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親
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した
ふりがな文庫
“
親
(
した
)” の例文
はじめの二、三
日
(
にち
)
は、その
女
(
おんな
)
の
子
(
こ
)
に
対
(
たい
)
して、べつに
親
(
した
)
しくしたものもなかったが、また、
悪口
(
わるくち
)
をいうようなものもありませんでした。
青いボタン
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
そればかりでなく、近頃はお萬と
親
(
した
)
しくなつて行くのを見て、お縫はそれが怨めしさに、死んで思ひ知らせようとしたに違ひあるまい
銭形平次捕物控:187 二人娘
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
あの
親
(
した
)
しい感じのする、其の国の娘も読み、父親も小僧も読むものであつて而も傑作である所のものは、殆んど飜訳されることがない。
よもやまの話
(新字旧仮名)
/
中原中也
(著)
さしもに
中
(
なか
)
よし
成
(
なり
)
けれど
正太
(
しようた
)
とさへに
親
(
した
)
しまず、いつも
耻
(
はづ
)
かし
氣
(
げ
)
に
顏
(
かほ
)
のみ
赤
(
あか
)
めて
筆
(
ふで
)
やの
店
(
みせ
)
に
手踊
(
てをどり
)
の
活溌
(
かつぱつ
)
さは
再
(
ふたゝ
)
び
見
(
み
)
るに
難
(
かた
)
く
成
(
なり
)
ける
たけくらべ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
と
親
(
した
)
しげに
身
(
み
)
を
寄
(
よ
)
せて、
顔
(
かほ
)
を
差覗
(
さしのぞ
)
いて、いそ/\していふと、
白痴
(
ばか
)
はふら/\と
両手
(
りやうて
)
をついて、ぜんまいが
切
(
き
)
れたやうにがつくり一
礼
(
れい
)
。
高野聖
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
▼ もっと見る
かく
緑色
(
みどりいろ
)
は
植物
(
しよくぶつ
)
の、
特
(
とく
)
に
葉
(
は
)
に
固有
(
こゆう
)
な
色
(
いろ
)
で、われ/\は
木
(
き
)
といへば、すぐに
緑
(
みどり
)
の
色
(
いろ
)
を
思
(
おも
)
ひ
出
(
だ
)
さずにゐられないくらゐ
親
(
した
)
しい
色
(
いろ
)
です。
森林と樹木と動物
(旧字旧仮名)
/
本多静六
(著)
「いや、あのことか、あのことについてならば、一度足下に
親
(
した
)
しく事情を語ろうと思っていたが、陣中、つい
遑
(
いとま
)
もなかったので」
三国志:03 群星の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
さして
取
(
と
)
りとめのない
事柄
(
ことがら
)
でも、
斯
(
こ
)
うして
親
(
した
)
しく
語
(
かた
)
り
合
(
あ
)
って
居
(
お
)
りますと、
私達
(
わたくしたち
)
の
間
(
あいだ
)
には
言
(
い
)
うに
言
(
い
)
われぬ
楽
(
たの
)
しさがこみ
上
(
あ
)
げて
来
(
く
)
るのでした。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
姿いと
貴
(
たふと
)
き者と
親
(
した
)
しく相かたらふさまなるかの鼻の小さき者は百合の花を
萎
(
しを
)
れしめつゝ逃げ走りて死したりき 一〇三—一〇五
神曲:02 浄火
(旧字旧仮名)
/
アリギエリ・ダンテ
(著)
尤
(
もつと
)
も、
支那人
(
しなじん
)
は
麻雀
(
マアジヤン
)
を
親
(
した
)
しい
仲間
(
なかま
)
の
一組
(
ひとくみ
)
で
樂
(
たの
)
しむといふやうに
心得
(
こゝろえ
)
てゐるらしいが、
近頃
(
ちかごろ
)
の
日本
(
にほん
)
のやうにそれを
團隊的競技
(
だんたいてききやうぎ
)
にまで
進
(
すゝ
)
めて
來
(
き
)
て
麻雀を語る
(旧字旧仮名)
/
南部修太郎
(著)
生
(
う
)
みの
親
(
おや
)
のことも
忘
(
わす
)
れて、こゝのお
二人
(
ふたり
)
に
馴
(
な
)
れ
親
(
した
)
しみましたので、
私
(
わたし
)
はお
側
(
そば
)
を
離
(
はな
)
れて
行
(
い
)
くのが、ほんとうに
悲
(
かな
)
しうございます
竹取物語
(旧字旧仮名)
/
和田万吉
(著)
他の点において
親
(
した
)
しく談話をする
様子
(
ようす
)
は、わが国においてはなかなか見えないことで、このことは
独
(
ひと
)
り政治にのみ関してしかるわけではない。
自警録
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
私
(
わたし
)
たちが、
子供
(
こども
)
のころから、
親
(
した
)
しみなれてきた
一休
(
いっきゅう
)
さんは、
紫野大徳寺
(
むらさきのだいとくじ
)
、四十七
代目
(
だいめ
)
の
住職
(
じゅうしょく
)
として、
天下
(
てんか
)
にその
智識
(
ちしき
)
高徳
(
こうとく
)
をうたわれた
人
(
ひと
)
でした。
先生と父兄の皆さまへ
(新字新仮名)
/
五十公野清一
(著)
起
(
き
)
曰
(
いは
)
く、『百
官
(
くわん
)
を
治
(
をさ
)
め、
萬民
(
ばんみん
)
を
親
(
した
)
しましめ、
(九一)
府庫
(
ふこ
)
を
實
(
み
)
たすは、
子
(
し
)
、
起
(
き
)
に
孰
(
いづ
)
れぞ』と。
文
(
ぶん
)
曰
(
いは
)
く、『
子
(
し
)
に
如
(
し
)
かず』と。
国訳史記列伝:05 孫子呉起列伝第五
(旧字旧仮名)
/
司馬遷
(著)
モン長
予
(
わし
)
はもとより、
親
(
した
)
しい
誰
(
た
)
れ
彼
(
か
)
れにも
探
(
さぐ
)
らせたれども、
倅
(
せがれ
)
めは、
只
(
たゞ
)
もう
其
(
その
)
胸
(
むね
)
の
内
(
うち
)
に、
何事
(
なにごと
)
をも
祕
(
ひ
)
し
隱
(
かく
)
して、いっかな
餘人
(
よじん
)
には
知
(
し
)
らせぬゆゑ
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
斯く入り口又は
窓
(
まど
)
を
隔
(
へだ
)
てて品物の
遣
(
や
)
り
取
(
と
)
りを
爲
(
な
)
せしは
同類
(
どうるい
)
の間ならざるが
故
(
ゆえ
)
ならん。コロボックル
同志
(
どうし
)
ならば
親
(
した
)
しく相對して
事
(
こと
)
を
辨
(
べん
)
ぜしなるべし。
コロボックル風俗考
(旧字旧仮名)
/
坪井正五郎
(著)
その
爲
(
ため
)
か、
今
(
いま
)
では
以前
(
いぜん
)
と
違
(
ちが
)
つて、まあ
普通
(
ふつう
)
の
小舅
(
こじうと
)
位
(
ぐらゐ
)
の
親
(
した
)
しみはあると
信
(
しん
)
じてゐる
樣
(
やう
)
なものゝ、
斯
(
こ
)
んな
場合
(
ばあひ
)
になると、つい
實際
(
じつさい
)
以上
(
いじやう
)
にも
氣
(
き
)
を
回
(
まは
)
して
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
ところが、いまでは、そのはんたいに、アラシ
夫婦
(
ふうふ
)
はノロ公にたいして、いくらか
親
(
した
)
しみをもつようになっていました。
ニールスのふしぎな旅
(新字新仮名)
/
セルマ・ラーゲルレーヴ
(著)
もし私が
親
(
した
)
しげな言葉をかけでもしようものなら、若し親しい感情があなたを、再び私の方に傾けでもしようものなら、あなたはかう云ふだらう
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
ソログーブは
幼
(
おさな
)
い
時
(
とき
)
から
母
(
はは
)
の
奉公先
(
ほうこうさき
)
の
邸
(
やしき
)
で、
音楽
(
おんがく
)
や
演劇
(
えんげき
)
などに
親
(
した
)
しむ
機会
(
きかい
)
を
持
(
も
)
ち、
読書
(
どくしょ
)
に
対
(
たい
)
する
深
(
ふか
)
い
趣味
(
しゅみ
)
を
養
(
やしな
)
われた。
身体検査
(新字新仮名)
/
フョードル・ソログープ
(著)
その事実を
記
(
しる
)
さんに、外国公使中にて
最初
(
さいしょ
)
日本人に
親
(
した
)
しかりしは米公使タオンセント・ハリスにして、ハリスは真実
好意
(
こうい
)
を以て
我国
(
わがくに
)
に対したりしも
瘠我慢の説:04 瘠我慢の説に対する評論について
(新字新仮名)
/
石河幹明
(著)
親
(
した
)
しげに
呼
(
よ
)
ぶ
金之助
(
きんのすけ
)
さんの
声
(
こえ
)
に
変
(
か
)
わりはなかった。しかし
袖子
(
そでこ
)
はもう
以前
(
いぜん
)
と
同
(
おな
)
じようにはこの
男
(
おとこ
)
の
児
(
こ
)
を
抱
(
だ
)
けなかった。
伸び支度
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
そうしてこういうことが、
自己
(
じこ
)
の
天職
(
てんしょく
)
からみてもかえってとうといのじゃないかなど考えながら、ますます
乗
(
の
)
り
気
(
き
)
になって農民に
親
(
した
)
しむことをつとめた。
老獣医
(新字新仮名)
/
伊藤左千夫
(著)
その下の田の土の色、
畔
(
くろ
)
の草の色——是等は他の季節に見る事の出來ない
親
(
した
)
しみ、
懷
(
なつ
)
かしみを藏してゐる。
海郷風物記
(旧字旧仮名)
/
木下杢太郎
(著)
やまとしまといふのは、
天皇
(
てんのう
)
の
御領地
(
ごりようち
)
或
(
あるひ
)
は、
自分
(
じぶん
)
の
親
(
した
)
しい
國
(
くに
)
のことを、しまといつた
時代
(
じだい
)
に、やまとの
國
(
くに
)
或
(
あるひ
)
は、
畿内
(
きない
)
の
國
(
くに
)
をさして、やまとしまといつたのです。
歌の話
(旧字旧仮名)
/
折口信夫
(著)
身
(
み
)
親
(
した
)
しくこの出来事を見聞した者の感を深め信心を新たにしたことも、誠に当然の結果のように思われる。
山の人生
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
妾の
容子
(
ようす
)
の常になく
包
(
つつ
)
ましげなるに、顔色さえ
悪
(
あ
)
しかりしを、
親
(
した
)
しめる女囚に
怪
(
あや
)
しまれて、しばしば問われて、秘めおくによしなく、
遂
(
つい
)
に事
云々
(
しかじか
)
と告げけるに
妾の半生涯
(新字新仮名)
/
福田英子
(著)
親
(
した
)
しく、心の中でよびかけたつもりなのに、まるでそれが聞こえたかのように、小ツルがよってきた。
二十四の瞳
(新字新仮名)
/
壺井栄
(著)
風景にしても
壞
(
くづ
)
れかかつた街だとか、その街にしても
他所他所
(
よそよそ
)
しい表通よりもどこか
親
(
した
)
しみのある
檸檬
(旧字旧仮名)
/
梶井基次郎
(著)
一〇〇
親
(
した
)
しきを
議
(
はか
)
るべき
令
(
のり
)
にもたがひて、筆の跡だも
納
(
い
)
れ給はぬ
叡慮
(
みこころ
)
こそ、今は
旧
(
ひさ
)
しき
讐
(
あた
)
なるかな。
雨月物語:02 現代語訳 雨月物語
(新字新仮名)
/
上田秋成
(著)
彼
(
かれ
)
は
勢
(
いきほ
)
ひ
何
(
なに
)
かに
當
(
あた
)
り
散
(
ち
)
らさうとするのにおつぎと
與吉
(
よきち
)
とに
對
(
たい
)
しては
餘
(
あま
)
りに
深
(
ふか
)
い
親
(
した
)
しみを
有
(
も
)
つて
居
(
ゐ
)
た。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
友人
(
いうじん
)
曰
(
いはく
)
、我が
親
(
した
)
しき者
隣
(
となり
)
村へ
夜話
(
よばなし
)
に
往
(
ゆき
)
たる
皈
(
かへ
)
るさ、
途
(
みち
)
の
傍
(
かたはら
)
に
茶鐺
(
ちやがま
)
ありしが、頃しも夏の事也しゆゑ、
農業
(
のうげふ
)
の人の
置忘
(
おきわす
)
れたるならん、さるにても
腹
(
はら
)
悪
(
あし
)
きものは
拾
(
ひろ
)
ひ
隠
(
かく
)
さん
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
忍びたる
不忠
(
ふちう
)
不義
(
ふぎ
)
の
曲者
(
くせもの
)
なり又汝等が兄喜内は
善惡
(
ぜんあく
)
邪正
(
じやしやう
)
の
別
(
わか
)
ちなく
親
(
した
)
しきを愛し
疎
(
うと
)
きを
惡
(
にく
)
む
誠
(
まこと
)
に國を
亂
(
みだ
)
すの
奸臣
(
かんしん
)
なる故我
討
(
うち
)
取て
立退
(
たちのき
)
しを汝等は
愚昧
(
ぐまい
)
なれば是を
覺
(
さと
)
らず我を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
背
(
せ
)
は
左
(
さ
)
まで
高
(
たか
)
くはないが、
骨太
(
ほねぶと
)
の
肉附
(
にくづき
)
の
良
(
い
)
い、
丸顏
(
まるがほ
)
の
頭
(
あたま
)
の
大
(
おほ
)
きな
人
(
ひと
)
で
眦
(
まなじり
)
が
長
(
なが
)
く
切
(
き
)
れ、
鼻
(
はな
)
高
(
たか
)
く
口
(
くち
)
緘
(
しま
)
り、
柔和
(
にうわ
)
の
中
(
なか
)
に
威嚴
(
ゐげん
)
のある
容貌
(
かほつき
)
で、
生徒
(
せいと
)
は
皆
(
み
)
な
能
(
よ
)
く
馴
(
な
)
れ
親
(
した
)
しんで
居
(
ゐ
)
ました。
日の出
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
私
(
わたし
)
もこの
間
(
あひだ
)
、スペインのアルタミラの
洞穴
(
ほらあな
)
へ
行
(
い
)
つて
親
(
した
)
しくその
繪
(
え
)
を
見
(
み
)
ることが
出來
(
でき
)
たのでありますが、それはのろ/\とした
丘
(
をか
)
の
頂
(
いたゞ
)
きに
近
(
ちか
)
く
小
(
ちひ
)
さな
口
(
くち
)
を
開
(
ひら
)
いた
穴
(
あな
)
であつて
博物館
(旧字旧仮名)
/
浜田青陵
(著)
姉御とは本當は
姉御前
(
あねごぜ
)
の尊稱で、
御
(
ご
)
とは敬し
親
(
した
)
しんだ呼び名ゆゑ、
母御前
(
はゝごぜ
)
とおなじに、よばれて嬉しい名でなければならないのを、きやん(侠)な呼名に轉化してしまつて
凡愚姐御考
(旧字旧仮名)
/
長谷川時雨
(著)
何年ねかして置くかしれないものを、まあいわば、永年の御
親
(
した
)
しずくでいただくんですから。
栄蔵の死
(新字新仮名)
/
宮本百合子
(著)
武村兵曹
(
たけむらへいそう
)
は
此
(
この
)
兒
(
こ
)
將來
(
しやうらい
)
は
非常
(
ひじやう
)
に
有望
(
いうぼう
)
な
撰手
(
せんしゆ
)
であると
語
(
かた
)
つたが
啻
(
たゞ
)
に
野球
(
やきゆう
)
ばかりではなく
彼
(
かれ
)
は
※去
(
くわこ
)
三
年
(
ねん
)
の
間
(
あひだ
)
、
櫻木海軍大佐
(
さくらぎかいぐんたいさ
)
の
嚴肅
(
げんしゆく
)
なる、
且
(
か
)
つ
慈悲
(
じひ
)
深
(
ふか
)
き
手
(
て
)
に
親
(
した
)
しく
薫陶
(
くんとう
)
された
事
(
こと
)
とて
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
もちろん彼には何んのために、獣達が
親
(
した
)
しみを見せるのか、
解
(
かい
)
することが出来なかった。しかしそれらの獣達に、害心のないことは見て取られた。彼は憤然と飛び上がった。
八ヶ嶽の魔神
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
こちらが猫を抱いてみせたり、途中であった人に、親がまず
親
(
した
)
しみの心を満たし、落ちついたよい応待をしぜんにみせることができたり、そのとき一緒につれていた子供について
おさなご
(新字新仮名)
/
羽仁もと子
(著)
読売の
巴里
(
パリ
)
特派員松尾
邦之助
(
くにのすけ
)
氏の日本の美術雑誌通信でも
親
(
した
)
しく見聞きして
嬉
(
うれ
)
しい。
巴里のむす子へ
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
最
(
もつと
)
も
親
(
した
)
しい
人
(
ひと
)
となるといふことも、
見
(
み
)
ず
知
(
し
)
らずの人として
終
(
をは
)
ることも、
大
(
たい
)
した
變化
(
かはり
)
がないのだ、と
思
(
おも
)
ふと、まち
子
(
こ
)
はなんとなく、すべてがつまらないやうな
氣
(
き
)
がして
來
(
く
)
るのであつた。
追憶
(旧字旧仮名)
/
素木しづ
(著)
「あなたは狸さんですね。約束を守ってほんとによいことをして下さいました。村のお宮が綺麗なのは何よりも気持ちのいいものです。これから長く、村の人達と
親
(
した
)
しくして下さい」
狸のお祭り
(新字新仮名)
/
豊島与志雄
(著)
この世は唯だ夢とのみ訳もなく
嗟嘆
(
さたん
)
せしむるもの
悉
(
ことごと
)
くわれには
親
(
した
)
し、われには
懐
(
なつか
)
し。
浮世絵の鑑賞
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
おもほえず長崎に来て
豊
(
ゆた
)
けき君がこころに
親
(
した
)
しみにけり(永山図書館長に)
つゆじも
(新字旧仮名)
/
斎藤茂吉
(著)
『四
海
(
かい
)
を
家
(
いへ
)
とする』ほどの
廣
(
ひろ
)
い
心持
(
こゝろもち
)
もない。
國語
(
こくご
)
と
風俗
(
ふうぞく
)
と
人種
(
じんしゆ
)
との
關係上
(
くわんけいじやう
)
、
世界
(
せかい
)
の
有
(
あ
)
らゆる
國民
(
こくみん
)
、
有
(
あ
)
らゆる
人種
(
じんしゆ
)
に
對
(
たい
)
して、『一
視同仁
(
しどうじん
)
』といふほどの、
全
(
まつた
)
く
同
(
おな
)
じ
親
(
した
)
しみを
感
(
かん
)
じ
得
(
う
)
るとは
云
(
い
)
へない。
桜と狆と愛国心:コスモポリタンの心理
(旧字旧仮名)
/
堺利彦
(著)
その黒ん坊と特別に
親
(
した
)
しくしていたのは、
杣
(
そま
)
の源兵衛という男であった。
くろん坊
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
彼
(
かれ
)
は、
自
(
みづか
)
ら
衞
(
まも
)
ることに
嚴
(
おごそ
)
かなもとめの
孤壘
(
こるゐ
)
に
姉
(
あね
)
に
對
(
たい
)
する
弟
(
おとうと
)
のやうな
親
(
した
)
しさをみせて
近
(
ちか
)
づいて
行
(
い
)
つた。
彼
(
かれ
)
は
彼女
(
かのぢよ
)
よりも二つばかり
年下
(
としした
)
なのであつた。いつの
間
(
ま
)
にかぱつと
二人
(
ふたり
)
の
關係
(
くわんけい
)
が
噂
(
うは
)
さにのぼつた。
悔
(旧字旧仮名)
/
水野仙子
(著)
そういいながら、八
年
(
ねん
)
の
間
(
あいだ
)
なれ
親
(
した
)
しんだ
保名
(
やすな
)
にも、
子供
(
こども
)
にも、この
住
(
すま
)
いにも、
別
(
わか
)
れるのがこの上なくつらいことに
思
(
おも
)
われました。さんざん
泣
(
な
)
いたあとで、
葛
(
くず
)
の
葉
(
は
)
は
立
(
た
)
ち
上
(
あ
)
がって、そこの
障子
(
しょうじ
)
の上に
葛の葉狐
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
親
(
した
)
しく御覧になりましたとおり、あの巨人のようなロスアンゼルス以下の飛行船も、ボーイング、カーチスの優秀飛行機も、ボール紙が燃えるように一瞬の間に焼け落ちてしまったのでございます。
空襲葬送曲
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
“親”の意味
《名詞》
(おや)父と母の汎称。
(出典:Wiktionary)
“親”の解説
(en: parent(s))とは、子を持つ人のことである。父親(男親)と母親(女親)の汎称である。
親と子をあわせて親子という。
(出典:Wikipedia)
親
常用漢字
小2
部首:⾒
16画
“親”を含む語句
父親
母親
親父
親爺
親戚
両親
親類
親友
親密
親兄弟
親父様
親仁
親方
兩親
親族
肉親
親子
親孝行
親分
親心
...