“した”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:シタ
語句割合
39.4%
階下21.9%
10.8%
8.0%
7.4%
2.3%
下階1.1%
仕立0.8%
0.5%
下方0.5%
(他:95)7.3%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
『オヤおきぬ!』とおももなくくるまぶ、三にんたちままどしたた。
湯ヶ原より (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
実は平岡が東京へ着いた時から、いつか此問題に出逢ふ事だらうと思つて、半意識はんいしきしたで覚悟してゐたのである。
それから (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
階下したは弁当や寿司につかう折箱の職人で、二階の六畳はもっぱら折箱の置場にしてあったのを、月七円の前払いで借りたのだ。
夫婦善哉 (新字新仮名) / 織田作之助(著)
自分がまだ眠られないという弱味を階下したへ響かせるのが、勝利の報知として千代子の胸に伝わるのを恥辱と思ったからである。
彼岸過迄 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
この子は、母よりも父のほうをよけいにしたっていて、毎晩六畳に父と蒲団ふとんを並べ、一つ蚊帳かやに寝ているのです。
おさん (新字新仮名) / 太宰治(著)
勘次かんじもおしなそのときたがひあひしたこゝろ鰾膠にべごとつよかつた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
この犬ののふり方にはたいていの人のしたや口で言う以上いじょう頓知とんち能弁のうべんがふくまれていた。
したをピリヽと刺戟しげきする、ぬか漬込つけこんだにしん……にしたしんでたのと一所いつしよ
麻を刈る (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
治療ちりょうに託してこれにしたしみ、浅田をかいして小栗との間に、交通こうつうを開き事をはかりたる者にて
祖母ばば肉身にくしん親類しんるい縁者えんじゃしたしいお友達ともだち、それからはは守護霊しゅごれい
そればかりでなく青竜二郎のためにたった今鞭で打たれたと見え、頬の辺り手の甲などから生血がタラタラとしたたっている。
蔦葛木曽棧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
向うの窓際に在る石造いしづくり浴槽ゆぶねから湧出す水蒸気が三方の硝子ガラス窓一面にキラキラとしたたり流れていた。
ドグラ・マグラ (新字新仮名) / 夢野久作(著)
うへへかけるのが三枚さんまいといふ贅澤ぜいたくで、下階した六疊ろくでふ一杯いつぱいつて
火の用心の事 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
下階した部屋へや小窓こまど頬杖ほゝづゑをついてると、まへにはで、牡鷄をんどりがけたゝましく
間引菜 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
かれ甘藷さつまいもほかには到底たうていさういふすべてのなへ仕立したてることが出來できないので
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
私は先生のうちはいりをするついでに、衣服のあらりや仕立したかたなどを奥さんに頼んだ。
こころ (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
彼は停留所の前にある茶店で、写真版だの石版だのと、思い思いに意匠をらした温泉場の広告絵を眺めながら、昼食ちゅうじきしたためた。
明暗 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
十二時すぎになると、抱月氏を祭った仏壇のまえでひそひそと泣いていたが、それは抱月氏の永眠後毎日のことで、遺書は四時ごろにしたためられた。
松井須磨子 (新字新仮名) / 長谷川時雨(著)
武村兵曹たけむらへいそうわたくしとは、ぼうだつして下方したながめたが、かぜみなみからきたへと
誇りえざりしなるべし、人の外套うはぎ締合しめあはすところより下方したわが目にうつれるものゆたかに三十パルモありき —六六
神曲:01 地獄 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
あまり食卓の空気が冷やかな折は、お重が自分の後をしたって、追いかけるように、自分の室へ這入はいって来た。
行人 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
いぬしたい、人は色にはしる。
虞美人草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
いふことは拙けれどもひたおもて眼は輝けり下心したけるなり (斎田訓導)
夢殿 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
追ひやら下心したはさもあれやいふことは皆うやうやし聞きのよろしさ
夢殿 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
古渡唐桟こわたりとうざんの羽織をそろい為立したてさせて、一同にあたえたのもこの頃である。
細木香以 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
そういう仏典の新しい語感を持った言葉を以て、一首を為立したて、堅苦しい程に緊密な声調を以て終始しているのに、此一首の佳い点があるだろう。
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
しかる上は生きてるうちが花と定めて、できることなら仕度した三昧ざんまいを続けて暮そうという考えは、だんだんあやしくなって来た。
食魔 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
好きは好きだったが、しかし友人の誰彼たれかれのように、今直ぐ其真似は仕度したくない。
平凡 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
非道ひどい奴になると玉蜀黍とうもろこしの喰い殻に油をしたした奴を、柳行李一パイ百円ぐらいで掴まされた事があるそうです。
爆弾太平記 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
「然らば念無う渡さうずる。」と、双手もろてにわらんべをかい抱いて、日頃の如く肩へのせると、例の太杖をてうとついて、岸べの青蘆を押し分けながら、嵐に狂ふ夜河の中へ、胆太くもざんぶと身をしたいた。
きりしとほろ上人伝 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
自分はきまりの悪い顔をして父のあとしたがった。父はすぐうしろをふり向いた。
行人 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
それまではお勢の言動に一々目をけて、その狂うこころあとしたいながら、我もこころを狂わしていた文三もここに至ってたちまち道を失って暫く思念のあゆみとどめた。
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
またその甲板かんぱん下部したには數門すもん大砲等たいほうなど搭載つみこまれるのではあるまいか
それには山麓といふものがなく、下部したも、上部うへと同じく嶮峻な峰であり、その上方にも下方にも高く空が展がつてゐる。
ポルフィーリイが仔犬を床の上へおろすと、そいつは四肢ししをふんばって地面したを嗅ぎまわした。
言いながら、与の公、手のつつみを地面したへおろして、鬱金うこんのふろしきをといた。出てきたのは、時代がついて黒く光っている桐の箱だ。そのふたを取って、いよいよ壺を取り出す。
丹下左膳:02 こけ猿の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
と言つてはまとひついた。殊に年少したの方の文ちやんと来たら、聞分きゝわけの無い年頃で、一度愚図々々言出さうものなら容易に泣止まない。
出発 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
姉妹きやうだいが世話する叔父をぢさんの子供は二人とも男の児で、年少したの方はふみちやんと言つて、六歳の悪戯盛いたづらざかりであつた。
出発 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
けれども、お初は、恋にかけても、したたかなつわものだ。すこしもゆるめを見せようとはしない。
雪之丞変化 (新字新仮名) / 三上於菟吉(著)
街へ出て私はしたたか酒を呷つた。
狼園 (新字旧仮名) / 坂口安吾(著)
したがつて三日前みつかまへ代助がかれの留守宅を訪問した事に就ても何もかたらなかつた。
それから (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
其処そこで僕は最早もはや進んで僕の希望のぞみのべるどころではありません。たゞこれめいこれしたがうだけのことを手短かに答えて父の部屋を出てしまいました。
運命論者 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
海ちかき下層した小部屋こべやは、
邪宗門 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
世間は、底の方ほど、頼もしいものじゃ。赤穂の衆を見ても、大石殿はべつじゃが、大野、奥野、千石どころの重臣に、節操のある奴はおらぬ。義士の多くは、みな軽輩じゃ。肉食者にくじきしゃいやしむべしと申すが、武士道は、上層うえになくて、下層したにある。
べんがら炬燵 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
アッとさけもなく、うしなつたラランは、おそろしいはやさでグングンと下界したちていつた。
火を喰つた鴉 (新字旧仮名) / 逸見猶吉(著)
『おい、ペンペ、下界したろ。すばらしい景色けしきじやないか。おまへなんぞこゝらまでんでたこともあるまい。』
火を喰つた鴉 (新字旧仮名) / 逸見猶吉(著)
その上、せた唇の下端したには、よだれが今にも落ちそうにたたえている。
俊寛 (新字新仮名) / 菊池寛(著)
「無論僕は、あの手燭の実際について想像しているんだよ。知っての通り、残蝋が鉄芯の止金を越えて盛り上っている。だから、糸芯の周囲の蝋が全部熔け落ちてしまうと、芯が鉄芯にくっついて直立して、下端したのわずかな部分だけが、熔けた蝋に埋まると云う形になるだろう。」
聖アレキセイ寺院の惨劇 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
——また下級したの、貧しい小者や牢番たちの間には、義賊というのでうけがいいし、殊に、牢番の卯平などは、
雲霧閻魔帳 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
いうところの下剋上げこくじょう——下級したの者すなわち貧民達が、上流うえの者を凌ぎ侵しても、昔のようには非難されず、かえって正当と見られるような、そういう時勢となったので、そこで多数が団結し、何々党、何々組などと
弓道中祖伝 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
さて、それから、彼女は、ひらりと、地下したへ下りた。
雪之丞変化 (新字新仮名) / 三上於菟吉(著)
だが、お前は一体どこで往生を遂げたのだい? 賃銀がいいからというので、お寺の円屋根の端へでも上ったのか、或は、頂上の十字架へよじのぼって、横木から足を踏みはずして、そこから地下したへぶち落ちたとでもいうのだろう。
老母をわすれ、妻子をしたわぬにてはなけれど、武士のぎりに命をすつる道、ぜひに及ばぬところと合点して、深くなげき給うべからず。
桃の花片そこに散る、貝に真珠の心があって、ひいなしたう風情かな。
日本橋 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
樹下したに居た奴等は一同みんな逃げ出したが、僕は仕方が無いから默つて居た。
漂泊 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
樹下したに居た奴等は一同みんな逃げ出したが、僕は仕方が無いから黙ツて居た。
漂泊 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
笊の目からしたった蔬菜のしずくが、まだ新しい台俎板の面に濡木ぬれぎの肌の地図を浸みひろげて行く勢いも鈍って来た。
食魔 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
さてそのひょうたんの酒をきれいにしたんでしまってからその男は語りつぐのであった。
蘆刈 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
蘆笛あしぶえくだした
牧羊神 (旧字旧仮名) / 上田敏(著)
だから人間でも脇腹わきばらへそのへんに特別な発声器があってもいけない理由はないのであるが、実際はそんなむだをしないで酸素の取り入れ口、炭酸の吐き出し口としての気管の戸口へしたを取り付け、それを食道と並べて口腔こうこうに導き、そうして舌や歯に二役ふたやく掛け持ちをさせているのである。
自由画稿 (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)