“おや”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:オヤ
語句割合
56.7%
8.1%
小止6.9%
4.9%
2.4%
父親2.0%
小休1.6%
1.6%
小歇1.6%
御遣1.6%
1.2%
母親1.2%
義父0.8%
両親0.8%
亡父0.8%
兩親0.8%
小留0.8%
父母0.8%
0.4%
荘家0.4%
親父0.4%
先祖0.4%
実母0.4%
0.4%
小息0.4%
御屋0.4%
御已0.4%
御痩0.4%
興起0.4%
阿呀0.4%
養父0.4%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
むかし、大和国やまとのくに貧乏びんぼう若者わかものがありました。一人ひとりぼっちで、ふたおやつま子供こどももない上に、使つかってくれる主人しゅじんもまだありませんでした。
一本のわら (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
中臣藤原の遠つおやあめのおしくもね。遠い昔の 日のみ子さまのおしのいひとみ酒を作る御料の水を、大和国中くになか残る隈なく捜し蒐めました。
死者の書:――初稿版―― (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
いつか世の中は長雨ながさめにはいり出していた。十日たっても、二十日たっても、それは小止おやみもなしに降りつづいていた。
ほととぎす (新字新仮名) / 堀辰雄(著)
そんなことは、知っていますよ。それだって、父娘おやこの仲だもの、あたいがおやにお礼をいわなくっちゃならないってわけも、なかろうじゃないか。はいはい、苦労を
巷説享保図絵 (新字新仮名) / 林不忘(著)
稚市の両手は、ちょうど孫の手といった形で、左右ともに、二つ目の関節から上が欠け落ちていて、おや指などは、むしろ肉瘤といったほうが適わしいくらいである。
白蟻 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
父親おやは、そのころ、——実の父親か義理の父親であつたかよく記憶はしてはゐないが、——何れにしろ父親は釧路駅の従業員をしてゐて小奴とは別居して暮らしてゐた。
石川啄木と小奴 (新字旧仮名) / 野口雨情(著)
それから病室を出て、数時間というもの小休おやみもなしに、例のずしずしう足早な歩調で、建物の端から端へと歩きつづけた。その日は雨模様だったので、患者たちは庭へ出されなかった。
此の廿五日にも参上あがつたのですよ、御近所の貧乏人の子女こども御招およびなすつて、クリスマスの御祝をなさいましてネ、——其れに余りお広くもない御家おうちに築地の女殺で八釜やかましかつた男のおやだの
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)
まもなく風は小歇おやみになり、路上の浮塵ふじんはキレイに吹き払われて、行先きには真白な大道が一すじ残っていた。
些細な事件 (新字新仮名) / 魯迅(著)
「馬鹿を仰ゃい。子供がわたくしそばへばかり寄り付くのは、貴夫あなたが構い付けて御遣おやりなさらないからです」
道草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
おや/\ッ!」
貧書生 (新字旧仮名) / 内田魯庵(著)
お雪を初めその母親おやや兄すらも、最初こそ二足も三足も譲っていたものだが、それすら後には向からあの通り遂々とうとう愛想を尽かして了った。
別れたる妻に送る手紙 (新字新仮名) / 近松秋江(著)
いやと否めば、義父おやの花夜叉も、憂き目にあい、一座の者も、近江の御領下から追われましょう。なにせい、私たち一座の者は、佐々木家に飼われているお抱えの芸人です」
私本太平記:02 婆娑羅帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
両親おやもこんな事ならあんな学校に入れるんじゃなかったと悔やんでいましてね。それにあなた、そのはわたしはあの二百五十円より下の月給の良人ひとにはかない、なんぞ申しましてね。
小説 不如帰  (新字新仮名) / 徳冨蘆花(著)
己が持つてゐた亡父おやの形見の煙草入を
都会と田園 (新字旧仮名) / 野口雨情(著)
主從しゆうじうあひだどくなどゝの御懸念ごけねんあるはずなし、おまへさまのおん御病氣ごびやうきそのほか何事なにごとありても、それはみな小生おのれつみなり、御兩親ごりやうしんさまのお位牌ゐはいさては小生おのれなき兩親おやたいして雪三せつざうなん申譯まうしわけなければ
たま襻 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
風が出て、雨は冷々ひやひやとして小留おやむらしい。
第二菎蒻本 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
「仕方がない。……女のほうからあッちへ血道を上げているのではぜひないことだ。父母おやが選んでくれた女房じゃなし、なにも、行かないでいればすむことだ。当分、足を抜いていよう」
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「吾、汝が命の、もし墨江すみのえなかつ王とおやじ心ならむかと疑ふ。かれ語らはじ」とのりたまひしかば、答へて曰さく、「僕はきたなき心なし。墨江の中つ王とおやじくはあらず」
またおやじ臣が女、弟比賣に娶ひて、生みませる御子、たからの王、次に多訶辨たかべの郎女、并はせて四柱ましき。天皇御年六十歳むそぢ。(丁丑の年七月に崩りたまひき。)御陵は毛受野もずのにありと言へり。
荘家おやで勝つと、いつまでも荘家おやをつづけられるのだが、京子は荘家おやで三回も勝ちつづけ、連荘れんちゃんの名誉をほしいままにした。
第二の接吻 (新字新仮名) / 菊池寛(著)
最初の荘家おやには、京子がなった。方形に並べられた牌の中から、一度に四枚ずつめいめいの牌を取った。
第二の接吻 (新字新仮名) / 菊池寛(著)
うた敏速さそくの寶澤は空泣そらなきしてさても私しの親父おや養子やうしにて母は私しが二ツの年病死びやうしし夫より祖母ばば養育やういく成長ひとゝなりしが十一歳の年に親父ちち故郷こきやうの熊本へ行とて祖母ばばに私しを
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
下げ有難き仕合せ何も替りましたる儀も御座りませんとこたふれば大岡殿其方が親父おや富右衞門は扨て/\不便ふびんなることぢやが汝ぢが孝行かうかうでは富右衞門もやが蘇生そせいするであらうぞと申されしに城富は不思議ふしぎのことを
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
大学だいがくかみに尋ねた。大学の頭ですらも。それから守は宗教に志し、渋谷の僧に就いて道を聞き、領地をばをひに譲り、六年目の暁に出家して、飯山にある仏教の先祖おやと成つたといふ。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
... 愛するつてことは私の心が許しませぬから——チヤンチヤラ可笑をかしくて」言ひつゝ剛造を横目ににらみつ「是れと云ふもみん我夫あなたが、実母おやの無い児/\つて甘やかしてヤレ松島さんは少し年を ...
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)
左様さうですよ、おつちりおおやみなさる間も無くていらつしやるので、御気の毒様でネ、ト云つて御手助おてすけする訳にもならずネ——其れに又た何か急に御用でもお出来なされたと見えて
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)
空模様はにわかに変って、南風なんぷうに追われる暗雲の低く空を行き過る時、大粒の雨はつぶてを打つように降りそそいではたちまむ。夜を徹して小息おやみもなく降りつづくこともあった。
濹東綺譚 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
………ずいぶんずいぶんこれからは御屋おやしろの稲荷いなりさまと白狐びゃくこ命婦之進みょうぶのしんとを
吉野葛 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
「明日も御已おやめだ」と答えて、自分のへや這入はいった。そこには床がもう敷いてあった。代助は先刻栓を抜いた香水を取って、括枕くくりまくらの上に一滴垂らした。それでは何だか物足りなかった。
それから (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
「まあ御痩おやせなすった事」
道草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
しかし熟々つらつら見てとく点撿てんけんすると、これにも種々さまざま種類のあるもので、まずひげから書立てれば、口髭、頬髯ほおひげあごひげやけ興起おやした拿破崙髭ナポレオンひげに、チンの口めいた比斯馬克髭ビスマルクひげ、そのほか矮鶏髭ちゃぼひげ貉髭むじなひげ
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
アハヽヽそれも道理もつともぢや、今に来たらば能く見て呉れ、まあ恐らく此地辺こゝらに類は無らう、といふものだ。阿呀おや恐ろしい、何を散財おごつて下さります、して親方、といふものは御師匠さまですか。
五重塔 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
戦の統率とうそつぶりも養父おや慾目よくめばかりでなく大出来でした。
新書太閤記:06 第六分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)