阿郎の恩を 宝刀を掣将とりもつて非命をす 霊珠を弾了して宿冤しゆくえんを報ず 幾幅の羅裙らくんすべて蝶に化す 一牀繍被しゆうひ籠鴛ろうえんしたふ 庚申山下無情の土 佳人未死の魂を埋却す
八犬伝談余 (新字新仮名) / 内田魯庵(著)
安重根 屋下したへ降りて、もう一度最後にあの変装をして鏡に映してみようと思って——。
「どう遊ばしたんだろうね?」と障子をあけてうちに入りながら「なんなら帳場したへそう言って、お迎人むかいをね」
小説 不如帰  (新字新仮名) / 徳冨蘆花(著)
したを掃きながら大抵いつでも獨言ひとりごとをいつてる下男がゐるの、それの口裏から推量したんだけれど、どうやら近いうちに御婚禮がありさうだわ——何しろ旦那さまは常々
狂人日記 (旧字旧仮名) / ニコライ・ゴーゴリ(著)
ふうときて取出とりいだせば一尋ひとひろあまりにふでのあやもなく、有難ありがたこと數々かず/\かたじけなきこと山々やま/\おもふ、したふ、わすれがたし、なみだむねほのほ此等これら文字もじ縱横じゆうわうらして
軒もる月 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
かくと見て倉子はあわたゞしく「プラトやこれ」と制するに犬はたちまち鎮りて寝台のしたに退けり
血の文字 (新字新仮名) / 黒岩涙香(著)
小歌をと思切って言うかいわぬに、はいと婢は畏まって楼下したへ降行き、小歌さんをと高く呼んで、そして低声こごえに気のつまる方と朋輩に囁いて居た。
油地獄 (新字新仮名) / 斎藤緑雨(著)
懐古欽英風(いにしへをおもひて英風をしたふ)
大菩薩峠:27 鈴慕の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
勝手な事を為度したいため
白髪小僧 (新字新仮名) / 夢野久作杉山萠円(著)
ても耳の底に残るようになつかしい声、目の奥にとどまるほどにしたしい顔をば「さようならば」の一言で聞き捨て、見捨て、さて陣鉦じんがねや太鼓にき立てられて修羅しゅらちまたへ出かければ
武蔵野 (新字新仮名) / 山田美妙(著)
唯七は、笑いながら、しきりに眼下したの往還を指さしている。
口笛を吹く武士 (新字新仮名) / 林不忘(著)
洞中どうちう秘密造船所ひみつざうせんじよなかでは、海底戰鬪艇かいていせんとうていほうでも、わたくしほうでも、鎔鐵爐ようてつろ冶金爐等やきんろとうから㷔々えん/\熱火ねつくわひかり魔神まじん紅舌したのごとく、たがひうちおろす大鐵槌だいてつついひゞきは、寂寞じやくばくたる洞窟どうくつ鳴動めいどうして
六十にして耳順したがい、七十にして心の欲する所に従ってのりえずと言った、老るに従って益々識高く徳進んだのである。
死生 (新字新仮名) / 幸徳秋水(著)
そこで先生せんせいしたがきをると「ヰルナラタヅネル」一字いちじのことだ。わたしかう一考いつかうしてしかして辭句じくあらためた。「ヰルナラサガス」れなら、局待きよくまち二字分にじぶんがきちんとはひる、うまいでせう。
春着 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
お富は朋輩の中でもお秀とは能く気のあっ親密したしい方であるからで。
二少女 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
消印はツイ近所の郵便局、明らかに脅迫ですが、何を考えたか「足の勇」は、その不思議な敵の命令にしたがって、素直に此屋敷を引揚げようと言うのです。
死の予告 (新字新仮名) / 野村胡堂(著)
蝶番ちょうつがいがはずれた。錠の閂下したがまだ邪魔をしている。うん、と肩でひと押し。扉は内側へまくれこんだ。
金狼 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)