“船室”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ケビン46.2%
キャビン23.1%
せんしつ11.5%
キヤビン7.7%
サルーン3.8%
へや3.8%
カビン3.8%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
我慢できぬほど猛烈もうれつに、起ってきて、ぼくは教わったばかりの船室ケビンにもぐりこみ、思う存分、笑ってから、再びデッキに出たのです。
オリンポスの果実 (新字新仮名) / 田中英光(著)
僕は変に不愉快な悪寒さむけがしたので、これは空気がしめっているせいであろうと思った。諸君は海水で湿しけている船室キャビンの一種特別なにおいを知っているであろう。
わたくしちうんで船室せんしつかたむかつた。昇降口しようかうぐちのほとり、出逢であひがしらに、下方したからのぼつてたのは、夫人ふじん少年せうねんとであつた。
わたくし元來ぐわんらい膝栗毛的ひざくりげてき旅行りよかうであるから、なに面倒めんだうはない、手提革包てさげかばん一個ひとつ船室キヤビンなか投込なげこんだまゝ春枝夫人等はるえふじんら船室キヤビンおとづれた。
口走るものですからね。……ああ、よくしゃべくった。……風が冷たくなって来ましたね。もう、そろそろ、船室サルーンへはいりましょう
キャラコさん:05 鴎 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
夫人ふじん少年せうねんとをその船室キヤビンおくつて、明朝めうてうちぎつて自分じぶん船室へやかへつたとき八點鐘はつてんしよう號鐘がうしようはいと澄渡すみわたつて甲板かんぱんきこえた。
さらぬだにどこかじめじめするような船室カビンには、きょうの雨のために蒸すような空気がこもっていて、汽船特有な西洋臭いにおいがことに強く鼻についた。
或る女:1(前編) (新字新仮名) / 有島武郎(著)