“母親”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ははおや47.1%
おふくろ27.6%
はゝおや12.0%
おっか2.2%
おっかさん1.3%
おや1.3%
はは1.3%
おつか0.9%
かかさん0.9%
マザー0.9%
おっかア0.9%
おっかあ0.4%
おんなおや0.4%
おッかさん0.4%
かあ0.4%
かかあ0.4%
がが0.4%
はヽおや0.4%
ふくろ0.4%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
高橋たかはしは、はや父親ちちおやわかれたけれど、母親ははおやがあるのでした。正吉しょうきちだけは、両親りょうしんがそろっていて、いちばん幸福こうふくうえであったのです。
世の中へ出る子供たち (新字新仮名) / 小川未明(著)
どうせ己はえ命だ……あゝ是まで母親おふくろには腹一杯はらいっぺい痩せる程苦労を掛けて置いたから、手前てめえ己の無えあとは二人めえの孝行を尽してくれ
霧陰伊香保湯煙 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
彼女かのぢよは、片山かたやま一人ひとりためには、過去くわこの一さいてた。肉親にくしんともたなければならなかつた。もつとも、母親はゝおや實母じつぼではなかつた。
彼女こゝに眠る (旧字旧仮名) / 若杉鳥子(著)
決して「母親おっかさん」とは言わなかった彼の子息が居る……尤も、その頃から次第に子息は家へ寄付かなく成って行ったかとも思われる。
刺繍 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
わからないと母親おっかさんが云うもんですから……処々ところどころ拾い読みしてもらってもチンプンカンプンですから……ただ金兵衛さんの名前が所々ところどころに書いてあって
近眼芸妓と迷宮事件 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
感心な、母親おやの為にんな真似をなすった、わたしも通りかゝって見世へ休んだとき、おっかさんの看病にはびっくりした、孝心なことで
わたしはあれ母親ははでございます……母親ははでも面会が出来ないと仰しゃるんですか? それはまた何故……あれは何処におりますでしょうか。
情状酌量 (新字新仮名) / モーリス・ルヴェル(著)
母親おつかさん、心配しないで居て下さいよ、奈何どんな事が有つても私が承知しませんから」と言ふもんですから——いえ
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
それじゃから云うて聞かすが、お前の母親かかさんというのは、ああ見えても若いうちはナカナカ男好きじゃったのでナ。
いなか、の、じけん (新字新仮名) / 夢野久作(著)
おれも、あの市來知いちぎしりにある、野菊のぎくいてる母親マザーはかにだけはきたいとおもつてゐる。本當ほんたう市來知いちぎしりはいゝところだからなあ。』
追憶 (旧字旧仮名) / 素木しづ(著)
間抜たアんだ、ふざけた事を云うな、今江戸屋の半五郎と云われるのア誰のお蔭だ、父親ちゃん母親おっかアがこしらえて是だけの屋台骨が出来たから、江戸屋の半五郎とも云われるのだ
父親なんかもうとうに死んでしまったい。母親おっかあだけはいたんだけれど、ついとうおれを
駅夫日記 (新字新仮名) / 白柳秀湖(著)
若い霊魂は愛されているたった一人の母親おんなおやの感情の犠牲になることさえできないのだ。新しく生きようとする心の要求は、こんな犠牲をさえ払っている。
帰途 (新字新仮名) / 水野葉舟(著)
あれだから母親おッかさんは本当にしないのだと、隣近所では切歯はがみをしてもどかしがった。
黒百合 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
母親かあさんが早く死去なくなり、お父親とうさん一人きりになっている、その大切なお父親とうさんの側に坐り込み、耳を澄ますのを習慣としていた。
猿ヶ京片耳伝説 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
「今時の風邪は永引くもんでなあ。それにしても、風邪ぐれえなら、安心だ。母親かかあが心配してたぞ。」
栗の花の咲くころ (新字新仮名) / 佐左木俊郎(著)
「なあに、母親がががいねえもんだから……」
土竜 (新字新仮名) / 佐左木俊郎(著)
母親はヽおやわかれにかなしきことつくしてはらわたもみるほどきにきしが今日けふおもひはれともかはりて、親切しんせつ勿体もつたいなし、殘念ざんねんなどヽいふ感念かんねん右往左往うわうざわうむねなかまわしてなになにやらゆめ心地こヽち
経つくゑ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
実のお母親ふくろの気でいても全くは他人、この魂胆を知っているのは松五郎の生前に聴いたおればかりだ……とお前のところの隠居に云わせるのだ
悪因縁の怨 (新字新仮名) / 江見水蔭(著)