“穢”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
けが31.6%
きたな30.1%
きた9.9%
むさ7.1%
よご6.7%
けがれ3.9%
けがら3.7%
ぎたな1.3%
けがらは0.6%
むさくる0.6%
ケガ0.4%
0.4%
きたの0.4%
けがらわ0.4%
むさぐる0.4%
きたなら0.2%
きたね0.2%
0.2%
けがさ0.2%
けがし0.2%
0.2%
ばゝ0.2%
みにく0.2%
むそ0.2%
よごれ0.2%
キタ0.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
陸中の山村では猟人の名を万治磐司といい、磐司がひとり血のれをわず親切に世話をすると、十二人の子を生んだと伝えている。
山の人生 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
侵寇の目的は、地球をその資源庫の一つとするにあり、殊に人類の家畜化というい欲望を有している。地球防衛軍は大苦戦に陥る。
予報省告示 (新字新仮名) / 海野十三(著)
そこには華手なモスリンの端切れが乱雲の中に現われたのようにしっとり朝露にしめったままない馬力の上にしまい忘られていた。
カインの末裔 (新字新仮名) / 有島武郎(著)
パアシング将軍は態々立つて、その士官の船室に訪ねて往つた。士官は船酔の果てが、枕につかまつて頻りとい物を吐いてゐた。
「お前達ァ黙っとれ、伍長ッ貴様アさっき避難民が入り込んで雲南府がれたようなことを云ったが、映画館や茶館が出来る位が何だッ」
雲南守備兵 (新字新仮名) / 木村荘十(著)
このあいだ、一同はみ、口をきよめ、念誦一心、一歩も忠義堂を出ることはない。そこに寄りつどったきりなのである。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
上人を始め多くの先達の話に依れば、此のわしい世の中で、西方浄土の俤を僅かに伝へて居るところは、自分たちの居る山だけだそうである。
二人の稚児 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
武士のもつ紙入れとはちがって、うす財布だった。窓から、庄次郎の手に、ぽんと、落としてくれたのである。
松のや露八 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
憎き女の文なんど見るもしと、には皆焚棄てたりし貫一の、如何にしてこたびばかりは打拆きけん、彼はその手にせし始に、又は読去りし後に、自らそのめて
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
妻の敏子は、到頭金にならなかつた原稿の、包紙の雨に濡れたのを持つて、渠の居間にしてゐるしい二階に上つて來た。
足跡 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
郎女は、貴族の姫で入らせられようが、寺の浄域をし、結界まで破られたからは、直にお還りになるやうにははれぬ。
死者の書 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
この山々は、大覚者で救世の悲願を持つもろもろの仏菩薩の、あるいはその住する浄土を、あるいは救わんとする土を現わすものであろう。
ある偃松の独白 (新字新仮名) / 中村清太郎(著)
青塚の方々うござるぞ! 引っ返して戦いなされ! どこで死ぬも死は一つ、逃げても郷は壊滅し、結局は殺されるでござりましょう! それより憎い敵を討って取り、おのれも死んで不屈不撓
猫の蚤とり武士 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
夫人は見るのもしいと云って、一枚残らずお梶さんと一緒に焼き捨てました。
蛇性の執念 (新字新仮名) / 大倉燁子(著)
翌日學校への往き返りの途中でも彼れは屡々結婚について珍しげに考へた。擦れ違ふ女の姿形を無心には見過せなくて、しい田舍女の一人々々が頭の中に浸み込んだ。
入江のほとり (旧字旧仮名) / 正宗白鳥(著)
その間に、松吉はひどく神経質になり、もたいへん嫌人性になって、彼のしい小屋の中に終日閉じ籠っていた。
(新字新仮名) / 海野十三(著)
「気のせいだよ。死人なんてものは、きれいなものさ。生きてる奴のほうが、よっぽど、え」
銀河まつり (新字新仮名) / 吉川英治(著)
然うなると周三はがにみて心にづる、何だか藝術の神聖をがすやうにも思はれ、またお房に藝術的良心腐蝕させられるやうにも感ずる。
平民の娘 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)
この絨毯は狭山様のお宅の床が、妾の血でれないように敷いたのです。壁紙も、窓かけも、何もかも妾の死に場所を綺麗にしたいために新しく飾り付けたのです。
暗黒公使 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
やがて娘の母り来りおはたやに娘のをらぬを見ていぶかり、しきりにその名をよびければ、かの木小屋にきゝつけて遽驚き男は逃去り、娘は顛倒してたるも打忘れおはたやにかけ入り
「くれなゐの八入の衣朝な朝なるとはすれどいや珍しも」(巻十一・二六二三)がある。
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
うても、一時辛抱おし。」
乳の匂ひ (新字旧仮名) / 加能作次郎(著)
厭らしい、い、好色無慚の、鬼火の姥のこの様子には、頼春も小次郎も呆気にとられ、むしろ戦慄をおぼえて来た。
あさひの鎧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
「さようならば、御免をりまする。伊賀でおいでなすったお客じゃないから、股引うても穿いて寝るには及ばんわ、のうお雪。」
湯女の魂 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
もはや用にたたない赤黒い油のが附いた桶の間を歩いて、風や、雨にされている二本の黒い烟突が、錆たブリキ家根の上に突き出ているのを見返るものも自分独りであるのみだと思って
暗い空 (新字新仮名) / 小川未明(著)
清徳トイウアリケリ、多食ノ人ナリ、四条ノ北ナル小路ニ、シ散ラシケレバ、下司ナドモナガリ、尿小路トツケタリケルヲ——
新書太閤記:07 第七分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)